ハムスターファンタジー
第1・1話 血劇
ボクはジャンガリー国、第8王子グリ=ジャンガリーもうすぐ初の1年を迎えるけど、
ボクにこの1年を超えるのはきっと無理だ。
ボクは自分の寿命の終わりを感じている。
ボクはただの一階の王子で
王位継承権もない、だから死んでも悲しむハムスターはいないだろう・・・
でも、プリンちゃんは悲しむかな・・・?
悲しんでほしくないけど、ボクを思って悲しんでくれたなら嬉しいかな・・・
月と無数の星々が夜空に輝く夜
「グリ様、今日は向日葵の種をたくさん持ってきましたわ、蒲公英庭園にベンチがありましたでしょ?、そこで一緒に食べましょ」
「うん」
ボクはプリンちゃんを夜の庭園散歩に誘った。
自分の死を伝える為に・・・
プリンちゃんはとても良い子だ
他の雌ハムスターより優しく、
おっとりしていて
いつもボクに優しく接してくれる。
雌ハムスターには珍しい性格だ。
雌ハムスターは気が強い子が多いから
プリンちゃんはボクの許嫁だ。
決めたのは父上様だ。
「お前はひ弱だから、
優しい妻をもらいなさい」と
プディングジャンガリー公爵の令嬢
プリンちゃんを紹介してくれた。
もしかしたら、他に好きな雄がいたかもしれないけど、王子との取り付けだからと
一緒にいてくれただけかもしれない
ボクが死んでもまた新しい雄が
プリンちゃんと日常を過ごすだろう
一般市民と違って貴族は出会いに困らない
だから寂しい年月を過ごす事はない
「プリンちゃん」
言わないと
「ボク、もうすぐ死ぬんだ」
「え?」
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
プディングジャンガリー邸宅、
プリンの寝所・・・
「うっ、うっ、
どうして・・・どうして・・・」
悲しみに暮れると初めて出会った日の事を思い出す。
あれはお父様が王様の誕生祭に招かれた日
お父様は王様に結婚話しを持ちかけられた。
お父様は先に王様の八番目の御子息を
御目通りしグリ=ジャンガリーの
気の優しさに気を良くしお父様は
私と彼を引き合わせた。
彼はとても良い雄ハムスターだった。
本当は顔合わせだけのつもりだった。
でも、私を丁寧に気づかう彼の誠実さと
優しさを見ると好きになってしまった。
「私は貴方に死んでほしくない」
でも、どうすることもできない・・・
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
運命の女神ルージュが崇拝されている教会
運命に祈りを捧げたり、運命を願ったり
懺悔をしたりする教会
私は教会で夜な夜な祈る事しかできない
昼間は人が使っているから、
怖くて夜しか此処へ来れないけど、
気休めだけど
『嗚呼なんて哀れで可哀相な
小鼠でしょう、アナタ達の寿命はどんな生き物より限りがあると自分でわかっているはずなのにそれでも命を願うだなんて』
「女神様・・・??」
『特別にお前の願いを叶えてあげましょう』
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
氷室詠太(ひむろえいた)時は殺害前日
この男はとんでもない人間だ。
毎日、毎日、毎日、毎日、毎日、毎日、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日、私の仕事を乱してくれる。
荒らしてくれる。
私の運命の女神としてのキャリアに
意を唱える者まで出てくるしまつ。
いつから?、そうだ、
この男が誕生してからだ。
最初はこの男が胎児だった時こと、
この男の出産日が近くに連れ、
母親は身体が弱っていった。
原因は不明
産む時は難産で、
母親は息子を産んですぐ死亡、
母親は出産前には余命宣告を受けていた。
父親は息子が産まれる半年前に事故死
青信号で、横断歩道を渡ったのにも関わらず
前を横切って来たオートバイと衝突事故、
即死
この夫婦の縁は私が結んだものだったけど、
別にこのあたりでは私は何も思うどころか
同情もした。
齢0歳で両親を失くすなんて、と
可哀相にと
この男は母方の祖父母の家に引き取られた。
すくすくと成長すると同時に
祖父母は身体が弱り始め病気を
ちょくちょくするようになった。
そして元々貧困家庭だったのが、
より貧乏になっていった。
幼稚園に通う頃には
同年代の児童達の家庭に問題が勃発するようになった。
親が不倫、離婚、会社倒産、リストラ、
自殺、親が病気で亡くなったり、
事故に合ったりと・・・こんな感じだ。
この男の性格もめっぽう悪く
虐め趣味でしていた為、心を病む子供もいた。
小学生になる頃には・・・
ここは以下省略するとしましょう
中学生時代は、万引きを覚えた。
この男が店でそれをすると
店はあら不思議、万引きとは関係のないとこで
社会的理由で倒産したりした。
高校に上がると、この男は自分で金を集める事を学んだ。
後は悪歴の重ね放題だ・・・
何年も何年もずっと、ずっっっっっっっと
私の分岐にこの男が介入してくる。
なんで!!、何故!!
