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聖獣に転生したら、もふもふされ過ぎてつらい

シーチキンたいし

人間のいる場所を目指して三千里



人間のいる国に向かう!と意気込んで冒険に出たけど、今私は後悔している。

「きゅきゅぅぅう!」
(こんなに遠いなんてぇ!)

冒険に出てたった1日で、心が折れかけていた。

たった1日、されど1日。普通の森ならそれくらい歩いていれば森を出られるはずなのだろう。だが、全然出口が見えない。

それもそのはず。異世界マップで確認したら、この森、軽く北海道くらいある巨大森なのだ。そしてその中心ほどから北西の森の出口まで約500㎞ほど。まだ生まれたばかりで、かつ短足な私がこの距離をたった1日でいこうなんて馬鹿げている。

しかし、進めど進めど森だと、気が滅入る。

いや、女は度胸!がんばれ!と気合いを入れて再び歩き始めた。


「きゅっきゅっきゅぅ~♪きゅっきゅっきゅぅ~~♪きゅきゅきゅきゅ~きゅっきゅきゅぅ~♪」
※歌っているつもり

某ジブリ映画(ト◯ロ)の主題歌を陽気に歌いながら森のなかを進んでいく。

時には木の実の生っている木で一休みしたりしながら、のんびり進む。たまに出会うスライムや小動物たちと遊んだりして道草を食っているので、進んだかと言われるとそうでもない。

しかし、着実に北西に向けて進んでいる。

それにしても、この森色々ありすぎてぶっ飛んでる。これは確かにみんな欲しがると確信出来た。

例えば───
【ホワイトマナマッシュ(魔性)】
マナの豊富な場所にしか自生しない大変珍しいキノコ。大変美味で、食べると魔力が回復する。エリクサーの材料のひとつである。

【真魔鉱石】
マナを含んだ鉱石。魔鉱石より多くのマナを取り込んだとても貴重なもの。硬度はミスリルより硬く、オリハルコンより弱い。武器や防具などに加工すると、魔法伝達率がミスリルより高い。

【フェアリーナッツ】
妖精が好んで食べると言われる木の実。マナを豊富に含んでおり、食べるとあらゆる呪いを浄化する効果がある。それ故に、大昔ではこれをめぐって人同士の争いが起こったこともある。

【ラグナ草】
マナが豊富に含まれた薬草。そのまま食べることもでき、どんな傷も、状態異常も癒す万能薬草。エリクサーの材料のひとつでもある。

回りを鑑定するたび、こんなのばっかり。レアな素材の宝庫だ。

まぁ、見つけても必要ないんだけどね!

しかし、収集癖があるのか、ついつい集めてしまうが、この体では持ち運びが出来ない。どうしようかなぁとうんうん唸っていたら、新たなスキルが手に入った。

スキル:アイテムボックスLv.1
生き物以外の物を異空間に収納できる。現在、収納可能体積は1㍍四方の立方体ほど。
珍しいスキルではありますが、冒険者や商人の中にはこのスキルを持つものが多くいます。

珍しいスキルではあるが、全くないわけではないらしい。収集したよく分からない物や、おやつにとっておいている木の実などをいれている。

そんなこんなで1ヶ月ほどたった。もう少しで目的地まで半分の距離になるとこだ。

私、まだ生まれたばかりの赤ちゃんなのに頑張ったよね、こんなところまでさ。ほんと大冒険だよ。

「きゅ!!」

私はひとり自画自賛した。

今日も頑張って進むことにした私が歩こうとした瞬間だった。

ドォゴォォォォォン!!!

「きゅきゅっ!?!?」

大樹が左右に揺れるほどの地震と、耳がいたくなるほどの轟音が鳴り響いた。

何事?!

私はすぐさま異世界マップと索敵を展開させた。

しかし、周辺には何もない。普段通りだった。おかしいと思った私は、私の周辺だけでなく森全体をマップに表示すると、ちょうど森の出口と私の位置の中間地点に大きな魔力反応があった。

え?100㎞ぐらいはなれてるんだよ?今の地震でも何でもないよね?

何か爆弾が爆発したような音だった。つまり、何かが暴れて爆発するような大きな魔法かなにかを打ったのだろう。

だからってこんなところまでものすごい轟音と地震がくる?どんだけ凄い威力の魔法?こわっ!異世界怖い!

「きゅぅ……」

私の行く進行方向にいると思うと足がすくむ。

しばらくその場をうろうろしたが、神様にもらったスキルを信じることにした。

と言うよりも、もうボッチは嫌なだけなのだ。さっさとこの鬱陶しい森を抜けて人間に会いにのだ。出来ればめちゃくちゃ可愛がってくれると嬉しい。そんな俗な考えのゼロ才カーバンクルであった。

「きゅぅ!!きゅうう!」

気合いを入れ直して、森を進んだ。

まぁ、それでも幼児精神の私の足は何時もより落ちるわけで、もうすぐ例の爆発があった場所の近くまでやって来るのに1ヶ月ほどかかった。

「きゅ、きゅぅぅ……」

恐る恐るビクビクしながら歩いていると、索敵が反応した。

なんだ?!敵?!

身構えたものの私の近くにはいなかった。安心してマップを確認すると、私が向かっている北西方向から100から120くらいの生命反応を検知した。

魔物の群れか?と最初は思ったが、その反応、まるで隊列を組むかのように並んでいる。これはまさか!

「きゅんきゅう?!」
(人間?!)

私は多いに期待し、先程までのびびり具合が嘘のように走り出した。

人間!きっとそうだよ!

ようやく人間に会えるという喜びに私のテンションが上がりに上がっていた。


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