ハトラータス外伝~リョウ編

鏡花水月

序章(プロローグ)⑤

かつての旧律典執行機関が律典議会になる過程で、当時の貴族的身分である「凰族おうぞく」の一部から反対意見が噴出。

凰族廃止を反対する者たちは徒党を組み、
「執行会」という集団を作った。


本来講義のための集団ではあるが、中には過激な連中も存在する。


急な寄せ集めの団体に闘争力はあっても統率力はなく、過激化に歯止めはかからず。

かろうじて良識のある穏健派が離脱して以降は完全に暴徒と化していた。


「私は執行会の会長…ケルブスと話を取り付けてみようと思う」


「ここまで来ればもう武力行使の方がいいんじゃないのか?わざわざ野郎と話をしたって同じだぜ」


リョウはラリーの慎重な判断に意見を被せる。

「待て待て、そう即断即決というわけにもいかないだろう」


「執行会の連中だって人間だ、話し合いの余地はあるはずだ…それになるべく平和的に物事を運びたいしな…殺伐とした流血の歴史を作るために革命を起こしたんじゃない」


「まあ…俺は別にそこまでするつもりは無いんだが…わかったよ」


グレシアに大げさに諭されたからか、流石の言葉選びにリョウも意見を引っ込めた。

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