損害賠償請求や業務妨害の
損害賠償請求、謝罪金、
私のお給金が風に吹かれたチリ紙の様に吹き飛んでいくっ!!!
私は関係ないのに!!、
むしろ被害者なのに!!、
でも、文句が言えない!!
何故なら私は運命の女神だから!
人の行動から出る未来の分岐点を生み出している張本人だから!!
この男も私の内より生み出される
未来の分岐の中で生きている
一人でもあるから!
だから、この男が何かする度、
私は責任を追求される!!
今までクレームなんて入った
事なんてなかったのに・・・
仕方ないじゃない特異体質だもの!!、
人はごまんといる、たくさんいる。
でも誰一人としてここまで
私から生み出る未来分岐に弾かれて
戻って来る人間はいなかった。
なのにコイツは出戻ってくる!何度でも!
そもそもこの男が警察に捕まるルートに
乗ってくれれば私は楽になるの!
でもそうならない、何故??、何で!?
軌道修正も効かない!
私の身から出る錆が、この男!
もうバグの様な男と言っても良い!
私から出る他人の運命を踏み荒らすバグ!
毎日、毎日、毎日、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日!!、一日の終わりのシメに謝罪文!
もう、心の叫びも声になるというもの
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーー!!、そうだ、殺してしまおう」
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
殺害執行後
しまった。やりすぎた・・・
怒りのあまりいろいろ巻き添えにしてしまった
救急車とパトカーのサイレンの音
雑多に右往左往する人間の声
困惑する声、憤る声、悲しむ声、
いろんな声が運命の女神
ルージュの耳に流れてくる。
ぶつかり合ったごちゃごちゃの壊れた車
血に染まったコンクリート
女神の眼下に一人の男だけが目に映る。
左足は変な方向に折れ曲がってて
左手右足は折れて潰れて
胴体も潰れて、頭は割れている。
車に引き潰された猫の死骸の様だ。
でも、まだ私の憤りは収まらない・・・
この男の魂は苦痛を感じる前に
この世を去った。
なんて悪運の持主だこと!
何に転生しても必ず苦痛を
与えて魂を滅してやる。
「逃さないわよ」
「貴女も逃げないでくださいね
然るべきところまで
ご同行していただきますから」
二人の天使が私を真ん中に挟んで現れた。
今からどうなるのか想像はできる。
今から私は適切に処分されるという事を
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
時は戻して、ジャンガリー国
第八王子の寝室
月明かりに照らされてボクは眠る。
「ボクはもう死ぬのか」
意識が遠退いていく、
苦しみを想像していたけどそうでもなかったな
でも、ボクの呼吸はなかなか止まらない
目はもう何も見えないのに
アレ?、何で?
それから急激に身体が痛くなる。
痛い、痛いよ、身体中が痛い、頭が痛い
『なんて哀れで可哀相な小鼠なの
愚かしい人間の身体に入ってしまうなんて』
人間?
