最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~
第227話 【セイルの1日】
<<竜族の長セイル視点>>
我は今、マサル殿の家に世話になっているのじゃ。
人間の家に入るのは恐らく3000年ぶりかのぉ。
確かあの時は街作りを協力したお礼としてマリス様が異世界から召喚した者に呼ばれたのじゃったかの。
聞くところによると、マサル殿もマリス様に召喚されたとのこと。
なるほど、調度品や様子が似ておるわけじゃな。
竜族は一度寝ると、何10年も寝てしまう。
まぁ2万年くらいは生きるのじゃから、これくらいは、当たり前だと思うんじゃが。
ただ人間の寿命を考えると、次に起きた時には知り合いがひとりもいない可能性があるから注意が必要じゃな。
まぁこの人間の子供の形態であれば、人間の生活に合わせることも可能じゃから、しばらくはこの姿で、世話になろうと思う。
昨日は、イリヤと亜人大陸に薬草採取に行ったのじゃ。
イリヤは小さいのに色々良く知っておるの。
さすがはマリス様の加護を受けておるだけあって、マリス様の匂いがぷんぷんするわ。
いや、マリス様よりも強い匂いもするぞ。
なに! 他の神の加護も受けておるじゃと。
それもマリス様よりも上位神じゃな。
なるほど、この聡明さも納得できるわ。
朝早くから、シルビアとかいう女の人間と一緒に森に入るのじゃが、我が背中に乗せてやろうというのに、2人共乗らん。
街の外れの建物に入ったと思ったら、眩い光の後、森の中に移動しておった。
一度行って目印をつけておけば、そこにすぐに行けるらしい。
なんとも便利なものだ。
でも我の背中に乗れば、初めて行くところでも、連れて行ってやるのに。
シルビアがさっきから、しきりに周りを気にしておる。
この辺りは、大型の肉食獣や魔物が頻繁に出てくるらしい。
それを警戒しているのじゃな。
「おかしい。おかしい。」
しきりに呟いておるな。
「シルビア先生、なにがおかしいのですか?」
イリヤがシルビアに尋ねておる。
「イリヤちゃん、この辺りは、いつもなんらかの動物や魔物が出るじゃないかい。
それが今日は何も出ないんだ。
今日はセイルちゃんも一緒だから警戒を強めてるんだけどね。」
どうやら魔物が出ないのを気にしておるようじゃな。
我には心当たりがあるぞ。
恐らく我がおるからじゃろう。
イリヤちゃんも複雑な顔をしておるわ。
イリヤちゃんは我の正体を知っておるからのぉ。
「シルビア先生、きっと今日はラッキーな日なんですよ。
気にしないで採取頑張りませんか?」
「そうだな、きっとわたしの気にし過ぎだろう。」
その後は2人共採取に集中しておったので、我はその姿を見ながらうとうとし始めておった。
うん?何かおるな。
我は強い魔力を感じ取った。
感じたと言っても1キロメートルは離れておる。
放って置いても問題無さそうだが、こちらに向かって来て2人の作業を止めても何だし、何より我は暇にしとるからな、ちょっと行って来るかの。
我は人間の姿のまま魔力の気配まで飛んで行った。
そこには大きな蜥蜴の魔物がいた。
体長は8メートルくらいあるから、蜥蜴としては大きい方かのぉ。
蜥蜴は竜族になり損ねた下等な生物であり、あまり頭が良く無い。
ブオォー
蜥蜴の分際で我に火を吹いてきおったわ。
このくらいの炎じゃ熱くも無いが、蜥蜴の分際で生意気な奴じゃ。
我もお返しにブレスをお見舞いしてやった。
バオオオオーー
蜥蜴の奴、黒焦げになりよったわ。
周りに他の魔物の気配も無さそうだしな、そろそろ戻るかの。
我が2人の元に戻ると、まだ一生懸命に薬草を採取しておった。
我は温かな草むらに寝そべり、そのまま寝てしまった。
「セイルちゃん、起きて。
そろそろ帰るよ。」
「うーん、イリヤちゃんかのぉ。
お腹が空いたのじゃ。早く帰ろうのぉ。」
「うん、お腹空いたね。」
晩ご飯のおかずを思い浮かべて、涎が出てきた。
「イリヤちゃん、セイルちゃん、さっきトランシーバーで連絡があったんだけど、近くの村が大蜥蜴に襲われたみたいだな。
もう少しでロンドーの都に到達するということで、大騒ぎしていたらしい。
デカさんがわたし達を心配して連絡してくれたのだ。
ちょっと心配だな。」
「シルビア先生、ロンドーの都の近くって言ったらこの近辺ですよね。
ちょっと怖いです。」
ジリリ、ジリリ、ジリリ。
「はい、こちらシルビア。
えっ、大蜥蜴が見つかった!
森の中で丸焦げ?
