最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~
第115話 【新しい命2】
<<マサル視点>>
いつものように、国際連合事務局から転移魔法の魔道具を使って自宅の地下室に戻ってきた。
リビングに入ると、リズが恥ずかしそうにこちらを見ている。
「リズ、ただいま。今帰ったよ。」
「マサルさん、おかえりなさい。
お疲れ様でした。」
「何かあったのか?」
「うん、あのね、そのおー、で、できたみたいなの。」
何ができたのかはすぐに分かった。
キッチン側のドアから隠れて覗いているメアリの手にある華やかな色の布に『赤ちゃん』の文字が見つけたからだ。
でも、ちょっと間を置く。
こんな時に冷静に正解を言ってしまうと、拗ねられてしまう恐れがあるからだ。
「なんだろうな。ヒントは?」
「もう、マサルさんの馬鹿。」
不味い、赤い顔に怒りの色が。
「あっ、もしかしておめでた?」
「そっそうなの。」
良かった。ちょっと白々しいかと思ったけど、大丈夫みたいだ。
でも、本当に嬉しい。
「リズ、ありがとう。
身体は大丈夫?
みんなでお祝いしなくちゃね。」
「マサルさん、ありがとう。身体は大丈夫だから。」
「旦那様、おめでとうございます。」
派手な布を持ったメアリが、リビングに飛び込んできて、その布を壁に張り付けている。
アリスさんが、使用人を使ってリビングをパーティー会場に変えていく。
10分ほどで完成した即席パーティー会場には、クリスさんを筆頭に使用人集まった。
「旦那様、奥様、ご懐妊おめでとうございます。」
にこやかな皆の笑顔に、幸せを感じつつ、礼を言う。
「みんな、ありがとう。今夜はみんなで、楽しみましょうね。」
「では、料理を運んで下さい。」
アリスさんの号令で、シェフやメイドが次々と料理を運んでくる。
その光景を眺めていると、リズのトランシーバーの着信音が鳴る。
「リズちゃん、今からそちらにお祝いを持って行っていい?」
ユーリスタ様からのようだ。
俺はリズに向かって微笑みながら頷く。
「大丈夫です。今から屋敷のみんながお祝いをしてくれるところなんです。」
「わかったわ。じゃあ、うちのシェフやメイドも何人か連れて行くわね。」
既に用意してから連絡してきたのだろう。
10分ほどで、ユーリスタ様が到着された。
「リズちゃん、おめでとう。
身体を大事にして、元気な子を産んでね。」
ユーリスタ様は、本当に嬉しそうだ。
リズ、本当に良かったね。ありがとう。
ーーーーーーーーーーーーーーー
妊娠が発覚してからは、あっというまに時が過ぎた。
あのお祝いパーティーの後、妊娠の話しを遅れて聞いたヘンリー様には拗ねられるし、ネクター王やクラーク様には、連絡が遅いと怒られた。
懐妊の情報は、瞬く間に大陸全土に広がり、各地で祝賀行事が開催されたみたいだ。
俺はと言えば、ひっきりなしに訪れる来客の対応で大忙しで、まともに自宅を出ることもままならない。
そうして、半年と少し過ぎた頃、リズは元気な双子を産んでくれた。
名前は、ランスとイリヤにした。
名前については、様々な人から候補を頂いたが、正義感が強く、身体が丈夫で、優しい子になって欲しいと思った時、この名前が一番に浮かんだのだ。
その話しをリズにすると、彼女は、とても喜んでくれた。
こうして、マリス様の加護をいっぱい受けたランスとイリヤがこの世に生を受けたのだ。
2人が生まれてからは、ユーリスタ様は、本格的にウチを仕事場兼自宅にしてしまった。
ユーリスタ様の部屋と執務室を作らされたのだ。