人間と言われると、
確かに自分は人間の気がした。
人間の記憶が頭の中でグルグルしている。
あれ?、ボクはハムスターだったのに
なんで人間になってるんだろう
「だれですか?」
視界がやっと見えてきて、
目に映ったその人は紅かった。
髪も目も
『私は運命の女神ルージュ』
「ここはどこですか?、
天国?ボクは死んだの?」
『あなたは死んだわ
此処はあなたの精神世界、
天国ではないけれど、
あなたは今から此処で転生するの』
「また、プリンちゃんにあえますか?」
『会えるわよ、私が叶えてあげるもの、
その代わりなんだけどね
今から貴方の記憶に植え付ける
男を嫌ってほしいの』
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
審議の間
「運命の女神ルージュ、
何故此処へ呼ばれたのかお判りですね」
「氷室詠太の未来の分岐点で必ず起きるトラブルに嫌気がさして殺しましたが、やり過ぎて他を巻き添えにいたらぬ支障を起こしました
でも、苦渋の選択でした」
違う運命の女神のオロンジュが
私を哀れむ顔で真正面に立っている。
嘘らしく涙を拭っている。
心配そうな表情をこっちに向けて・・・
私と向き合うこの女が私は嫌いだ。
私の後輩で、誰にでも優しく
誰にでも大切にされて
愛らしく、誰にでも真心を込める。
何処が嫌いか?あざとさが目に余るところよ
「良いのです、神だって
間違いを犯す事だってあります
人と同じように私達もまた
感情を持っているもの、
でも安心してください、
私は他の方達より冷たくはありません
降格は免れませんが、
神は名乗れますので、
此処での貴女が在席できる場はありませんが」
「それはどういう事ですか?」
「はい、地上で神は名乗れますが、
天では名乗れないという事です、
分かりにくかったですか??
貴女の居た場は私がおさまる
事になりましたから、
ん〜なんて言ったら良いのか・・・
そうだ!、
貴女の居場所は此処には無いという意味で
天で神を名乗れなくなってしまったんです
そういう事です、
これなら理解してもらえたでしょうか?
心配しなくても、きちんと身を寄せれる場は
用意してありますので、
あぁ、あと預金の事なんですが
持って堕ちると罰の意味が無いので
私がちゃんと無駄にならない様
もらっておいておくので
安心して地上へ堕ちてください、
センパイ、今までお疲れさまでした
これからは楽に神様してください
貴女が居なくなったぶんは
私が頑張りますから♡」
私の脳内にこれまでの数多の請求書やクレームの数々の記憶が駆け巡る。
「あれはお前かっ!、嵌かったな!!」
「はいぃ?、なんの事だかさっぱり??」
そして私は墜とされた。
魔神として
ボクにこの1年を超えるのはきっと無理だ。
ボクは自分の寿命の終わりを感じている。
ボクはただの一階の王子で
王位継承権もない、だから死んでも悲しむハムスターはいないだろう・・・
でも、プリンちゃんは悲しむかな・・・?
悲しんでほしくないけど、ボクを思って悲しんでくれたなら嬉しいかな・・・
月と無数の星々が夜空に輝く夜
「グリ様、今日は向日葵の種をたくさん持ってきましたわ、蒲公英庭園にベンチがありましたでしょ?、そこで一緒に食べましょ」
「うん」
ボクはプリンちゃんを夜の庭園散歩に誘った。
自分の死を伝える為に・・・
プリンちゃんはとても良い子だ
他の雌ハムスターより優しく、
おっとりしていて
いつもボクに優しく接してくれる。
雌ハムスターには珍しい性格だ。
雌ハムスターは気が強い子が多いから
プリンちゃんはボクの許嫁だ。
決めたのは父上様だ。
「お前はひ弱だから、
優しい妻をもらいなさい」と
プディングジャンガリー公爵の令嬢
プリンちゃんを紹介してくれた。
もしかしたら、他に好きな雄がいたかもしれないけど、王子との取り付けだからと
一緒にいてくれただけかもしれない
ボクが死んでもまた新しい雄が
プリンちゃんと日常を過ごすだろう
一般市民と違って貴族は出会いに困らない
だから寂しい年月を過ごす事はない
「プリンちゃん」
言わないと
「ボク、もうすぐ死ぬんだ」
「え?」
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
プディングジャンガリー邸宅、
プリンの寝所・・・
「うっ、うっ、
どうして・・・どうして・・・」
悲しみに暮れると初めて出会った日の事を思い出す。
