全ての魔法を極めた勇者が魔王学園の保健室で働くワケ
月下の語らい
「……今日のところは、この辺りで、お開きにしましょうか。もう夜も遅いですし、シルクさんは転生したばかりで疲れているでしょうから。細かい話は、また明日から詰めていくという事で」
「……そうだな。まだ微妙に身体が重いし、そうさせて貰うよ。……ありがとな」
なんとなく、気を使わせてしまった気がしたけど、ここで断ったら余計に気を揉ませるだけだ。
俺は大人しく頷いて、厚意に甘えることにした。
「ふふっ、お気になさらず。それでは、ルクスリアさん。男子寮の職員用エリアまで、彼の案内をお願いします。それが終わったら、貴方も休んで下さいね。王都に戻るのは、明朝で構いませんから」
「かしこまりました。お先に失礼いたします。ほら、行きますよ、シルクさん」
「おう。……あっ、そうだ。その前に、いつまでも魔王って呼ぶのもアレだし、これからは、ヴェノって呼んでもいいか?」
魔王ケルヴェノムだから、略してヴェノ。
安直だけど、どうせ洒落た渾名なんて考えられる程のネーミングセンスは無いんだ。
だったら、分かりやすく、呼びやすいものが一番だろう。
「……あははっ。えぇ、大歓迎です。それでは、おやすみなさい、シルクさん」
何故か、ツボに入ったらしく、やたらと嬉しそうに笑うヴェノ。
その笑みの理由が少し気になったけど、わざわざ追求するほどでもないか。
「ああ、おやすみ。ヴェノ」
背中越しに、ひらひらと手を振って、学園長室を後にする。
すると、既に廊下に出ていたルクスリアに、ジト〜っとした眼差しで迎えられた。
「……どうかしたか?」
「いえ、別に何でもないです」
『べ、別に何でもありませんからっ!』
ルクスリアの素っ気ない言葉が記憶を揺さぶり、頭の奥から懐かしい声が響いてくる。
……アイツも、良く何でもないって言って、誤魔化してたよなぁ。
けど、そういう時は大抵、何かあったりするんだ。
アイツの場合は、体調不良を隠してるのが、お決まりのパターンだった。
それ以外にも、顔を真っ赤にして言ってる時があったけど、アレは結局なんだったんだろう。
他の奴らは気付いてるっぽかったのに、俺だけ蚊帳の外で、悔しい思いをしたのを覚えている。
「……シルクさん? 早く行きますよ」
「ああ、悪い。いま行くよ」
感傷に浸るのは、約束を果たした後にしよう。
でないと、アイツらに怒られちまうからな。
気持ちを切り替えて、ルクスリアの先導に従い、夜の学園を歩く。
手っ取り早く転移できれば良いんだけど、転移魔法は何らかの目印か、精密な座標を認識しないと使えないので仕方ない。
男子寮とやらには、一度も行ったことが無いからな。
それに、窓から差し込む月明かりだけが照らす廊下は、中々に幻想的だし、こういう時間も悪くない。
そうして、しばらく歩いていると、ふと、ある事に気付いた。
「そう言えば、他の教官や学園のスタッフは、まだ居ないのか? 学園の敷地内に殆ど魔力を感じないんだけど」
「校舎内じゃなくて敷地内って……。どれだけ魔力感知の範囲が広いんですか。この学園には大規模な演習場などもあって、バカにならない広さなんですが」
「いや、流石に魔力の有無が分かるだけで、個々の判別までは出来ないぞ? ヴェノなら出来るだろうけどな」
「比較対象が魔王様な時点で充分に規格外です。……はぁ。それで質問の答えですけど、まだ入学試験は3ヶ月も先だと言われたでしょう? 関係者が出入りする事は勿論ありますが、現段階で学園に住み込んでいるのは、一部だけです。それにしても、転生したのが、この時期で良かったですね。あと3ヶ月遅ければ、女子寮で大勢の生徒が生活していますから、女湯に変質者が出たと大騒ぎになってますよ?」
