異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~

ひだまりのねこ

オークとの激闘 中編

 少し時間は遡る。


 ラビたちと別れ、オークたちの背後から接近する。


 木陰から覗き込むと、飛び込んできた凄惨な光景に思わず目を逸らしてしまう。


『絶倫を記憶しました』
『繁殖を記憶しました』


 強烈な吐き気がして、頭が沸騰するほど熱くなる。今すぐ助けたいが……まだだ。


 女性はすでに意識が無いようで、なされるがままになっている。


 突然、オークたちの悲鳴が聞こえてきた。それを合図に飛び出す。


『レベルが上がりました』


 ラビかシュヴァインがオークを倒したのだろう。レベルが上がる。 


 オークたちは、乱入してきたラビたちに意識が向いているのか、背後からの接近にまるで気付いていない。


(……死ね)


 まずは、女性にのしかかっていたオークの首を落とす。噴水のように血が噴き出し倒れる。


 女性が血まみれになってしまったことを心の中で謝罪しながら、返す刃で順番待ちをしていたオークの首も刎ねると、近くにいた別のオークが、仲間がやられたことに気付いて、睨みつけてきた。


『レベルが上がりました』


(……残り3体) 


 2体のオークが襲い掛かってくる。


(本当は楽に死なせたくはないんだが、リーダーの注意を引きたくないからな)


 魔力を込めたデスサイズの切れ味は、まさに神がかっている。分厚い筋肉に覆われた巨体を骨ごとバターのように切り裂いた。


 上半身を失った2体のオークは、力無く崩れ落ちる。


『レベルが上がりました』


(残りはリーダーのハイオークだけだな)


 リーダーのハイオークは、ラビとシュヴァイン相手に激闘を繰り広げている。やはり強い。


 全ての魂を吸収し、更にレベルを上げる。


『レベルが上がりました』


 リーダーはハイオークだ。Cランク最上位の魔物だけあって、まともに戦ったら多分勝てないが――


【ランク】 C
【種 族】 ハイオーク
【年 齢】 3
【状 態】 怒り


【レベル】 13
【体 力】 987
【魔 力】 0
【攻撃力】 988
【耐久力】 985
【素早さ】 498
【知 力】 183
 

【スキル】 剛力 絶倫 繁殖


 鑑定している間に、ラビが殺られてしまった。


『剛力を記憶しました』


 その間に、さらにハイオークに接近、シュヴァインも光の粒子に変わった。


(ありがとな、ラビ、シュヴァイン。お前たちのおかげで、コイツをぶち殺せるよ) 


 剛力のスキルによって、デスサイズが割り箸のように軽く感じる。


 デスサイズを一閃。真っ二つにしたはずだが、切れ味が良すぎたのかハイオークは斬られたことに気付いていない。


 徐々に体がズレていくハイオークと最後に目が合うが、その瞳は、驚愕と絶望の色に染まっていた。


『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』


 魂を吸収するか一瞬悩む。召喚獣とはいえ、仲間を殺した奴だ。正直気はすすまない。


 だが、今は即戦力が欲しい。迷った末に魂は吸収せず、契約することにした。


 これで、強力な手札が手に入った。


***


 襲われていた女性を鑑定したところ、残念ながらオークの子種が着床していたが、神水を飲ませるとオークの痕跡毎、綺麗さっぱり消えてしまい、襲われる前の健康体に戻っていた。


 心配していた心の傷も治せない――なんてことはなく、びっくりするぐらい元気になったから、神水って本当にすごいわ。


 女性は、近くの村の住人だったので、送り届けてあげたら、もの凄く感謝された。御両親から娘を貰って欲しいと言われたりもしたけれど、非常に残念だけど婚約者がいるので~と断った。かわいい娘さんだったから本当に残念だけど、首筋に寒気が走ったのでね。


 オークのことは村長さんにしっかり伝えて、しばらく外に出ないようにしてもらった。 
 不安そうだったので、ギルドには知らせてあるから、すぐに調査隊が来ると思うと伝えたら、少し安心したみたい。


