フリーダム・ハンティング・オンライン

内海友太

出会い

 チュー吉に案内され、俺はクエストボードの内容を確認した。



「なるほどな。最初の街だしまだ簡単なクエストしかないか。」



 はじまりの街だし、レベルも低いし、しょうがないか。

 クエストは、納品依頼、ピルーグの討伐、大型ピルーグの討伐だ。

 クエストをこなせば、新たばクエストは出てくるのだろうな。



「とりあえず、簡単な納品依頼からこなしてみるか。」



  クエストの内容を確認してみる。



「まずは薬草の納品からやってみるか。」



 回復する必要がなかったので気にしていなかったが、ピルーグを討伐した場所で薬草が落ちていたことを思い出した。



「よしチュー吉、さっきの場所に行くぞ!」



「了解っチュ!」



 先ほどのピルーグを討伐した場所へ向かう。



「なぁチュー吉、このクエストって他の奴はクリアしてるのか?」



「クリアしてる人はいるっチュね!」



「そうか。クリアしてる人がいるのに、さっきから人の姿が見当たらないんだが…」



「忘れてたっチュ!初期設定だと他のプレイヤーの姿が見えないように設定されてるっチュ!他のプレイヤーの姿を出すっチュか?」



「そうだな。頼む。」



 …おいおい。

 道理で他のプレイヤーが見当たらないわけだ。

 チュー吉が設定をしてくれたのか、他のプレイヤーのオブジェクトが形成されていった。



「…えっ!?誰??」



「こっちのセリフだ。お前は誰だ?」



 このゲームにはプレイヤーが10万人に上る。

 故に、他のプレイヤーを映し出すのは時間がかかると思っていたが、思った以上に早く、足元にあった薬草を取ろうとした時、誰かの手が触れた。

 その女性の容姿は、自分の身長よりも背が低く、大人な顔立ちで猫顔だ。

 年齢は年上に見えるな。



「私はサクラ!こっちはローランよ。あなたは?」



「アヤトだ。こっちはチュー吉。」



「よろしくっチュ!…チュー!!!」



「あら、よ・ろ・し・く・ね♡」



「なにするっチュ!!」



「こらこらローラン、止めなさい!」



 サクラの精霊は猫だ。

 チュー吉は嫌がっていたが、ゲーム内の設定も現実の世界と一緒みだいたな。



「サクラも薬草のクエストをやっていたのか?」



「ええ、そうよ!一緒にやる?」



「なぁチュー吉、クエストって一緒にできるのか?」



「できるっチュけど、今のクエストは一緒に受注してないから別のクエストっチュ!」



「そうか。それならこの薬草はサクラが持っていくといい。」



「え!?いいの??」



「薬草ならそこらじゅうに生えてるからな。」



「ありがとう!じゃあアヤトの分も探すね!」



「いいのか?助かる。ありがとう。」



アヤトとサクラは薬草を揃え、納品しクエストを達成した。

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