「そ、それは困るな。女子には卒業まで白い目で見られそうだし、男子には嫉妬の込もった殺気をぶつけられそうだ」
「というか、そもそも医療スタッフとして雇われたかも怪しいですけどね」
そんなIFの未来を想像したのか、ルクスリアがクスリと笑う。
そして、ようやく辿り着いた学園の玄関の扉を開けた。
どうやら、今宵は晴天で、しかも満月らしく、夜道を明るく照らしている。
「……あれ?」
ふと気付いたけど、ルクスリアが眼鏡を外している。
学園長室を出た時には、まだ付けてた筈なんだけど、いつの間に。
今までは廊下が暗かったから、分からなかったのか。
「……私の顔に何か付いてますか?」
俺の視線が気になったのか、ルクスリアが不思議そうに首を傾げる。
「いや、むしろ付いてたのが無くなったというか。あの赤い眼鏡は何処にいったのかな、と」
「ああ、心配せずともポケットに仕舞っただけですよ。アレは仕事の時にしか付けませんから」
そう言って、胸ポケットから眼鏡をチラリと覗かせるルクスリア。
失くした訳じゃないなら、それで良いんだけど……。
「俺の案内は仕事に入らないんですかね」
「何ですか? そんなに眼鏡を付けて欲しいんですか? 眼鏡フェチなんですか?」
「別に眼鏡フェチとかでは無いけど、ルクスリアに良く似合ってたから、勿体ないなと思ってさ」
「……申し訳ありません。私には魔王様という心に決めた御方が……」
「いや、口説いてる訳じゃねーよ!」
確かに、言ってから少し気障っぽいかな、とは思ったけども!
「冗談です。それにしても、貴方という人は……。そう言えば、魔王様にも小さいだの、可愛いだのと言ってましたね。もしや、小さくて可愛い人なら誰でも良いんですか?」
「だから深い意味は無くて、感じたことを口に出しただけなんだけど……。というか、お前は別に小さくないだろ」
むしろ平均的な女性より、かなり身長が高い。
手足もスラリと長くて、顔は小さめなので、典型的なモデル体型と言えるだろう。
「まぁ、胸は小さいですけどね」
「コメントに困るから、その自虐はやめろ」
やさぐれた様子で、自嘲するルクスリアに、すかさずツッコミを入れる。
どこか、わざとらしい冗談みたいな口調だったけと、目は笑っていないだよなぁ。
まったく、どこまで本気なのやら。
「そう言えば、ヴェノって何で、あんなに幼い見た目なんだ? 魔族は人間より寿命が長いって聞くけど、不老の魔族がいるなんて聞いたことがないぞ?」
再び男子寮を目指して歩きながら、ルクスリアに疑問を投げかける。
「別に不老という訳ではありませんよ。魔族は保有する魔力が多ければ多い程、老化が遅く、寿命も長くなるんです。そして、外見の年齢が20代になった頃に全盛期を迎えると言われています」
「……えっ? じゃあなに? アイツって、まだ全盛期を迎えてないの?」
むしろ、外見年齢が12歳の今って、人間で言うとバリバリの成長期なんじゃあ。
「ふふっ。魔王様の真価(進化)は、これからが本番ですよ」
「……俺、もう二度とヴェノとは戦わないわ」
というか、100年前の時点で軽くあしらわれてた俺って……。
「賢明な判断です。もっとも、仮に魔王様に仇為すなら、私が先に貴方を始末しなければ、いけませんけど。……出来れば、貴方を傷付けたくありません」
……まったく、コイツは本当に、お人好しだな。
魔王の側近なら、『その時は一切、容赦しませんので』くらい言わないと。
