祝福と加護の高校生、リアル世界で冒険者になる。

千歳

18話



目の前にある建物が冒険者ギルド。
外観は至ってシンプルで四角い一階のみ、
白のみの豆腐みたいな建築物。
ざっと周りを見渡しても窓という窓が一切なく、
入り口であろう場所、透明ガラスの自動ドアだけなのだ。


政府直営で運営されているとは思えない程の
殺風景な建物に少し驚く。


「ここが冒険者ギルド? なんか凄く味気ない所だね? 」


「うん、俺も同じ事思ってたよ。 政府が作ったんじゃないのか? って思える程に」


「とりあえず中に入ってみる? 」


「そうだね。そうしようか」


俺たち二人は自動ドアをくぐってからまた動きを止めてしまった。
その原因を突き止めるなんて簡単だ。
外観とは似つかない程の人と広さだからだ。


まずは広さ。
先ほど外観を見た限りでは奥行きもあまりなく、
あっても都心にあるコンビニ程度だろうと思っていた。
だがそれも裏切られ、中は思っていたものの軽く見積もっても何十倍もの広さがある。
どんな細工をしたらその広さが生まれるのだ。
一瞬、どこぞのショッピングモールを思い出した。
しかもここは最上階らしい。なぜか建物の中央らへんがひらけており、
下を見渡せばぱっと見で5階建てなのだろうと分かる。


それに付随する形で、人。周りを見渡す限りの人。
先ほどの広さをイメージしていたからかもしれないが、
人が受付であろう場所に長蛇の列を作っている。
それに入り口近くの周りには丸テーブルと椅子が何十個も置いてあり。
その休憩所のような場所には、ビアガーデンの如く飲食している人がいる。
よく見ると入って右側は飲食売り場が何店舗もあった。成る程と思ってしまう。



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