不登校だったおれが竜王相手に世界を守るために戦う話~学校に行けなくてもコマンド操作なら得意ですから~

文戸玲

冒険の選択


 
 荒野が広がっている。またゲームの世界に戻ってきたみたいだ。

「今,月を破壊した」

 また声がする。声は明瞭に聞こえるのだけれどもいっている内容が理解できない。

「月を破壊した?」
「どこまでも分からないやつだな。分からないから見せてやったのにそれでも分からない。いったい何から学べるのだ。今見たとおりだよ」

 確かに月は壊れていた。でも,それを受け入れることが出来なかった。そんなことが,現実に起こるはず無い。

「分かった。どうせお前はあの世界に戻らなくて良いんだ。この素晴らしき世界にずっといたらいいんだよ。ただ,一応前もって知っていてくれ。お前がゲームをする至福の時間を邪魔する母親、あいつも殺してしまうからそこだけは了承してくれ」

 いったい何を言っているんだ。適当なことをいっているに違いない。そう言い聞かせようとしたが,さっきみた映像が徐々に現実を帯びたものとして感じられてきた。あの月を破壊した生き物が地球に送られる? そうして母さんも殺される。

「選べ。全ては自由だ」

世界を守るための冒険に出ますか?


→ 冒険する
  冒険しない


 なんだこれは? 目の前に選択肢が表示された。ここから自分で選択しろということだろうか。まるでコントローラーでコマンド操作をするみたいに。
 学校では何も出来ない。力も無い。発言力も無い。でも,コマンド操作ならできる。地球を守りたい。母さんを守りたい。
ぼくは迷うことなく,冒険することを選択した。

「不登校だったおれが竜王相手に世界を守るために戦う話~学校に行けなくてもコマンド操作なら得意ですから~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く