最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~
第235話 【ワルダー盗賊団2】
<<マサル共和国警備隊長マクベス視点>>
「では、次の議題に移ります。
第3号議題は、国の警備体制強化についてになります。
マクベスさん、説明をお願いします。」
「警備隊長のマクベスです。
マサル共和国も建国1周年を迎え、益々発展しております。
第1号案件にもありましたように、ダンジョンの観光地化等、観光客の誘致を推進していますが、その観光客の入国管理の強化が必要となって来ました。
仮に今、盗賊団が観光客に紛れて侵入したとしても、事前に防ぐ手立てがありません。」
そうなんだよ、元々マリス教マサル派の信者による巡礼や、世界中の有名店が並ぶメイン通りへのショッピング、高台から望む景観等、この国は観光客のメッカになっている。
昨今ダンジョンが開発され、新たな観光資源として、今までとは違う客層を取り込もうとしているため、世界有数の人気観光地であることは間違いない。
ただ、どこの観光地も、治安を維持することに躍起になっているのは、よく知られたことだ。
不特定多数の人間が大量に出入りするわけだから、中には不埒な奴等も紛れているからだ。
「一応街の入り口には結界魔法が掛けてあり、魔物の侵入やあからさまな悪意を持つ者は侵入出来なくなっています。
しかしながら、あまり制限をキツくすると、観光客の受け入れに支障をきたす恐れがあります。
警備隊も巡回していますが、3ヶ所以上で同時に事を起こされた場合、対応し切れるとは言えないのが実情です。」
俺は一呼吸置いてから話しを続ける。
「そこで、悪事を未然に防ぐのは難しいとしても、発生時にいち早く通報、急行出来る仕組みを構築したいと思っています。
具体的にはマサル様の開発された『ファインダーの魔道具』と『遠見の魔道具』を組み合わせて各区画毎に設置し、警備隊本部にて24時間監視するのです。
もし何か異変があれば近くにいる隊員に急行させて、事件の早期解決を図ります。」
『ファインダーの魔道具』は、範囲内に入った人物の悪意を感知する魔道具で、街の入り口に仕掛けてある結界の魔道具の一部としても使われている。
『遠見の魔道具』は、遠くの情景を写し撮り、付属の魔道具に映像を表示、保存出来る魔道具だ。
先日、マサル様からこの2つの魔道具についてレクチャーを受けた際にこのアイデアを思い付き、マサル様に相談していたのだ。
つまり、『ファインダーの魔道具』で悪意を感知すると、自動的にその場所を『遠見の魔道具』で監視、記録する仕掛けだ。
これなら、1ヶ所で起きた事件はもちろん、複数ヶ所で同時に発生した場合でも、陽動を外して適切に事件解決出来るはずだ。
「良いんじゃないですか。
たしかに観光客の皆さんが巻き込まれるのは、可哀想ですよね。
マクベスさんの案でわたしは良いと思います。」
ヤングさんが、賛成してくれたのを皮切りに、大多数の賛成意見を頂いた。
「わたしは、基本的には賛成ですが、未然に防ぐ手立ても講じておくことも重要だと思います。」
スポックさんがご自身の意見を述べられた。
「スポックさん、何か良い手立てはありますか?」
「そうですね、顔照合なんていうのはどうでしょうか。
実は国際連合加盟国の取り決めの中に、各国で犯罪者の顔写真の共有というものがあります。
未だ写真自体は各国で保有していますが、いずれ国際連合事務局で一元管理することになっています。
犯罪者は再犯する確率が高いため、国家間で犯罪が発生した場合に過去の犯罪者を共有することで、犯人の早期逮捕を目指した取り組みです。
この写真に該当する者が入って来た場合に、『ファインダーの魔道具』の追跡機能を使って、常に監視対象とするわけです。
そうすれば、事件を未然に防げるかもしれません。」
「おおー。パチパチ。」
一同からどよめきと拍手が漏れました。
「ではマクベスさんとスポックさんの案で決まりですね。
早速魔道具を用意しましょう。
魔道具ギルドのステファンさん、協力お願いしますね。」
「承知しました。魔道具ギルド総力を挙げて協力させて頂きます。」
マサル様の締めの言葉で、わたしとスポックさんのアイデアが採用されることに決定した。
明くる日から、警備隊は魔道具を仕掛けておく場所の選定を、魔道具ギルドは、マサル様の指導を受けながら、魔道具の開発と量産を始めた。
1ヶ月後、マサル共和国全土の50ヶ所に魔道具が据え付けられ、警備隊本部と、庁舎内の代官室に設置されたモニター画面にその画面が映し出されたのだった。
警備隊本部は全ての区画を24時間体制で監視を行う。
また、犯罪歴のある者については、ひとりに付き1台の魔道具による監視がついている。
各区画にある警備隊詰所には、警備隊本部からのホットラインで、双方向の通話と画面の共有が出来ることになったのだ。
