最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~
第209話【チーム・ジョージの活躍】
<<ランス視点>>
ジョージさん達が手伝いに来てくれて、作業は一気に進んでいく。
山頂のため池から1段目まで水を引いてきたんだけど、その水が均等に田んぼに流れずに困っていたんだ。
そしたらジョージさんがアイデアを出してくれました。
田んぼの周囲に勾配のついた水路を掘る。
山頂のため池から田んぼの真ん中辺りに流れてきた水は、堀を2手に分かれ、双方同時に流れていく。
流れる水は、また1つに交わり下の段に流れていく。
堀には均等な距離で6ヶ所に水車があり、その水車に付いている水桶が水を吸い上げて、田んぼに水を供給していく。
そう、お父様が考えた揚水水車を上手く応用して田んぼに満遍なく水を引けるようにしてあるんだ。
ジョージさん達は現場に合わせて最適だと思われる方策をいろいろ提案してくれるし、本当にチームワークが良くって、テキパキと水路を掘ったり、水車を作ったりしてくれている。
他の移住者の皆さんも手伝って、1ヶ月ほどで終わっちゃった。
出来上がった水路は、田んぼ用と飲用用、排水用の3系統あり、これで2、3段目の住居区画への水の供給も完璧だね。
住居区画には下水道と排水処理魔道具を設置した。
お父様が作った排水処理魔道具には肥料の生成と浄水の機能があるんだよ。
汚物を分解してリンやタンパク質等の植物に対しての栄養物を抽出した後、固形物と液体に仕分けし、固形物は焼却し、液体は紫外線?を当てて浄化するんだって。
お父様の知識は学校や研究室の先生方も知らないことが多いんだ。
お父様って本当にすごいと思う。
新しい住民となった村人達も清潔で機能的なこの村を気に入ってくれたみたいだ。
いつの間にか出来ていた社の中に入ってる、お父様とお母様の木像を皆んなで拝んでいる。
この木像は、木工が得意だと言う、元炭焼き職人のマイヤーさんが作ったものだ。
このお参りは朝昼夜の3回行われており、街の方でもすっかり有名になっているよ。
商魂逞しい大商会のシュネルは、自らのブランドを付けたお父様とお母様の金像を作って、全世界で販売するって鼻息を荒くしていた。
良かったよ、マイヤーさんに特許を取らせておいて。
シュネルの金像は爆売れし、莫大な特許使用料がマイヤーさんに入ることになったんだ。
マイヤーさんは、その特許使用料を全額国の運営資金に提供してくれたので、その分税率を下げることができたみたい。
スポックさんは喜んでいるけど、お父様とお母様は微妙な顔をしていた。
<<イリヤ視点>>
お兄ちゃんが農地を開拓している頃、わたしはシルビア先生とヤコブの山中に来ていました。
シルビア先生が発見した新種の薬草を調査するためです。
その草はヤコブではメジャーなものですが、薬草としては認識されていません。
ドワーフは人族に比べて胃腸が丈夫なので、あまり薬を飲まないから、薬草という概念が薄いのでしょう。
シルビア先生曰く、『そのまま食べると毒になるが、細かく砕いて水で抽出したものは、胃腸薬として有効』ということです。
すでに族長のルソンさんとは調整済みで、これから新しく見つかった薬草とそこから加工された薬については、それが新種であれば、ヤコブが特許登録して適性金額で販売することに決まっているそうです。
もちろん、特許使用料を支払えば他国でも薬の製造と販売をすることも出来ます。
簡単に言うと、シルビア先生が発見した新種の薬草については、ヤコブにその権利があり、シルビア先生には何も入らないことになるんです。
シルビア先生は本当に欲が無いんですよね。
いえ、お金に無頓着なのに、研究欲だけが強いんですよね。
実際、このヤコブでのシルビア先生の対応を見て、他国からもシルビア先生を招聘したいとの要望が多数寄せられているとのことです。
シルビア先生から見たらただで研究出来て、皆んなに喜ばれるんだから、満足なんでしょう。
山中で薬草の調査をするのは非常に根気がいる作業です。
今も3時間くらい山中を歩いています。
「先生、薬草って何か特徴があるのでしょうか?」
「そうねぇ、小動物の噛み跡があることくらいかしら。
小動物は消化器官が弱いことが多いから、経験から薬草を知ってるのでしょうね。」
「なるほど、じゃあ小動物がたくさんいる場所に行けばもしかしたら薬草もあるかもしれませんね。」
「それは良い着目点かもしれないね。
だけど、小動物がたくさんいる場所を見つける方が大変かも。」
「あっ、それは大丈夫です。
たぶん分かりますから。」
わたしは、魔力を薄く伸ばして大きく広げていきます。
生きているものがいたら、感じ取れるのです。
ナーカのカイヤ様に教えてもらった方法です。
小さな反応が集まっている場所がいくつかあります。
「シルビア先生、いくつかありますが、とりあえず1番近いところに行ってみましょうか?
