転んだら異世界統一の刑だった! 〜元暗殺者の国盗り物語〜 第一部

流川おるたな

異世界の情報

「き、君の名前は?」

 リーダーっぽい者が正気を取り戻したらしい。

「俺の名はレオンです!」

 自分で付けた名前だが段々気に入ってきた。

「そうかレオン君か。歳は幾つかな?」

 年齢か?幾つなのか俺自身すら知らないのだが、ここは見た目に合わせた方が後々面倒な事にはならないか...

「えーと、15歳です。あ〜、エルドラゴンを倒せたののはたまたまですので気にしないで下さい」

「いや、たまたまでアレは倒せんよ。しかも15歳とは...君、何者だい?」

 やっぱり気になるよな...バースさんの時は運が良かっただけで、俺自身の設定をしっかり考えておくべきだった。
 さて、どうしたものか...

「まあ、良いじゃない。わたし達はこの子に助けられたようなもの何だから」
 
 魔法使いのお姉さんグッジョブ!

「ん...今は礼が先だな。俺このパーティのリーダーで戦士のガイツだ」

 予想通りリーダーか。

「今回は正直助かったよ。改めて礼を言う。ありがとうレオン君!」

 ガイツさんに続いて3人からも礼を言われて少し照れた。
 前世で暗殺者をやっている頃は依頼者と顔を合わせる機会は無く、礼を言われた記憶は一度も無かったから気恥ずかしい部分がある。
 礼を言われた後でそれぞれの名前を教えて貰った。

 魔法使いのレミさん。
 盗賊のリベックさん。
 僧侶のマールさん。
 んで、気絶してるのが戦士のゾルクさん。

「あの、ゾルクさん大丈夫ですか?」

 まだ回復魔法をかけ続けているマールさんに訊いてみた。

「心配してくれてありがとう。出血も止まったから多分大丈夫よ。意識が戻るのには時間がかかりそうだけど」

「そうですか、大事にいたらなくて良かったです」

 回復魔法って言うか、魔法って凄いな...
 さっき俺にイラッとしてた盗賊のリベックさんが口を開く。

「しかしゾルクはデカイし重いから運ぶのにタンカが必要だな」

 魔法使いのレミさんが言う。

「甲冑を全部外せば軽くなるんじゃない?」

 その意見に賛同したガイツさんとリベックさんがゾルクさんの甲冑を外す。

「あとはタンカだな。手分けして材料になりそうな木を集めようぜ」

 リベックさんがそう言ったあと全員で材料になりそうな木を集めた。
 集まった木をロープで固定してタンカが出来上がる。
 結局、ゾルクさんをタンカに乗せて運ぶのを俺も手伝った。
 暗殺者をやっていた俺が親切な行為を行うとは...どういった心境の変化だろうか...俺は自分の行動を不思議に感じていたのだった。

 ラドムまでの道のりで、パーティの人達からこの世界の事を色々訊き出した。

 戦士とか魔法使いとかいうジョブは、筆記試験や実践試験を受け、それをクリアして洗礼を受けると免許皆伝そのジョブを名乗れるらしい。

 エルドラゴンのようなモンスターは300種ほどが存在する。
 知能の高い魔王などは一国の王として君臨し、そんな国が5つもあるそうだ。
 国の話しで言えば、魔王が支配する国の他に、ドラゴンの国や精霊の国まであるらしい。

 つまり全部で13ある国の内、人間が支配する国は半分以下なのだ。

 異世界に無知な俺にとって他にも役立つ情報を色々教えてもらったが、今回はこの辺にしておこう。

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