レジスタンスX

和泉太己

第十二話 作戦前夜 こうめい編

その頃こうめいは読書をしていた。ついに明日警察と自衛隊を殲滅出来る、そう考えただけでもわくわくしてきた。そして一人で過去の出来事を振り返り始めた。
このXに入ったのは去年の夏の終わり頃だった。高3だったこうめいに親の存在はなかった。母親はこうめいを産んですぐに亡くなり父親はそれを知ってから後を追いかけるように自殺した。一人になったこうめいは養子縁組によって養子として育った。そのため彼にとっての父と母は育ててくれた人たちなのである。そんな父母にお礼をしたいと思っていたある時とある15歳の少年にこう話しかけられた。「ねえ?自分の人生、自分で切り開けたくない?自分の殻に閉じ込めずに出してあげようよ本当の自分を」そう言われてハッとした。そうだたしかに育ててくれたのは紛れもない真実かもしれないでも自分の人生は自分で切り開くものだと。その日はすぐ家に帰り今まで育ててくれた親に本当の気持ちを伝えた。初めは驚いていたが聞いていくうちに理解してくれ最終的には応援までしてくれた。そこまで思い出しているうちに彼の目から涙がこぼれ落ちた。そして一言「ありがとう」と言い彼もまたベットに横たわった。

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