こうなると黙っていないのがヘンリー様だ。
ヘンリー様もこちらに引っ越して来ると息巻いている。
騎士団長で、ナーラ領の重鎮であるヘンリー様がナーラから居なくなると、みんな困ってしまうのだ。
クラーク様から相談受けた俺は、転移魔法の魔道具をヘンリー様のお屋敷に設置する羽目になってしまった。
今我が家には、ウチに住み着いたユーリスタ様と、仕事にウチから通うヘンリー様の2人が談笑しながら、ランスとイリヤの相手をしている風景が毎日見られるようになってしまった。
ある日、俺とリズは子供達を連れて、地下の礼拝堂にいつもの礼拝に向かった。
結婚の時、成り行きでマリス教の大神官になってしまってから、毎日の礼拝は欠かさないようにしているのだ。
いつものように礼拝していると、いつものようにマリス様が姿を見せる。
ただ、今日は男性が1人一緒にいた。
「マサルさん、紹介するわ。
ゼウスさんよ。
ゼウスさんはね、ランス君とイリヤちゃんに加護を与えに来て下さったのよ。」
「やあ、君がマサル君か。わたしはゼウスといいます。
名前くらいは、知ってくれているかなぁ。」
ゼウス様って………
「ゼウス様というと、あの地球の全知全能の神様でございますか?」
「地球では、そんな風に呼んでいてくれるんだね。
もう、作ってから46億年も経つのにね。
ちょっと嬉しいよ。」
ええっ、やっぱりあのゼウス神だ。
マリス様、なんて人を連れて来たんだ。
緊張するじゃないか。
「マサルさん、この方をご存知なのですか?」
「リズ、この方は俺の前の世界を作られた神様だ。
俺の知識も全てゼウス様が作られたものが元になっているんだよ。」
「マサル君、それはちょっと大袈裟だよ。
たしかに僕は、地球を作った時のリーダーだけどね。
でも、あそこまでの文明や文化を築いたのは、君達人間が努力したからだよ。
リザベートさん、この世界もきっと地球みたいに素晴らしい世界になるよ。
マサル君や君みたいな人が頑張っているからね。
どれ、わたしも君達の子供に加護をあげよう。
しっかりと育てて、この世界の未来を明るく出来る子にしてあげてね。」
ゼウス様が手を翳すと、ランスとイリヤの上にあたたかな光が降り注いだ。
「ゼウス様.ありがとうございます。
一生懸命、この子達を育てます。」
「「じゃ、頑張ってね。」」
そう言って、マリス様とゼウス様は、去って行かれた。
マリス様だけじゃ無く、ゼウス様の加護も頂いたこの子達は、いったいどんな能力を持っているのか?
それはまだ分からないが、今はただ、元気に育ってくれることを願うばかりである。
いつものように、国際連合事務局から転移魔法の魔道具を使って自宅の地下室に戻ってきた。
リビングに入ると、リズが恥ずかしそうにこちらを見ている。
「リズ、ただいま。今帰ったよ。」
「マサルさん、おかえりなさい。
お疲れ様でした。」
「何かあったのか?」
「うん、あのね、そのおー、で、できたみたいなの。」
何ができたのかはすぐに分かった。
キッチン側のドアから隠れて覗いているメアリの手にある華やかな色の布に『赤ちゃん』の文字が見つけたからだ。
でも、ちょっと間を置く。
こんな時に冷静に正解を言ってしまうと、拗ねられてしまう恐れがあるからだ。
「なんだろうな。ヒントは?」
「もう、マサルさんの馬鹿。」
不味い、赤い顔に怒りの色が。
「あっ、もしかしておめでた?」
「そっそうなの。」
良かった。ちょっと白々しいかと思ったけど、大丈夫みたいだ。
でも、本当に嬉しい。
「リズ、ありがとう。
身体は大丈夫?