これでインフラ面は整備できた。
後は警備隊の強化を頑張るだけだな。
「では、次の議題に移ります。
第3号議題は、国の警備体制強化についてになります。
マクベスさん、説明をお願いします。」
「警備隊長のマクベスです。
マサル共和国も建国1周年を迎え、益々発展しております。
第1号案件にもありましたように、ダンジョンの観光地化等、観光客の誘致を推進していますが、その観光客の入国管理の強化が必要となって来ました。
仮に今、盗賊団が観光客に紛れて侵入したとしても、事前に防ぐ手立てがありません。」
そうなんだよ、元々マリス教マサル派の信者による巡礼や、世界中の有名店が並ぶメイン通りへのショッピング、高台から望む景観等、この国は観光客のメッカになっている。
昨今ダンジョンが開発され、新たな観光資源として、今までとは違う客層を取り込もうとしているため、世界有数の人気観光地であることは間違いない。
ただ、どこの観光地も、治安を維持することに躍起になっているのは、よく知られたことだ。
不特定多数の人間が大量に出入りするわけだから、中には不埒な奴等も紛れているからだ。
「一応街の入り口には結界魔法が掛けてあり、魔物の侵入やあからさまな悪意を持つ者は侵入出来なくなっています。
しかしながら、あまり制限をキツくすると、観光客の受け入れに支障をきたす恐れがあります。
警備隊も巡回していますが、3ヶ所以上で同時に事を起こされた場合、対応し切れるとは言えないのが実情です。」
俺は一呼吸置いてから話しを続ける。
「そこで、悪事を未然に防ぐのは難しいとしても、発生時にいち早く通報、急行出来る仕組みを構築したいと思っています。
具体的にはマサル様の開発された『ファインダーの魔道具』と『遠見の魔道具』を組み合わせて各区画毎に設置し、警備隊本部にて24時間監視するのです。
もし何か異変があれば近くにいる隊員に急行させて、事件の早期解決を図ります。」
『ファインダーの魔道具』は、範囲内に入った人物の悪意を感知する魔道具で、街の入り口に仕掛けてある結界の魔道具の一部としても使われている。
『遠見の魔道具』は、遠くの情景を写し撮り、付属の魔道具に映像を表示、保存出来る魔道具だ。
先日、マサル様からこの2つの魔道具についてレクチャーを受けた際にこのアイデアを思い付き、マサル様に相談していたのだ。
つまり、『ファインダーの魔道具』で悪意を感知すると、自動的にその場所を『遠見の魔道具』で監視、記録する仕掛けだ。
これなら、1ヶ所で起きた事件はもちろん、複数ヶ所で同時に発生した場合でも、陽動を外して適切に事件解決出来るはずだ。
「良いんじゃないですか。
たしかに観光客の皆さんが巻き込まれるのは、可哀想ですよね。
マクベスさんの案でわたしは良いと思います。」
ヤングさんが、賛成してくれたのを皮切りに、大多数の賛成意見を頂いた。
「わたしは、基本的には賛成ですが、未然に防ぐ手立ても講じておくことも重要だと思います。」
スポックさんがご自身の意見を述べられた。
「スポックさん、何か良い手立てはありますか?」
「そうですね、顔照合なんていうのはどうでしょうか。
実は国際連合加盟国の取り決めの中に、各国で犯罪者の顔写真の共有というものがあります。
未だ写真自体は各国で保有していますが、いずれ国際連合事務局で一元管理することになっています。
犯罪者は再犯する確率が高いため、国家間で犯罪が発生した場合に過去の犯罪者を共有することで、犯人の早期逮捕を目指した取り組みです。
この写真に該当する者が入って来た場合に、『ファインダーの魔道具』の追跡機能を使って、常に監視対象とするわけです。
そうすれば、事件を未然に防げるかもしれません。」
「おおー。パチパチ。」
一同からどよめきと拍手が漏れました。
「ではマクベスさんとスポックさんの案で決まりですね。
早速魔道具を用意しましょう。
魔道具ギルドのステファンさん、協力お願いしますね。」
「承知しました。魔道具ギルド総力を挙げて協力させて頂きます。」
マサル様の締めの言葉で、わたしとスポックさんのアイデアが採用されることに決定した。
明くる日から、警備隊は魔道具を仕掛けておく場所の選定を、魔道具ギルドは、マサル様の指導を受けながら、魔道具の開発と量産を始めた。
1ヶ月後、マサル共和国全土の50ヶ所に魔道具が据え付けられ、警備隊本部と、庁舎内の代官室に設置されたモニター画面にその画面が映し出されたのだった。
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また、犯罪歴のある者については、ひとりに付き1台の魔道具による監視がついている。
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