 その後、再び森に戻って、急いでスケッチを完成させた。


「スケッチ召喚 いでよ、シュタルク」


【ランク】 B
【名 前】 シュタルク
【種 族】 ハイオーク
【年 齢】 3
【状 態】 契約カケル


【レベル】 31
【体 力】 1496
【魔 力】 0
【攻撃力】 1488
【耐久力】 1485
【素早さ】 798
【知 力】 236
 

【スキル】 剛力 絶倫 繁殖


 3体目の召喚獣だけど、強いな。殴られたら一撃でやられそうだ。


 オークの拠点には、他にもハイオークやオークジェネラルもいるらしいから、正面から戦える戦力が手に入ったのはかなり大きい。奇襲だけではやはり限界があるし、戦略の幅も狭くなる。


 ラビとシュヴァインも再び召喚しておく。ちなみに一度倒された召喚獣は30分間呼び出すことができない。もう少し、召喚獣を増やしておく必要があるかもしれないな。


 召喚獣たちは、3体とも2メートル以上あるから囲まれると実に頼もしいのだが、大男に囲まれるとか誰得だよと思う。早くかっこいい魔獣とかかわいい妖精とかが欲しいです。


「シュタルク、他の分隊の行先はわかるか?」
『もちろんだ主。ここから一番近い分隊に案内しよう』


 シュタルクの案内で、別の分隊の後を追う。少しでも周囲の被害を減らし、敵の数を減らしておくのだ。


 その後、シュタルクのおかげで、3つの分隊を潰すことができた。


 結果として2体のハイオークと22体のオークを倒し、7人の女性を救出。レベルも9上がり40になった。2体のハイオークは、契約し、戦力に加えた。名前は、ハルトとハルクだ。


 ここで、二手に分かれることにする。召喚獣は全員レベル40だし、分隊レベルなら、十分倒せるだろう。離れていても、召喚獣とは、スケッチブックで繋がっているので、連絡もとれる。


 俺、ラビ、シュタルク班と、ハルト、ハルク、シュバイン班に分かれる。


 ハルト班は、全員見た目的にアウトなので、冒険者や人間にあったら逃げるように命令してある。


 二手に分かれたことで、効率が上がり、1時間でさらに4つの分隊を潰すことに成功。レベルも45まで上昇。ハイオークの魂は念のためキープする。


 どうやら、召喚獣が倒した魔物も、俺が倒したカウントになるので、スケッチブック契約可能なようだ。今のところ描いている時間はないが、その気になればハイオーク軍団を作れるかもしれない。しないけど。


 そろそろ、クロエはプリメーラについた頃だろうか。仮にギルドがすぐに動いたとしても、本格的に動くのは明日の日が昇ってからになるだろうな。夜間に敵のテリトリーに侵入して戦うのは常識的に危険すぎるし。


 今日だけで、2割強の数を削れたし、一旦戻って、クロエたちに合流するべきだろう。本来なら。


 でも……駄目なんだ。今日助けた女の子たちの悲惨な姿が忘れられない。明日まで待てば、捕まってしまった女性はどうなってしまうのだろう。考えただけで吐きそうになる。


 やるしかないよな。せっかく強力な力を持ってこの世界に来たんだ。俺の目の届く範囲ぐらい救えないで神になんかなれるかよ。


 待ってろよ、オークども。文字通り1匹残らず喰らい尽くしてやる。主にクロエが。 










***


17話終了時点でのステータス


【名 前】 カケル=ワタノハラ(男)
【種 族】 人族
【年 齢】 17
【身 分】 自由民
【職 業】 冒険者(D級)
【状 態】 良好


【レベル】 45
【体 力】 1797
【魔 力】 8578
【攻撃力】 1797
【耐久力】 1797
【素早さ】 1797
【知 力】 8578
【幸 運】 90


【スキル】 瞬間記憶 スケッチブック<1> デスサイズ<1> 火魔法<1> 水魔法<1> 風魔法<1> 剣術<1> 棒術<1> 弓術<1> 斧術<1> 身体強化<1> 鑑定<10> 跳躍<1> 魅了 剛力 絶倫 繁殖 精神耐性 洗体 料理 人語 ゴブリン語 狼語 オーク語 兎語 


【加 護】 死神の加護 


 

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