みんなでお祝いしなくちゃね。」
「マサルさん、ありがとう。身体は大丈夫だから。」
「旦那様、おめでとうございます。」
派手な布を持ったメアリが、リビングに飛び込んできて、その布を壁に張り付けている。
アリスさんが、使用人を使ってリビングをパーティー会場に変えていく。
10分ほどで完成した即席パーティー会場には、クリスさんを筆頭に使用人集まった。
「旦那様、奥様、ご懐妊おめでとうございます。」
にこやかな皆の笑顔に、幸せを感じつつ、礼を言う。
「みんな、ありがとう。今夜はみんなで、楽しみましょうね。」
「では、料理を運んで下さい。」
アリスさんの号令で、シェフやメイドが次々と料理を運んでくる。
その光景を眺めていると、リズのトランシーバーの着信音が鳴る。
「リズちゃん、今からそちらにお祝いを持って行っていい?」
ユーリスタ様からのようだ。
俺はリズに向かって微笑みながら頷く。
「大丈夫です。今から屋敷のみんながお祝いをしてくれるところなんです。」
「わかったわ。じゃあ、うちのシェフやメイドも何人か連れて行くわね。」
既に用意してから連絡してきたのだろう。
10分ほどで、ユーリスタ様が到着された。
「リズちゃん、おめでとう。
身体を大事にして、元気な子を産んでね。」
ユーリスタ様は、本当に嬉しそうだ。
リズ、本当に良かったね。ありがとう。
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妊娠が発覚してからは、あっというまに時が過ぎた。
あのお祝いパーティーの後、妊娠の話しを遅れて聞いたヘンリー様には拗ねられるし、ネクター王やクラーク様には、連絡が遅いと怒られた。
懐妊の情報は、瞬く間に大陸全土に広がり、各地で祝賀行事が開催されたみたいだ。
俺はと言えば、ひっきりなしに訪れる来客の対応で大忙しで、まともに自宅を出ることもままならない。
そうして、半年と少し過ぎた頃、リズは元気な双子を産んでくれた。
名前は、ランスとイリヤにした。
名前については、様々な人から候補を頂いたが、正義感が強く、身体が丈夫で、優しい子になって欲しいと思った時、この名前が一番に浮かんだのだ。
その話しをリズにすると、彼女は、とても喜んでくれた。
こうして、マリス様の加護をいっぱい受けたランスとイリヤがこの世に生を受けたのだ。
2人が生まれてからは、ユーリスタ様は、本格的にウチを仕事場兼自宅にしてしまった。
ユーリスタ様の部屋と執務室を作らされたのだ。
こうなると黙っていないのがヘンリー様だ。
ヘンリー様もこちらに引っ越して来ると息巻いている。
騎士団長で、ナーラ領の重鎮であるヘンリー様がナーラから居なくなると、みんな困ってしまうのだ。
クラーク様から相談受けた俺は、転移魔法の魔道具をヘンリー様のお屋敷に設置する羽目になってしまった。
今我が家には、ウチに住み着いたユーリスタ様と、仕事にウチから通うヘンリー様の2人が談笑しながら、ランスとイリヤの相手をしている風景が毎日見られるようになってしまった。
ある日、俺とリズは子供達を連れて、地下の礼拝堂にいつもの礼拝に向かった。
結婚の時、成り行きでマリス教の大神官になってしまってから、毎日の礼拝は欠かさないようにしているのだ。
いつものように礼拝していると、いつものようにマリス様が姿を見せる。
ただ、今日は男性が1人一緒にいた。
「マサルさん、紹介するわ。
ゼウスさんよ。
ゼウスさんはね、ランス君とイリヤちゃんに加護を与えに来て下さったのよ。」
「やあ、君がマサル君か。わたしはゼウスといいます。
名前くらいは、知ってくれているかなぁ。」
ゼウス様って………
「ゼウス様というと、あの地球の全知全能の神様でございますか?」
「地球では、そんな風に呼んでいてくれるんだね。
もう、作ってから46億年も経つのにね。
ちょっと嬉しいよ。」
ええっ、やっぱりあのゼウス神だ。
マリス様、なんて人を連れて来たんだ。
緊張するじゃないか。
「マサルさん、この方をご存知なのですか?」
「リズ、この方は俺の前の世界を作られた神様だ。
俺の知識も全てゼウス様が作られたものが元になっているんだよ。」
「マサル君、それはちょっと大袈裟だよ。
たしかに僕は、地球を作った時のリーダーだけどね。
でも、あそこまでの文明や文化を築いたのは、君達人間が努力したからだよ。
リザベートさん、この世界もきっと地球みたいに素晴らしい世界になるよ。
マサル君や君みたいな人が頑張っているからね。
どれ、わたしも君達の子供に加護をあげよう。
しっかりと育てて、この世界の未来を明るく出来る子にしてあげてね。」
ゼウス様が手を翳すと、ランスとイリヤの上にあたたかな光が降り注いだ。
「ゼウス様.ありがとうございます。
一生懸命、この子達を育てます。」
「「じゃ、頑張ってね。」」
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