プールへ

食事会は明日、今日は顔合わせだけということなのだが、せっかくのプール付き高級ホテル。来た以上は楽しみたいとライトニングは思うし、他の5人もそう思っていた。



　しかしブルースとチャーンは行く気にはならなかった。料理を優先したいからである。



「俺の肉料理は絶品でなくちゃなんねえ！　今は研究をしたいぜ」



「わたしもおいしいラーメンを作るの‼　ライトニングには負けないんだから！」



　ブルースの料理熱心はともかく、チャーンのライトニングをライバルとして見る態度に対してライトニングは呆れてラップに愚痴をこぼす。



「やれやれだ。あのチャーンって子」



「ライバルって見られたね。でもチャーンハーンって結構いい店なんだよ」



「そうなのか」



「従業員はみんな親に捨てられたこどもみたいなんだけどチャーンの父、つまりチャーンハーンの社長はそういった子を拾っては従業員として育てていて、料理とかお会計とかしっかりやっているんだって」



「わけあり料理店ってやつか」



「まあ、社長が会社を大きくするためにこどもを利用しているって噂もあるけどね」



「そんなことあんまり言うなって」



「ごめん」



　ラップからチャーンの悪い話を聞いたライトニングはもやもやした。わけありの少女を助けてやりたいっていう気持ちがあるからである。



　そんなチャーンは周りを気にすることなくラーメンを熱心に作り始めた。



　ライトニングはラップとプールへ向かう。そんな時にもう1人エミーが2人についてくる。



　ライトニングはエミーを見ると、エミーは怯える。



「エミーだっけ？」



「はい……」



「一緒にプールに行きたいのか？」



「そうです」



「ならそういえばいいのに。それでもう1人の影が薄い男子いたじゃん。セイタだっけ」



「セイタさんは、疲れたから寝るみたい」



「もったいない。せっかくのプールなのにな」



　ラップがそれについてライトニングに説明する。



「彼はプールが苦手だそうです。泳げないとかアレルギーだとか」



「そうなのか」



　この世界にもアレルギーがあるということにライトニングは知った。



　食べ物にも様々なアレルギーが存在するため、気をつけなければいけない。



　そんな中、ライトニングはラップと別れて女子更衣室に入る。



　こういう場所に入ることは元男のライトニングにとってかなりプレッシャーだが、女である以上は我慢するしかなかった。



　ライトニングは裸になって鏡の前に立ち自分の体を見る。



　胸は少し膨らんでおり、へそが縦長で白い肌。尻も大きくエロい感じがする。



　自分だと分かっていても抱きしめたり胸を揉んだりしたくなるようなR18のようなことをライトニングはつい考えたくなる。



　そんなことを思っているとエミーがライトニングに声をかける。



「あの、ライトニングさん？」



「ああ、エミー。ごめん」



「自分の体がどうかしましたか」



「いやー、私の肌を男の人に見られるからさ。変じゃないか心配してて」



「ライトニングさんなら心配いらないです。肌はきれいですよ」



「そう」



　それに対して水着に着替え終えたエミー。エミーの水着姿は水色のタンキニで丈が短く、へそが見えている。パンツはショートパンツで太ももを隠しており、胸も露出していないため、露出度はあっても落ち着いた感じである。



「中々落ち着いた感じでいいね」



「ありがとうございます」



「俺も着替えるね」



　ライトニングはドレスから黄色いビキニに着替えると、腕と背中を日焼けしないようにオレンジのジャケット水着を羽織った。



　このジャケットは前日の夜に作ったもので、プールでビキニを着るときにお腹の露出は良くても、腕や背中の日焼けは全身が痛くなるため、そうならないようにライトニングはオレンジのジャケット水着を羽織った。



　しかもエミーから見ても黄色いビキニとオレンジのジャケットに黄色い髪色のツインテールのライトニングはクールに見えた。



「ライトニングさんの水着姿似合ってます。クールです」



「ありがとう」



　暗い感じでほめられるライトニングは嬉しいと思っていいのか分からなかった。