転んだら異世界統一の刑だった! 〜元暗殺者の国盗り物語〜 第一部
山奥の少女
忍びの国はラドムを起点に考えると、ドワーフの村の真逆の方向に位置する。
因みにラドムの町とドワーフの村のある国、つまり今俺が走っている国のことだが、名をダルトア王国と云う。
ダルトア王国から忍びの国へ最短で行くには、間にある魔女の国ティマールを通らなければならない。
ティマールは偉大なる魔法使いと称されるテューラが女王の国で、人口の9割が魔法使いらしい。
前世で魔法というものに関心を持った事は無かったが、レミさんやマールさんが実際に使用しているのを見ると「凄い」の一言に尽きる。
魔女の国に興味はあるが、今回は忍びの国に早く行きたいので通過するだけと決めてあった。
旅といえば馬に乗ったりするものだが、俺は自分の脚でひたすら走る。
恐らく今は馬の1.5倍ほどのスピードが出ているだろう。
昼飯は道中で遭遇した猪のような動物を弓矢で射抜き、購入した調理器具を使用して焼いて食べた。
ちょっとだけ昼寝をして、「走れメロス」のメロスのように走り続けた。
そして遂にラドムとティマールの国境線を越えティマールに入国する。
なぜ国境線を越えたと認識出来たのかというと、道の端に木製で作られた看板があり、ご丁寧に「ここからティマール」と書いてあったからだ。
ティマールに入ってからも走り続け、道中3つの町もあったが素通りして行く。
ここまでほとんど平地だったが、最短で忍びの国に行くには山越えをしなければならない地点まで来た。
陽が落ちつつあったが山越えを強行する。
山の中間地点を越えたあたりで、周りはかなり暗くなっていた。
それでも走っていると、道から外れた右の林の奥に燈の灯っている一軒家に気付く。
こんな山奥に人が住んでいるのか?
俺は脚を止めてその家に行ってみる事にした。
近づくに連れて外観が見え、小さい家だが煉瓦造りだという事が分かる。
家の前に立ち木製のドアを軽くノックしてみた。
暫く待ったが反応が無い。
部屋の灯りが点いていて、バッチリ人の気配は感じるのだが...
「すみませーん!通りすがりの旅人ですー!」
大声で呼びかけると...
「ギギギギギ~」
ドアが一人でに開いたのだ。
奥から若い女性の声が聞こえる。
「どうぞ~入って来て良いわよ~っ!」
俺は遠慮なく家の中に入って行く。
廊下を歩き奥の部屋へ進むと少女が料理を作っている真っ最中だった。
「そこの椅子にかけて待っててくれるかしら」
「あ、はい。ありがとう...」
一度も振り返らないで話す少女に困惑しながら椅子に座る。
「わたし知ってるの。あなた転生人でしょ」
「え!?」
少女の言った言葉に驚かずにはいられなかった。
因みにラドムの町とドワーフの村のある国、つまり今俺が走っている国のことだが、名をダルトア王国と云う。
ダルトア王国から忍びの国へ最短で行くには、間にある魔女の国ティマールを通らなければならない。
ティマールは偉大なる魔法使いと称されるテューラが女王の国で、人口の9割が魔法使いらしい。
前世で魔法というものに関心を持った事は無かったが、レミさんやマールさんが実際に使用しているのを見ると「凄い」の一言に尽きる。
魔女の国に興味はあるが、今回は忍びの国に早く行きたいので通過するだけと決めてあった。
旅といえば馬に乗ったりするものだが、俺は自分の脚でひたすら走る。
恐らく今は馬の1.5倍ほどのスピードが出ているだろう。
昼飯は道中で遭遇した猪のような動物を弓矢で射抜き、購入した調理器具を使用して焼いて食べた。
ちょっとだけ昼寝をして、「走れメロス」のメロスのように走り続けた。
そして遂にラドムとティマールの国境線を越えティマールに入国する。
なぜ国境線を越えたと認識出来たのかというと、道の端に木製で作られた看板があり、ご丁寧に「ここからティマール」と書いてあったからだ。
ティマールに入ってからも走り続け、道中3つの町もあったが素通りして行く。
ここまでほとんど平地だったが、最短で忍びの国に行くには山越えをしなければならない地点まで来た。
陽が落ちつつあったが山越えを強行する。
山の中間地点を越えたあたりで、周りはかなり暗くなっていた。
それでも走っていると、道から外れた右の林の奥に燈の灯っている一軒家に気付く。
こんな山奥に人が住んでいるのか?
俺は脚を止めてその家に行ってみる事にした。
近づくに連れて外観が見え、小さい家だが煉瓦造りだという事が分かる。
家の前に立ち木製のドアを軽くノックしてみた。
暫く待ったが反応が無い。
部屋の灯りが点いていて、バッチリ人の気配は感じるのだが...
「すみませーん!通りすがりの旅人ですー!」
大声で呼びかけると...
「ギギギギギ~」
ドアが一人でに開いたのだ。
奥から若い女性の声が聞こえる。
「どうぞ~入って来て良いわよ~っ!」
俺は遠慮なく家の中に入って行く。
廊下を歩き奥の部屋へ進むと少女が料理を作っている真っ最中だった。
「そこの椅子にかけて待っててくれるかしら」
「あ、はい。ありがとう...」
一度も振り返らないで話す少女に困惑しながら椅子に座る。
「わたし知ってるの。あなた転生人でしょ」
「え!?」
少女の言った言葉に驚かずにはいられなかった。
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