あれはお父様が王様の誕生祭に招かれた日
お父様は王様に結婚話しを持ちかけられた。
お父様は先に王様の八番目の御子息を
御目通りしグリ=ジャンガリーの
気の優しさに気を良くしお父様は
私と彼を引き合わせた。
彼はとても良い雄ハムスターだった。
本当は顔合わせだけのつもりだった。
でも、私を丁寧に気づかう彼の誠実さと
優しさを見ると好きになってしまった。
「私は貴方に死んでほしくない」
でも、どうすることもできない・・・
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
運命の女神ルージュが崇拝されている教会
運命に祈りを捧げたり、運命を願ったり
懺悔をしたりする教会
私は教会で夜な夜な祈る事しかできない
昼間は人が使っているから、
怖くて夜しか此処へ来れないけど、
気休めだけど
『嗚呼なんて哀れで可哀相な
小鼠でしょう、アナタ達の寿命はどんな生き物より限りがあると自分でわかっているはずなのにそれでも命を願うだなんて』
「女神様・・・??」
『特別にお前の願いを叶えてあげましょう』
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
氷室詠太(ひむろえいた)時は殺害前日
この男はとんでもない人間だ。
毎日、毎日、毎日、毎日、毎日、毎日、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日、私の仕事を乱してくれる。
荒らしてくれる。
私の運命の女神としてのキャリアに
意を唱える者まで出てくるしまつ。
いつから?、そうだ、
この男が誕生してからだ。
最初はこの男が胎児だった時こと、
この男の出産日が近くに連れ、
母親は身体が弱っていった。
原因は不明
産む時は難産で、
母親は息子を産んですぐ死亡、
母親は出産前には余命宣告を受けていた。
父親は息子が産まれる半年前に事故死
青信号で、横断歩道を渡ったのにも関わらず
前を横切って来たオートバイと衝突事故、
即死
この夫婦の縁は私が結んだものだったけど、
別にこのあたりでは私は何も思うどころか
同情もした。
齢0歳で両親を失くすなんて、と
可哀相にと
この男は母方の祖父母の家に引き取られた。
すくすくと成長すると同時に
祖父母は身体が弱り始め病気を
ちょくちょくするようになった。
そして元々貧困家庭だったのが、
より貧乏になっていった。
幼稚園に通う頃には
同年代の児童達の家庭に問題が勃発するようになった。
親が不倫、離婚、会社倒産、リストラ、
自殺、親が病気で亡くなったり、
事故に合ったりと・・・こんな感じだ。
この男の性格もめっぽう悪く
虐め趣味でしていた為、心を病む子供もいた。
小学生になる頃には・・・
ここは以下省略するとしましょう
中学生時代は、万引きを覚えた。
この男が店でそれをすると
店はあら不思議、万引きとは関係のないとこで
社会的理由で倒産したりした。
高校に上がると、この男は自分で金を集める事を学んだ。
後は悪歴の重ね放題だ・・・
何年も何年もずっと、ずっっっっっっっと
私の分岐にこの男が介入してくる。
なんで!!、何故!!
損害賠償請求や業務妨害の
損害賠償請求、謝罪金、
私のお給金が風に吹かれたチリ紙の様に吹き飛んでいくっ!!!
私は関係ないのに!!、
むしろ被害者なのに!!、
でも、文句が言えない!!
何故なら私は運命の女神だから!
人の行動から出る未来の分岐点を生み出している張本人だから!!
この男も私の内より生み出される
未来の分岐の中で生きている
一人でもあるから!
だから、この男が何かする度、
私は責任を追求される!!
今までクレームなんて入った
事なんてなかったのに・・・
仕方ないじゃない特異体質だもの!!、
人はごまんといる、たくさんいる。
でも誰一人としてここまで
私から生み出る未来分岐に弾かれて
戻って来る人間はいなかった。
なのにコイツは出戻ってくる!何度でも!
そもそもこの男が警察に捕まるルートに
乗ってくれれば私は楽になるの!
でもそうならない、何故??、何で!?
軌道修正も効かない!
私の身から出る錆が、この男!
もうバグの様な男と言っても良い!
私から出る他人の運命を踏み荒らすバグ!
毎日、毎日、毎日、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日!!、一日の終わりのシメに謝罪文!