10分くらいで行けると思います。」
「イリヤちゃん、すごいねぇ。
すぐに行こう。」
「シルビア先生、この辺りです。
あっ動物達が逃げて行きました。」
「確かにいろんな草花があるな。」
シルビア先生は、目線を低くして葉っぱや花びらを見ています。
「おっ、これはハラツ草に似ているな。
とにかく、たくさん摘んで持って帰ろうか。」
「先生、持って帰ってからどうやってチェックするんですか?」
「いくつかの溶液にしたして反応を見るんだ。
反応がでたら鑑定の魔法が使える魔法士に依頼を掛けて、効果を調べてもらうんだ。」
「全部鑑定してもらわないんですか?」
「鑑定の魔法は高価なんだよ。
ある程度絞り込んどかなくちゃな。」
「鑑定の魔法って、効果が分かれば良いんですか?
それなら、たぶんわたし出来ると思いますよ。
例えば、この草は胃腸の消化を助けてくれるみたいです。
成分がラナ草に似ています。」
「それは本当かい?
どんな風に見えるんだ?」
「魔力を目に集めて見つめると、いろんな色が見えるんです。
前にシルビア先生の研究室に行った時に、いろんな草花を見て覚えていたんです。
胃腸に効くのは、薄い緑色ですね。
こっちの草は、濃い赤色なので、体力回復薬になりそうです。」
「……………やはり君達は規格外だな。」
シルビア先生は、ため息を吐きながら呟いていました。
ジョージさん達が手伝いに来てくれて、作業は一気に進んでいく。
山頂のため池から1段目まで水を引いてきたんだけど、その水が均等に田んぼに流れずに困っていたんだ。
そしたらジョージさんがアイデアを出してくれました。
田んぼの周囲に勾配のついた水路を掘る。
山頂のため池から田んぼの真ん中辺りに流れてきた水は、堀を2手に分かれ、双方同時に流れていく。
流れる水は、また1つに交わり下の段に流れていく。
堀には均等な距離で6ヶ所に水車があり、その水車に付いている水桶が水を吸い上げて、田んぼに水を供給していく。
そう、お父様が考えた揚水水車を上手く応用して田んぼに満遍なく水を引けるようにしてあるんだ。
ジョージさん達は現場に合わせて最適だと思われる方策をいろいろ提案してくれるし、本当にチームワークが良くって、テキパキと水路を掘ったり、水車を作ったりしてくれている。
他の移住者の皆さんも手伝って、1ヶ月ほどで終わっちゃった。
出来上がった水路は、田んぼ用と飲用用、排水用の3系統あり、これで2、3段目の住居区画への水の供給も完璧だね。
住居区画には下水道と排水処理魔道具を設置した。
お父様が作った排水処理魔道具には肥料の生成と浄水の機能があるんだよ。
汚物を分解してリンやタンパク質等の植物に対しての栄養物を抽出した後、固形物と液体に仕分けし、固形物は焼却し、液体は紫外線?を当てて浄化するんだって。
お父様の知識は学校や研究室の先生方も知らないことが多いんだ。
お父様って本当にすごいと思う。
新しい住民となった村人達も清潔で機能的なこの村を気に入ってくれたみたいだ。
いつの間にか出来ていた社の中に入ってる、お父様とお母様の木像を皆んなで拝んでいる。
この木像は、木工が得意だと言う、元炭焼き職人のマイヤーさんが作ったものだ。
このお参りは朝昼夜の3回行われており、街の方でもすっかり有名になっているよ。
商魂逞しい大商会のシュネルは、自らのブランドを付けたお父様とお母様の金像を作って、全世界で販売するって鼻息を荒くしていた。
良かったよ、マイヤーさんに特許を取らせておいて。
シュネルの金像は爆売れし、莫大な特許使用料がマイヤーさんに入ることになったんだ。
マイヤーさんは、その特許使用料を全額国の運営資金に提供してくれたので、その分税率を下げることができたみたい。