まぁ、俺としては、こうやって割り切れない思いを抱えながら、それでも前に進んで行く奴が嫌いじゃないけどさ。
「気にするな。もしも敵対する事になったら、その時は全力で殺しに来い。その上で、お前も、ヴェノも、俺自身も、纏めて救ってみせるから」
俺の言葉に目を丸くしたルクスリアが、ハッと我に返って、プイッと顔を背ける。
「……ふんっ。私や貴方自身はともかく、魔王様を救うだなんて100年早いです!」
「そうか? 少なくとも、ヴェノに勝つよりは現実的だと思うぞ? だって、その場合は、アイツに仇為す愚か者をぶっ飛ばせば良いだけだろ。世界最強の魔王様と戦うより、よっぽど楽だ」
「……確かに、革命派などという、ご大層な看板を掲げた犯罪集団も潜伏している訳ですし、そんな機会もあるかもしれませんね」
心の底から軽蔑を込めたような、寒気のする笑みを浮かべるルクスリア。
思わず、背中がゾクッとしたぞ。
「あー、やっぱり魔王様を敬愛する右腕としては許せないよな」
「勿論、それもありますが、それだけではありません。奴らは魔王様に歯向かった挙げ句、罪なき同胞達まで手に掛けた、正真正銘の腐れ外道共ですから」
隣を歩くルクスリアの肩が震えている。
やり場のない怒りを必死に堪えているんだろう。
「魔王が言ってたな。人間と友好的に接してた魔族が殺されたって」
「えぇ……。別に魔王様と異なる意見を持つのは構いません。魔王様だって進むべき道に迷う事はありますし、そんな時に進言するのは、私達の役目ですから。しかし、その上で魔王様が決めた事なら、たとえ地獄の底だろうと付いていくのが私達の誇りです。そして、どうしても納得できないなら、命を賭して立ちはだかり、一切の抵抗なく、ただ忠言を叫び続ける」
決然とした表情で断言するルクスリア。
その覚悟には、一片の揺るぎも感じられない。
後ろに付き従う時も、前に立ちはだかる時も、彼女の命は常に魔王に捧げられている。
まさに魔王の忠臣と呼ぶに相応しい彼女だからこそ、どうしても許せないのだ。
何の罪もない民を虐殺し、人間に責を押し付け、安全な位置から対立を煽った革命派の非道を。
……それにしても、魔王でも見つけられないなんて、革命派は、いったい何処に潜伏しているんだろう。
「……そうだな。まだ微妙に身体が重いし、そうさせて貰うよ。……ありがとな」
なんとなく、気を使わせてしまった気がしたけど、ここで断ったら余計に気を揉ませるだけだ。
俺は大人しく頷いて、厚意に甘えることにした。
「ふふっ、お気になさらず。それでは、ルクスリアさん。男子寮の職員用エリアまで、彼の案内をお願いします。それが終わったら、貴方も休んで下さいね。王都に戻るのは、明朝で構いませんから」
「かしこまりました。お先に失礼いたします。ほら、行きますよ、シルクさん」
「おう。……あっ、そうだ。その前に、いつまでも魔王って呼ぶのもアレだし、これからは、ヴェノって呼んでもいいか?」
魔王ケルヴェノムだから、略してヴェノ。
安直だけど、どうせ洒落た渾名なんて考えられる程のネーミングセンスは無いんだ。
だったら、分かりやすく、呼びやすいものが一番だろう。
「……あははっ。えぇ、大歓迎です。それでは、おやすみなさい、シルクさん」
何故か、ツボに入ったらしく、やたらと嬉しそうに笑うヴェノ。
その笑みの理由が少し気になったけど、わざわざ追求するほどでもないか。
「ああ、おやすみ。ヴェノ」
背中越しに、ひらひらと手を振って、学園長室を後にする。
すると、既に廊下に出ていたルクスリアに、ジト〜っとした眼差しで迎えられた。
「……どうかしたか?」
「いえ、別に何でもないです」