もう、心の叫びも声になるというもの
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーー!!、そうだ、殺してしまおう」
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
殺害執行後
しまった。やりすぎた・・・
怒りのあまりいろいろ巻き添えにしてしまった
救急車とパトカーのサイレンの音
雑多に右往左往する人間の声
困惑する声、憤る声、悲しむ声、
いろんな声が運命の女神
ルージュの耳に流れてくる。
ぶつかり合ったごちゃごちゃの壊れた車
血に染まったコンクリート
女神の眼下に一人の男だけが目に映る。
左足は変な方向に折れ曲がってて
左手右足は折れて潰れて
胴体も潰れて、頭は割れている。
車に引き潰された猫の死骸の様だ。
でも、まだ私の憤りは収まらない・・・
この男の魂は苦痛を感じる前に
この世を去った。
なんて悪運の持主だこと!
何に転生しても必ず苦痛を
与えて魂を滅してやる。
「逃さないわよ」
「貴女も逃げないでくださいね
然るべきところまで
ご同行していただきますから」
二人の天使が私を真ん中に挟んで現れた。
今からどうなるのか想像はできる。
今から私は適切に処分されるという事を
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
時は戻して、ジャンガリー国
第八王子の寝室
月明かりに照らされてボクは眠る。
「ボクはもう死ぬのか」
意識が遠退いていく、
苦しみを想像していたけどそうでもなかったな
でも、ボクの呼吸はなかなか止まらない
目はもう何も見えないのに
アレ?、何で?
それから急激に身体が痛くなる。
痛い、痛いよ、身体中が痛い、頭が痛い
『なんて哀れで可哀相な小鼠なの
愚かしい人間の身体に入ってしまうなんて』
人間?
人間と言われると、
確かに自分は人間の気がした。
人間の記憶が頭の中でグルグルしている。
あれ?、ボクはハムスターだったのに
なんで人間になってるんだろう
「だれですか?」
視界がやっと見えてきて、
目に映ったその人は紅かった。
髪も目も
『私は運命の女神ルージュ』
「ここはどこですか?、
天国?ボクは死んだの?」
『あなたは死んだわ
此処はあなたの精神世界、
天国ではないけれど、
あなたは今から此処で転生するの』
「また、プリンちゃんにあえますか?」
『会えるわよ、私が叶えてあげるもの、
その代わりなんだけどね
今から貴方の記憶に植え付ける
男を嫌ってほしいの』
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
審議の間
「運命の女神ルージュ、
何故此処へ呼ばれたのかお判りですね」
「氷室詠太の未来の分岐点で必ず起きるトラブルに嫌気がさして殺しましたが、やり過ぎて他を巻き添えにいたらぬ支障を起こしました
でも、苦渋の選択でした」
違う運命の女神のオロンジュが
私を哀れむ顔で真正面に立っている。
嘘らしく涙を拭っている。
心配そうな表情をこっちに向けて・・・
私と向き合うこの女が私は嫌いだ。
私の後輩で、誰にでも優しく
誰にでも大切にされて
愛らしく、誰にでも真心を込める。
何処が嫌いか?あざとさが目に余るところよ
「良いのです、神だって
間違いを犯す事だってあります
人と同じように私達もまた
感情を持っているもの、
でも安心してください、
私は他の方達より冷たくはありません
降格は免れませんが、
神は名乗れますので、
此処での貴女が在席できる場はありませんが」
「それはどういう事ですか?」
「はい、地上で神は名乗れますが、
天では名乗れないという事です、
分かりにくかったですか??
貴女の居た場は私がおさまる
事になりましたから、
ん〜なんて言ったら良いのか・・・
そうだ!、
貴女の居場所は此処には無いという意味で
天で神を名乗れなくなってしまったんです
そういう事です、
これなら理解してもらえたでしょうか?
心配しなくても、きちんと身を寄せれる場は
用意してありますので、
あぁ、あと預金の事なんですが
持って堕ちると罰の意味が無いので
私がちゃんと無駄にならない様
もらっておいておくので
安心して地上へ堕ちてください、
センパイ、今までお疲れさまでした
これからは楽に神様してください
貴女が居なくなったぶんは
私が頑張りますから♡」
私の脳内にこれまでの数多の請求書やクレームの数々の記憶が駆け巡る。
「あれはお前かっ!、嵌かったな!!」
「はいぃ?、なんの事だかさっぱり??」
そして私は墜とされた。
魔神として
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