は、はい、大丈夫。
連絡ありがとうございました。
大蜥蜴が、少し離れた森の中で、黒焦げになって見つかったらしいよ。
調査隊が見つけたそうだ。
とりあえず安心だな。」
大蜥蜴って我が殺した奴のことかの。
まぁ人間の役に立ったのならそれでいいかのぉ。
それにしても、イリヤとシルビアの話しはながいのぉ。
「おーいイリヤちゃん、家に帰って晩ご飯を食べるぞー。
我は腹が減って死にそうじゃ」
「そうだねセイルちゃん、お家に帰って、晩ご飯をべようね。
今日は晩ご飯のおかずはなんだろうね。」
3人でまた魔法陣を通って帰ってきた。
晩ご飯は、パスタと、オークの肉のステーキじゃった。
やっぱり人間の作るご飯は美味いのぉ。
我は今、マサル殿の家に世話になっているのじゃ。
人間の家に入るのは恐らく3000年ぶりかのぉ。
確かあの時は街作りを協力したお礼としてマリス様が異世界から召喚した者に呼ばれたのじゃったかの。
聞くところによると、マサル殿もマリス様に召喚されたとのこと。
なるほど、調度品や様子が似ておるわけじゃな。
竜族は一度寝ると、何10年も寝てしまう。
まぁ2万年くらいは生きるのじゃから、これくらいは、当たり前だと思うんじゃが。
ただ人間の寿命を考えると、次に起きた時には知り合いがひとりもいない可能性があるから注意が必要じゃな。
まぁこの人間の子供の形態であれば、人間の生活に合わせることも可能じゃから、しばらくはこの姿で、世話になろうと思う。
昨日は、イリヤと亜人大陸に薬草採取に行ったのじゃ。
イリヤは小さいのに色々良く知っておるの。
さすがはマリス様の加護を受けておるだけあって、マリス様の匂いがぷんぷんするわ。
いや、マリス様よりも強い匂いもするぞ。
なに! 他の神の加護も受けておるじゃと。
それもマリス様よりも上位神じゃな。
なるほど、この聡明さも納得できるわ。
朝早くから、シルビアとかいう女の人間と一緒に森に入るのじゃが、我が背中に乗せてやろうというのに、2人共乗らん。
街の外れの建物に入ったと思ったら、眩い光の後、森の中に移動しておった。
一度行って目印をつけておけば、そこにすぐに行けるらしい。
なんとも便利なものだ。
でも我の背中に乗れば、初めて行くところでも、連れて行ってやるのに。
シルビアがさっきから、しきりに周りを気にしておる。
この辺りは、大型の肉食獣や魔物が頻繁に出てくるらしい。
それを警戒しているのじゃな。
「おかしい。おかしい。」
しきりに呟いておるな。
「シルビア先生、なにがおかしいのですか?」
イリヤがシルビアに尋ねておる。
「イリヤちゃん、この辺りは、いつもなんらかの動物や魔物が出るじゃないかい。
それが今日は何も出ないんだ。
今日はセイルちゃんも一緒だから警戒を強めてるんだけどね。」
どうやら魔物が出ないのを気にしておるようじゃな。
我には心当たりがあるぞ。
恐らく我がおるからじゃろう。
イリヤちゃんも複雑な顔をしておるわ。
イリヤちゃんは我の正体を知っておるからのぉ。
「シルビア先生、きっと今日はラッキーな日なんですよ。
気にしないで採取頑張りませんか?」
「そうだな、きっとわたしの気にし過ぎだろう。」
その後は2人共採取に集中しておったので、我はその姿を見ながらうとうとし始めておった。
うん?何かおるな。
我は強い魔力を感じ取った。
感じたと言っても1キロメートルは離れておる。
放って置いても問題無さそうだが、こちらに向かって来て2人の作業を止めても何だし、何より我は暇にしとるからな、ちょっと行って来るかの。
我は人間の姿のまま魔力の気配まで飛んで行った。
そこには大きな蜥蜴の魔物がいた。
体長は8メートルくらいあるから、蜥蜴としては大きい方かのぉ。
蜥蜴は竜族になり損ねた下等な生物であり、あまり頭が良く無い。
ブオォー
蜥蜴の分際で我に火を吹いてきおったわ。
このくらいの炎じゃ熱くも無いが、蜥蜴の分際で生意気な奴じゃ。
我もお返しにブレスをお見舞いしてやった。
バオオオオーー
蜥蜴の奴、黒焦げになりよったわ。
周りに他の魔物の気配も無さそうだしな、そろそろ戻るかの。
我が2人の元に戻ると、まだ一生懸命に薬草を採取しておった。
我は温かな草むらに寝そべり、そのまま寝てしまった。
「セイルちゃん、起きて。
そろそろ帰るよ。」
「うーん、イリヤちゃんかのぉ。
お腹が空いたのじゃ。早く帰ろうのぉ。」
「うん、お腹空いたね。」
晩ご飯のおかずを思い浮かべて、涎が出てきた。
「イリヤちゃん、セイルちゃん、さっきトランシーバーで連絡があったんだけど、近くの村が大蜥蜴に襲われたみたいだな。
もう少しでロンドーの都に到達するということで、大騒ぎしていたらしい。
デカさんがわたし達を心配して連絡してくれたのだ。
ちょっと心配だな。」
「シルビア先生、ロンドーの都の近くって言ったらこの近辺ですよね。
ちょっと怖いです。」
ジリリ、ジリリ、ジリリ。
「はい、こちらシルビア。
えっ、大蜥蜴が見つかった!
森の中で丸焦げ?
は、はい、大丈夫。
連絡ありがとうございました。
大蜥蜴が、少し離れた森の中で、黒焦げになって見つかったらしいよ。
調査隊が見つけたそうだ。
とりあえず安心だな。」
大蜥蜴って我が殺した奴のことかの。
まぁ人間の役に立ったのならそれでいいかのぉ。
それにしても、イリヤとシルビアの話しはながいのぉ。
「おーいイリヤちゃん、家に帰って晩ご飯を食べるぞー。
我は腹が減って死にそうじゃ」
「そうだねセイルちゃん、お家に帰って、晩ご飯をべようね。
今日は晩ご飯のおかずはなんだろうね。」
3人でまた魔法陣を通って帰ってきた。
晩ご飯は、パスタと、オークの肉のステーキじゃった。
やっぱり人間の作るご飯は美味いのぉ。
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