最強王子の無双譚〜暗殺者の僕が転生したら王子に生まれ変わったのだが、ステータスを前世から引き継いだので王子だが暗殺者として無双する〜
3.学園
この世界では義務教育が存在する。
学校へ10歳から15歳までに行かなければならないのだ。
しかし、王家の人間は別だ。
彼らは幼いころから英才教育を受けているためだ。
そんな僕がなぜ学校へ行きたがるのか。
暗殺者としてばっかり活動していたため、いわゆる世間知らずなためだ。
まぁ、単に興味があるっていうのもあるけどね。
っていうけどまぁ、当然いざこざが起きるわけで…。
「…デュラ。付いてこなくていいのに。」
制服に着替え、バックを持ちながら歩いて登校している僕。
そんな僕の後ろには一般人の様な服装をした僕の専属騎士、デュラがいるのだ。
どうしても居心地が悪い。
「いえ。レイン様はこの国の裏の支配者とあっても過言ではないお方にございますので。」
そんなデュラの言葉に僕は顔を思いっきりしかめる。
「そんなこと無いし、なろうとも思ってないし。」
唸るような僕の言葉にデュラはニコニコと笑う。
「世間的にはそう思われてますよ?」
僕はそこで足を止める。
「…それを故意的に広めたのは何処の誰だ。」
デュラを睨む僕にデュラは口笛を吹いて素知らぬ顔。
いや、お前だろ。デュラ。
僕はデュラを睨みつける。
「いやぁ〜。故意的なんて難しい言葉を知ってるなんて流石です!殿下!」
「話を逸らそうとするな。あと、ここでは『殿下』も『レイン様』も禁止。バレたらどうする。ソラと呼んでくれ。あと、敬語も禁止な。一応僕は平民扱いだからね。」
するとデュラは敬礼をしながらはっきりとこう言ったのだ。
「それは多分…いや、絶対に無理であります!」
と。
レインはデュラを睨みつける。
「…デュラのこと、嫌い。」
と呟くと、デュラは先程の言葉とは一変、
「殿下のご命令とあらば!」
と、またも敬礼しながら先ほどとは打って変わった言葉を叫んだ。
「はーい、殿下は禁止ー。」
「っぐ…。は、はい…。レイン様…。」
「レイン様も禁止って言ってるよー。」
「…ソラさん。」
遂に折れるデュラに僕は両手を腰に当て、ニッコリと笑う。
「よし!」
デュラは肩を落としてシュンとしていたが、僕にとってはこのことは最優先事項であるのだ。
なぜなら、周りからペコペコされながら学園生活を5年間も過ごしたくないだろう、誰でも!
「ねぇ、デュラ。」
僕は「ソラ」に慣れさせるため、デュラに話しかける。
「は、はい。なんでしょう。レ……ソラさん。」
危うい。
僕はそう感じ、こう言う。
「もう、僕の名前間違えないでよ。デュラ。」
するとデュラの顔がますます悔しみに歪んでいき…。
「も、申し訳ありません!あなたのご命令に背くような事ばっかりしてしまい…。」
完全に貴族の格好をしているデュラが平民という設定である僕に向かって、と叫びながらガバーっと土下座。
これには王家である僕も仰天した。
周りの視線がこちらに集まる。
ザワザワザワ…。
うっわぁ…。来たよコソコソ話。
僕が一番嫌いなやつだ。
そこで僕はデュラの土下座を速攻にやめさせるため、しゃがみ込み、小声でこうお願いしてみる。
「ちょ、デュラ!頭上げて!」
しかし、僕への忠誠心の塊であるデュラは顔を上げようとしない。
仕方ないので僕は立ち上がるとデュラを見下ろす。
そして大声で一喝。
「デュラ・バグローグス、面を上げろ!」
と厳しく言うとデュラはようやく顔を上げた。
そして自分のしてしまった行いを今さら自覚したのか、俯いて一言。
「…申し訳ありません。」
僕はムスッとする。
「ホントにね。」
そしてデュラは周りの人間に「この少年は訳ありで王家から護衛をするように言われた」と苦しすぎる言い訳をばらまいた。
デュラの実家のバグローグス家は王家のお抱えだから平民達は無理矢理、そうなのだと自分自身を納得させていた。
…ごめんなさい、皆さん。あなた方の「絶対嘘だ」というような表情を僕は一生忘れません。
早速やらかしたデュラに僕は睨みつける。
そして小声で怒鳴る。
「どうしてくれんのさぁぁ!僕の平凡な学生生活が今、一瞬にして無に帰ったけど?!」
デュラは更に肩を落とす。
「ごめんなさい…。殿…レイ…ソラさん。」
うん。やっぱり危険だな。
そう確信した僕は
「僕については聞かれても『元気でやってます』と言ってね。そうしなきゃ僕はデュラが嫌いになっちゃう予定だから。」
とニヤリと笑いながら言うと、若干ブラコン気質なところがあるデュラはこれ以上ないほどの絶望感に苛まれたらしく、顔を真っ青にして何度も頷いた。
そんなこんなでてんやわんやな街中を歩いていると
そして、大きな鉄製の美麗な装飾が施されたまだ閉められた門が見えてきた。
来るの早すぎたかな?
