最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~

マーくん

第280話【海底の魔物】

<<クラシケラ視点>>
「また、反応があったみたいだな。

奴等もだいぶ焦っているみたいだね。間隔が短くなっている。

ちょっと行って来るよ。」

僕は同じ警備隊に所属しているケシミアンにそう言って、マサル達の星に転移した。

「ちぇっ、今回は海底か。面倒くせえなぁ。」

この前までは砂漠ばかりだったので、キメラで対応できたが、海底となるとそうもいかない。

「今回は何を召還しようかな。」

海面すれすれに浮かびながら、呼び出す魔獣を考えていると、マサルが2人の子供を連れてやってきた。

「やあ、マサル。早かったね。」

「クラシケラか。この前、君に魔力の波長を教えてもらったからね。早速探知機を用意したら、すぐに引っかかったんで、来てみたんだ。

この2人は俺の子供なんだよ。

ランス、イリヤ、こちらが魔物をやっつけに来てくれているクラシケラさんだよ。」

「ランスです。いつもありがとうございます。」

「イリヤです。ありがとうございます。」

「クラシケラだよ。この2人もマサルと同じで、すごく魔力が強いね。」

「ところで、クラシケラ。やっぱり場所はここなのかい?」

「そうだね。この海底みたいだ。
でも、いつもみたいにキメラを出せないから、どうしようかと思っていたんだよ。」

「じゃあ、ちょっと俺が見てくるよ。バリヤー!」

マサルはそう言うと海底に潜って行った。



数分後、海底からおびただしい量の血が上がってきた。

それと前後して、海底から上がってきたマサルが姿を現した。

「とりあえず、魔物はかたずけて来たよ。魔方陣も消してきた。」

ちょっとお使いに、 みたいに気軽な感じでマサルが話してきた。

「もう終わったの?ひとりで?」

「そうだね、海の中だからそんなに魔物もいなかったし、電気を流したら、ほとんどが死んだみたいだ。
地上だとこうはいかなかったと思う。」

「お父様、僕達にもその魔法を教えて欲しいな。そしたら、僕達だけでも対応できるし。」

「そうだな、ランス、イリヤ、君達に教えるのもそうだけど、後でこの魔法の魔道具を作っておくよ。

各国の沿岸警備隊に配っておいたら、万が一現場に急行できなくても、水際でせき止められるからね。」

「わかったよ。僕達もその魔道具を作るのを手伝うね。」

マサルだけでなく、この子供達も十分に対応できそうだ。

「マサル、海の中に出た時は君達に任せても大丈夫そうだね。どうだい、キメラも君に預けておこうか?」

「そうしてくれると助かるよ。クラシケラ。

この世界のあらゆるところに移転門を作ってあるんだ。

もし、魔物が出現したら、その移転門経由ですぐに対応できるようになると思うからね。」

「じゃあ、これがキメラを呼び出す召喚魔方陣だ。よろしくね。」

「ありがとう。助かるよ。」

「じゃあ、僕は戻るね。後はよろしく。マサル、ランス、イリヤ。」

「頼まれた。クラシケラ。」

僕は一安心し、そのまま自分の星に戻った。



「お疲れ、クラシケラ。」

「ただいま、ケシミアン。ところで奴等の居場所は掴めたかい?」

「ダメだったよ。一応発信源は突き止めたんだけど、フェイクだったんだ。それも複数ヶ所で。」

「そうか。もう少し警戒範囲を広げなきゃいけないかのかなぁ。」

「ところでそっちはどうだった。」

「それがさぁ、魔方陣が出た場所が海底だったんだ。キメラじゃ対応できなくてどうしようか考えていたんだけど、マサルがやってきて、あっという間に魔物を葬ってしまったんだ。」

「マサルって、この前の時に砂漠で会ったっていう向こうの人間?
想像よりも魔力が強かったって人?」

「そうなんだ。今回も海底に潜って雷魔法で一発だったらしい。

それに、この前魔力波長を教えたばかりなのに、全世界のどこで魔物が召喚されても見つけられる仕組みを作ったらしいんだ。

今回も到着時間は僕と変わらなかったからね。

だから、彼にキメラの召喚魔方陣をマサルに託してきたよ。その方がたぶんうまくやってくれそうだったんだ。」

「後で隊長にちゃんと報告しておかないと、大目玉を喰らうぞ。」

「わかってるって。今から行ってくるよ。」



<<マサル視点>>
「・・・・・そういうわけで、今回は海底に魔物が召喚されました。

仕掛けたばかりの探知機能がキチンと反応したので、すぐに対応できたのは僥倖でした。

国際連合事務局に監視部隊を用意して、24時間監視できる体制を作っておきますね。

なお、今回魔物を殲滅した魔法を魔道具化したものを各国の沿岸警備隊に配布しようと思っています。
もちろん、魔道具は国際連合で警報が発信された場合のみ使えるように制限しておきますが。

とりあえず、魔道具を量産して、ランスとイリヤに各国に配布と訓練をさせておきます。」

「うむ、マサル殿、何から何まで申し訳ないな。ランス君、イリヤちゃん申し訳ないけど頼んだよ。」

「「レインおじ様。お任せください。」」

「ランス君、イリヤちゃんにも、ご褒美を用意しなきゃいけないな。」

「「ネクターおじ様、ありがとうございます。期待してますね。うふふふ。」」

「じゃあランス、イリヤ、早速魔道具の作成に掛かろうか。」

「「はい!」」


          

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