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聖獣に転生したら、もふもふされ過ぎてつらい

シーチキンたいし

ジルベスターと共に人間の国へ


「こ、これは……」

「聖獣なんて初めて見た……」

「私もです……」

三人が私を唖然としながら見る。

ねぇ、そんなこといいから撫でて!ずっとぼっちだった私今、甘えモードなのだ!…幼体精神だから許される!はず!

「警戒心が強くってのは嘘じゃねぇか?すげぇ隊長に懐いてンじゃん」

「それって……もしかして団長をパートナーに選んだのでは?」

「そんなはず……」

「きゅん!きゅんきゅん!」

「…そうだっていってるのか?」

「きゅん!」

私はジルベスターに気づいてほしくて頷きながら鳴いた。ジルベスターは驚いたように目を見開いていたが、私をゆっくりと抱き上げてくれた。

抱っこ!抱っこだ!ジルベスターに抱っこされてる!

「お前……俺なんかをパートナーにしていいのか?」

「きゅう!」

「しかしなぁ」

「良いじゃないですか団長。それに、その子回復魔法を使ったんですよね?それも高位の」

「あぁ」

「もしかしたら、王子を治せるかもしれません。連れて帰りましょうよ」

「!!!」

「なるほど!レイ頭いいー!」

王子?なんの話だろう?

「……わかったお前を連れていく、よろしくなサーヤ」

「きゅ、きゅう~~!!」

初めて名前を呼んでくれて、嬉しくなった私はジルベスターの胸に頭を擦り付けるように甘えた。

「ははっ、団長に甘えてらぁ」

「可愛らしいですね、鑑定結果では0才となっていましたし、生まれたばかりなんでしょうね」

私はジルベスターにこれでもかと言うぐらい引っ付いた。









次の日、私は目が覚めると目の前にジルベスターがいて、感激した。

昨日のは夢じゃなかった!

これでもうぼっちではないと思うと、あの大冒険は無駄じゃなかった。このちっこい足で、この巨大森を半分は歩いたんだよ?すごくない?


私はジルベスターに撫でてほしくなって、眠っているジルベスターに頭をぐりぐり押し付けて撫でて攻撃をした。

「ん……なんだ?毛が…、サーヤか」

「きゅん!」撫でて!

「朝から元気だな。おはよう」

ジルベスターは私を抱き上げて、撫でてくれた。ぼっちからこの昇格!努力は今報われた!


「朝食を食べたら、出発だ。装備も食料もギリギリだ。生きてこの森を出られねば意味がないからな」

「きゅん!」

そっか、人間は食べなきゃ死んじゃうんだった。この体に便利すぎて忘れてた。

それにこの森は普通の人には厳しいんだった。でも大丈夫!私がいるからね!ジルベスターは私が守るんだから!

「召集!整列!」

レイと呼ばれていた騎士さんの号令で、休んでいた騎士たちが全員集まった。とても息の揃った行動で、よく訓練されているのがわかる。

「昨日は皆、よくやってくれた!おかげで一人もかけることなく、無事に討伐を果たせた。これより、王都に向けて帰還する!ドラゴンを討伐したのだ!この森だって全員で
抜けられるはずだ!」

「「はい!!!」」

隊長であるジルベスターの鼓舞に、隊員たちが答えた。

ジルベスターが尊敬されているのが、何だか自分のことのように嬉しくなって、私は隠れるのをやめてジルベスターの足元にじゃれついた。

「……。」

「……。」

「……あの、団長……」

「……なんだ?」

「……その、足元に」

「……はぁ、サーヤ、大人しくしていろと言っただろう?」

「きゅん!」ごめん無理!

なんだか困惑したようにざわついた。

ジルベスターは私を抱えて、隊員たちに事のあらましを説明し始めた。

「……という訳で、一緒に王都に向かうことになったサーヤだ。よろしく頼む」

「きゅん!」よろしくな!

手を上げてどや顔しながら挨拶すると、何人かの騎士が唸っていた。大丈夫だろうか?

「聖獣……初めて見た」

「聖獣に認められるなんてさすが団長!」

傷だらけのボロボロなのに、騎士たちは元気だ。さっきのジルベスターの言葉もそうだけど、皆死を覚悟しすぎ。

ジルベスターの大切な部下達だ。死んでほしくない。それにもふもふしてくれる人も減っちゃうしな!

「きゅんきゅん!きゅう~ん!」
(※痛いの痛いの飛んでけ~!)

私は広範囲に治癒魔法を展開した。

地面の治癒魔法の魔方陣がすべての騎士達を捉えると、騎士達の傷が瞬く間に治っていった。

「こ、これはッ!!」

「す、すげー!回復……魔法か?」

「傷が!治った!」

「見ろ!重症だったやつが元気に!」

「古傷まで治ってくぞ!」

今回は大盤振る舞いだ。私の魔力半分は使ったかな?

まぁカンストしてる時点で、どんだけ使っても全然減らないから、やっと魔法使ったなぁって感じだ。

「サーヤ!こんな高等魔法!大丈夫なのか?」

「きゅん!」大丈夫だよ!

「平気そうですね…。さすが聖獣…といったところでしょうか?」

「俺の右腕まで完治しちまった」

「本当ですか!?」

カイさんの右腕?

「サーヤありがとう!俺の右腕は、王子をかばったとき怪我して以来、神経を傷付けちまったのか、上手いこと動かせなくなってたんだ。」

そうだったんだ…。左利きなのかと思ってたけどそうじゃなくて、右手が使えなくなったから左に変えたんだ。

テレビで見たことある。利き手を変えるのってかなり難しいって。たくさん努力が必要だって。カイさんは凄い人だ!

「きゅん!きゅぅん!」
凄い人だよ!自信持って!

「はは、なんだ?慰めてくれるのか?大丈夫だ。さっきので俺の右腕まで治っちまった。ありがとう。」

「きゅん!」どういたしまして!

他の騎士達も、私にありがとうと感謝の言葉を言ってくれた。

どういたしまして!お礼はもふもふで許してしんぜよう!


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