MMORPG でレベルマックスのアバターに転生したが、料理人として生きたい為料理店経営する。

パペット信繁

ディナーの酒

ランチの時間も3時になるとボルテックスは再び準備中となりディナーの営業の5時まで仕込みと休憩をする。



 しかし、仕込みはランチとあまり変わらないし、変わると言ったらおつまみを出すということ。



 また、夜になれば酒を飲むお客が出てくると思いビールとワイン、日本酒といった酒を用意する。



 昼に飲むお客もいるため、ランチの時もお酒は用意しているが、アンペア商店街の住民は大体の人は、昼は仕事をしており、その休憩時間でボルテックスに来て昼食を食べているようなものである。



 ディナーはバーのような感じでお客をもてなすライトニング。さらにヒーラーとコハナといった2人の美少女の接客がお客には盛り上がる。



 酒を用意してはつまみの冷やしトマトに枝豆。そしてライトニングが夜にしか出さないと決めているおつまみ、鶏のから揚げ。唐揚げの鶏はカラスの魔物の肉を使用。油と片栗粉に小麦粉、醤油で鶏の唐揚げを作る。



 何故ライトニングは朝昼には鶏のから揚げを作らないのかというと、その時間帯にライトニングは転生前の西南雷気の時に鶏のから揚げでお腹を壊すことが多かったため、ライトニングは鶏のから揚げでお腹を壊すなら夜が良いし、お客の体の健康のことは考えてはいるが、中には体に悪い酒と鶏のから揚げのようなスナックを好むお客のことも考えて出したのだ。



 今は作らないが、フライドポテトも作ってみたいとライトニングは考えていた。



 しかし考えなければいけないことは酔っ払いとの対応である。転生前のライトニングは酒が弱かったが、この世界ではどうだろうか。酒が強いか弱いか分からない。



 まだ飲んではいないが6時くらいになりライトニングはお客からビールを飲まされる。



 これがアルハラとかいうやつだ。かつて転生前にも受けてとんでもなかった。酔っていた記憶はなかったが、それが恐ろしい。



 しかし今のライトニングは酒を何杯飲まされても酔う気配がない。



 どうやらライトニングは転生して酒の耐久力も強くなっている。



 ライトニングは飲み比べでも平気で勝つような態度を見せつけた。



 この時間帯にもヌルが店に来てディナーを食べていたが、このヌルも酒の飲み比べ対決をする。



 ちなみにこの世界で酒が飲める年齢は15歳からで、ライトニングとコハナは15歳で、ヒーラーはアンドロイドのため年齢関係なく酒が飲めるようだ。



 ライトニングの鞄に世界で生きるための個人証明書に生年月日が記載されていたのとコハナも個人証明書を持っておりライトニングと同い年であることが分かったため、ライトニングもコハナも酒が飲めるとライトニングは理解できた。



 しかしコハナは酒が弱いのとそこまで好きではないため普段は飲まない。



 しかしそのコハナも今日はビールをジョッキ3杯飲んでいたため、ライトニングはコハナを心配する。



「コハナ、そんなに飲んだらやばいぞ。酒弱いんだろ?」



「構いません……どうせこの店で寝ますから」



 すでに酔いつぶれ顔が赤くなっていた。さらに爆笑にどうでもいい話、自分が隠していることさえ簡単にしゃべる。



「私だって借金多かったんですよ! 今は楽しませてください! そうだヌルさん。お酒ってあまり飲まないでしょ。今日は私のサービスです。飲んでください!」



 ビールを強引にヌルに飲ませるコハナ。これにはヌルも動揺する。



「大丈夫なの? 流石に酔いすぎよ! 私も弱いけどそんなにビール飲んだらとんでもないことになるじゃない!」



「迷惑ですか! 迷惑なんですか!」



 突然泣き出すコハナ。それをライトニングはコハナを慰めてヌルを叱る。



「何だヌル、こんなにヌル楽しそうにしてるのにそれはないだろ! みんな! この女! か弱い女の子泣かせたぞ!」



 お客全員にヌルの悪口を言いふらすと、お客は全員酒で酔っていたせいか全員大爆笑した。



 ヌルはライトニングも酔っているのではないかと考える。



「ライトニングも酔ってんじゃないの?」



「何? 俺は正常だ! 風呂も大丈夫だぞ」



「風呂でも大丈夫ね、じゃあエミュのおりゅ屋へ今から行きましょう」



「はっ? 今か」



「そう! 店はコハナとヒーラーに任せればいいでしょって!」



 ヌルはお代をヒーラーに払ってライトニングを連れ出してエミュのいるおりゅ屋へ連れていく。



 ヌルに強引に連れていかれるライトニングであるが、今日の朝知り合った大人しい性格であってもライトニングと楽しく会話できるエミュのおりゅ屋はどんな場所か楽しみであった。

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