『べ、別に何でもありませんからっ!』
ルクスリアの素っ気ない言葉が記憶を揺さぶり、頭の奥から懐かしい声が響いてくる。
……アイツも、良く何でもないって言って、誤魔化してたよなぁ。
けど、そういう時は大抵、何かあったりするんだ。
アイツの場合は、体調不良を隠してるのが、お決まりのパターンだった。
それ以外にも、顔を真っ赤にして言ってる時があったけど、アレは結局なんだったんだろう。
他の奴らは気付いてるっぽかったのに、俺だけ蚊帳の外で、悔しい思いをしたのを覚えている。
「……シルクさん? 早く行きますよ」
「ああ、悪い。いま行くよ」
感傷に浸るのは、約束を果たした後にしよう。
でないと、アイツらに怒られちまうからな。
気持ちを切り替えて、ルクスリアの先導に従い、夜の学園を歩く。
手っ取り早く転移できれば良いんだけど、転移魔法は何らかの目印か、精密な座標を認識しないと使えないので仕方ない。
男子寮とやらには、一度も行ったことが無いからな。
それに、窓から差し込む月明かりだけが照らす廊下は、中々に幻想的だし、こういう時間も悪くない。
そうして、しばらく歩いていると、ふと、ある事に気付いた。
「そう言えば、他の教官や学園のスタッフは、まだ居ないのか? 学園の敷地内に殆ど魔力を感じないんだけど」
「校舎内じゃなくて敷地内って……。どれだけ魔力感知の範囲が広いんですか。この学園には大規模な演習場などもあって、バカにならない広さなんですが」
「いや、流石に魔力の有無が分かるだけで、個々の判別までは出来ないぞ? ヴェノなら出来るだろうけどな」
「比較対象が魔王様な時点で充分に規格外です。……はぁ。それで質問の答えですけど、まだ入学試験は3ヶ月も先だと言われたでしょう? 関係者が出入りする事は勿論ありますが、現段階で学園に住み込んでいるのは、一部だけです。それにしても、転生したのが、この時期で良かったですね。あと3ヶ月遅ければ、女子寮で大勢の生徒が生活していますから、女湯に変質者が出たと大騒ぎになってますよ?」
「そ、それは困るな。女子には卒業まで白い目で見られそうだし、男子には嫉妬の込もった殺気をぶつけられそうだ」
「というか、そもそも医療スタッフとして雇われたかも怪しいですけどね」
そんなIFの未来を想像したのか、ルクスリアがクスリと笑う。
そして、ようやく辿り着いた学園の玄関の扉を開けた。
どうやら、今宵は晴天で、しかも満月らしく、夜道を明るく照らしている。
「……あれ?」
ふと気付いたけど、ルクスリアが眼鏡を外している。
学園長室を出た時には、まだ付けてた筈なんだけど、いつの間に。
今までは廊下が暗かったから、分からなかったのか。
「……私の顔に何か付いてますか?」
俺の視線が気になったのか、ルクスリアが不思議そうに首を傾げる。
「いや、むしろ付いてたのが無くなったというか。あの赤い眼鏡は何処にいったのかな、と」
「ああ、心配せずともポケットに仕舞っただけですよ。アレは仕事の時にしか付けませんから」
そう言って、胸ポケットから眼鏡をチラリと覗かせるルクスリア。
失くした訳じゃないなら、それで良いんだけど……。
「俺の案内は仕事に入らないんですかね」
「何ですか? そんなに眼鏡を付けて欲しいんですか? 眼鏡フェチなんですか?」
「別に眼鏡フェチとかでは無いけど、ルクスリアに良く似合ってたから、勿体ないなと思ってさ」
「……申し訳ありません。私には魔王様という心に決めた御方が……」
「いや、口説いてる訳じゃねーよ!」
確かに、言ってから少し気障っぽいかな、とは思ったけども!
