少女がいかに不幸せであったかという話

うたいはじめ

よっつ

少女は幸せであった。
少女は滞りなく進学ができた。幼稚園から大学まで滞りなく。ある程度の勉強をし、試験や課題を滞りなくこなした。成績も優良であり、周囲の教師からしても扱いやすい子どもであった。しかし少女は、勉学に対して努力が出来なかった。常に運が向いていたのか、そういう星周りであったのかは不明だが、半年間を数日かけてなぞれば、ある程度の点数を叩き出せた。それゆえに少女はいつまでも「頑張った」の一言が言えぬままであった。

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