スポックさんは喜んでいるけど、お父様とお母様は微妙な顔をしていた。
<<イリヤ視点>>
お兄ちゃんが農地を開拓している頃、わたしはシルビア先生とヤコブの山中に来ていました。
シルビア先生が発見した新種の薬草を調査するためです。
その草はヤコブではメジャーなものですが、薬草としては認識されていません。
ドワーフは人族に比べて胃腸が丈夫なので、あまり薬を飲まないから、薬草という概念が薄いのでしょう。
シルビア先生曰く、『そのまま食べると毒になるが、細かく砕いて水で抽出したものは、胃腸薬として有効』ということです。
すでに族長のルソンさんとは調整済みで、これから新しく見つかった薬草とそこから加工された薬については、それが新種であれば、ヤコブが特許登録して適性金額で販売することに決まっているそうです。
もちろん、特許使用料を支払えば他国でも薬の製造と販売をすることも出来ます。
簡単に言うと、シルビア先生が発見した新種の薬草については、ヤコブにその権利があり、シルビア先生には何も入らないことになるんです。
シルビア先生は本当に欲が無いんですよね。
いえ、お金に無頓着なのに、研究欲だけが強いんですよね。
実際、このヤコブでのシルビア先生の対応を見て、他国からもシルビア先生を招聘したいとの要望が多数寄せられているとのことです。
シルビア先生から見たらただで研究出来て、皆んなに喜ばれるんだから、満足なんでしょう。
山中で薬草の調査をするのは非常に根気がいる作業です。
今も3時間くらい山中を歩いています。
「先生、薬草って何か特徴があるのでしょうか?」
「そうねぇ、小動物の噛み跡があることくらいかしら。
小動物は消化器官が弱いことが多いから、経験から薬草を知ってるのでしょうね。」
「なるほど、じゃあ小動物がたくさんいる場所に行けばもしかしたら薬草もあるかもしれませんね。」
「それは良い着目点かもしれないね。
だけど、小動物がたくさんいる場所を見つける方が大変かも。」
「あっ、それは大丈夫です。
たぶん分かりますから。」
わたしは、魔力を薄く伸ばして大きく広げていきます。
生きているものがいたら、感じ取れるのです。
ナーカのカイヤ様に教えてもらった方法です。
小さな反応が集まっている場所がいくつかあります。
「シルビア先生、いくつかありますが、とりあえず1番近いところに行ってみましょうか?
10分くらいで行けると思います。」
「イリヤちゃん、すごいねぇ。
すぐに行こう。」
「シルビア先生、この辺りです。
あっ動物達が逃げて行きました。」
「確かにいろんな草花があるな。」
シルビア先生は、目線を低くして葉っぱや花びらを見ています。
「おっ、これはハラツ草に似ているな。
とにかく、たくさん摘んで持って帰ろうか。」
「先生、持って帰ってからどうやってチェックするんですか?」
「いくつかの溶液にしたして反応を見るんだ。
反応がでたら鑑定の魔法が使える魔法士に依頼を掛けて、効果を調べてもらうんだ。」
「全部鑑定してもらわないんですか?」
「鑑定の魔法は高価なんだよ。
ある程度絞り込んどかなくちゃな。」
「鑑定の魔法って、効果が分かれば良いんですか?
それなら、たぶんわたし出来ると思いますよ。
例えば、この草は胃腸の消化を助けてくれるみたいです。
成分がラナ草に似ています。」
「それは本当かい?
どんな風に見えるんだ?」
「魔力を目に集めて見つめると、いろんな色が見えるんです。
前にシルビア先生の研究室に行った時に、いろんな草花を見て覚えていたんです。
胃腸に効くのは、薄い緑色ですね。
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