「冗談です。それにしても、貴方という人は……。そう言えば、魔王様にも小さいだの、可愛いだのと言ってましたね。もしや、小さくて可愛い人なら誰でも良いんですか?」
「だから深い意味は無くて、感じたことを口に出しただけなんだけど……。というか、お前は別に小さくないだろ」
むしろ平均的な女性より、かなり身長が高い。
手足もスラリと長くて、顔は小さめなので、典型的なモデル体型と言えるだろう。
「まぁ、胸は小さいですけどね」
「コメントに困るから、その自虐はやめろ」
やさぐれた様子で、自嘲するルクスリアに、すかさずツッコミを入れる。
どこか、わざとらしい冗談みたいな口調だったけと、目は笑っていないだよなぁ。
まったく、どこまで本気なのやら。
「そう言えば、ヴェノって何で、あんなに幼い見た目なんだ? 魔族は人間より寿命が長いって聞くけど、不老の魔族がいるなんて聞いたことがないぞ?」
再び男子寮を目指して歩きながら、ルクスリアに疑問を投げかける。
「別に不老という訳ではありませんよ。魔族は保有する魔力が多ければ多い程、老化が遅く、寿命も長くなるんです。そして、外見の年齢が20代になった頃に全盛期を迎えると言われています」
「……えっ? じゃあなに? アイツって、まだ全盛期を迎えてないの?」
むしろ、外見年齢が12歳の今って、人間で言うとバリバリの成長期なんじゃあ。
「ふふっ。魔王様の真価(進化)は、これからが本番ですよ」
「……俺、もう二度とヴェノとは戦わないわ」
というか、100年前の時点で軽くあしらわれてた俺って……。
「賢明な判断です。もっとも、仮に魔王様に仇為すなら、私が先に貴方を始末しなければ、いけませんけど。……出来れば、貴方を傷付けたくありません」
……まったく、コイツは本当に、お人好しだな。
魔王の側近なら、『その時は一切、容赦しませんので』くらい言わないと。
まぁ、俺としては、こうやって割り切れない思いを抱えながら、それでも前に進んで行く奴が嫌いじゃないけどさ。
「気にするな。もしも敵対する事になったら、その時は全力で殺しに来い。その上で、お前も、ヴェノも、俺自身も、纏めて救ってみせるから」
俺の言葉に目を丸くしたルクスリアが、ハッと我に返って、プイッと顔を背ける。
「……ふんっ。私や貴方自身はともかく、魔王様を救うだなんて100年早いです!」
「そうか? 少なくとも、ヴェノに勝つよりは現実的だと思うぞ? だって、その場合は、アイツに仇為す愚か者をぶっ飛ばせば良いだけだろ。世界最強の魔王様と戦うより、よっぽど楽だ」
「……確かに、革命派などという、ご大層な看板を掲げた犯罪集団も潜伏している訳ですし、そんな機会もあるかもしれませんね」
心の底から軽蔑を込めたような、寒気のする笑みを浮かべるルクスリア。
思わず、背中がゾクッとしたぞ。
「あー、やっぱり魔王様を敬愛する右腕としては許せないよな」
「勿論、それもありますが、それだけではありません。奴らは魔王様に歯向かった挙げ句、罪なき同胞達まで手に掛けた、正真正銘の腐れ外道共ですから」
隣を歩くルクスリアの肩が震えている。
やり場のない怒りを必死に堪えているんだろう。
「魔王が言ってたな。人間と友好的に接してた魔族が殺されたって」
「えぇ……。別に魔王様と異なる意見を持つのは構いません。魔王様だって進むべき道に迷う事はありますし、そんな時に進言するのは、私達の役目ですから。しかし、その上で魔王様が決めた事なら、たとえ地獄の底だろうと付いていくのが私達の誇りです。そして、どうしても納得できないなら、命を賭して立ちはだかり、一切の抵抗なく、ただ忠言を叫び続ける」
決然とした表情で断言するルクスリア。
その覚悟には、一片の揺るぎも感じられない。
後ろに付き従う時も、前に立ちはだかる時も、彼女の命は常に魔王に捧げられている。
まさに魔王の忠臣と呼ぶに相応しい彼女だからこそ、どうしても許せないのだ。
何の罪もない民を虐殺し、人間に責を押し付け、安全な位置から対立を煽った革命派の非道を。
……それにしても、魔王でも見つけられないなんて、革命派は、いったい何処に潜伏しているんだろう。
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