そう、僕等はやっと学園前についたのだ。
「わー!すっごーい!門、大っきい!」
と僕は表面上は楽しそうに騒ぐ。しかし、心の中では、
(へぇー。意外に小さいんだな…。僕んちの半分くらいか?)
と冷めた感想。
(僕の魔法だったら一瞬で吹っ飛びそうだ。)
という底辺な評価も添えた。
僕の表情を見て何かを感じ取ったのか、さすがのデュラはブラコン(?)っぷりを発揮した。
「ご安心を!ソラさんが入学する際にこの門は更に頑丈に作り変えるように手配します!あと、ソラさんの教室も更に防犯対策万全に…」
僕はそこまで聞いて目が据わっていく。
「デュラ…。」
嬉々として語っていたデュラが僕を見て首を傾げる。
「はい?」
僕は大きくいきを吸うと犬歯をむき出しにして、全力でこう叫んだ。
「貴様はどれだけ僕の学園生活を破壊すれば気が済むんだァァァァァっ!!」
ビリビリと空気が震える。
聴覚の良い犬がキャウン!と鳴きながら飛び上がったと思いきやどこかへ去っていき、そこらで寝ていた猫は僕の大声に起こされたのかこちらに向かって威嚇丸出し。
その後、デュラに僕は彼がしている事の最悪性を必死に訴えたのだ。
説明が一通り終わると、何故か僕の前に、先生から叱りを受ける生徒のように正座で座るデュラに僕は肩で息を呼吸しながらこう聞いた。
「…分かった?」
デュラは俯き、暗いオーラを纏いながらこくんと頷いた。
そして僕はデュラに手を貸して立たせると、デュラに抱きつく。
「ごめんね、僕のわがままで。」
思わず本音がポロリと出た。
そんな僕にデュラは優しく笑いかける。
「なんの。わがままなのが王子です。…いつも自分の意見を口にしないあなたが逆に心配だったんですよ。」
僕はデュラから離れると、俯く。
だって、僕にとっての僕の本性は「暗殺者」だからだ。
暗殺者は主の言う通りにターゲットを殺すのが仕事。
私欲など持ってはいけないのだ。
(でも…。僕は…今の僕は「暗殺者」ではなく、「レイン・ファンタジスタ」であり、「ソラ・オーマチ」でもあるだけの普通の男の子なんだ。甘えても…いいんだよね?)
そう思うと心が暖かくなってきた。
…よし!僕は学園生活を過しながら少しでも変わっていこう!
僕は心にそう誓うと、
「じゃあ、またね!デュラ!」
「あ、はい!」
心配そうに僕を見送るデュラの視線を背中に受けながら僕はデュラに手を大きく振りながら学園へ駆け込んでいった。
そして僕が門の前にたどり着いたその瞬間、門がゴゴゴゴと音を立てながら開いたのだ。
門の向こうから涼しい風が吹いてくる。
僕は足を留めず、速度を落とさずに入っていく。
そして門を風魔法で開けている先生に僕は挨拶。
「こんにちは!ソラ・オーマチです!5年間、よろしくお願いしますっ!」
出来れば10歳ぽく振る舞わなきゃね。
汗だくな先生はこちらを見るとコクリと頷いた。
返事をする余裕もないのか。
そう思った僕はその先生の手伝いを始める。
「風よっ!」
と叫んだ僕は両手を門にかざす。
その瞬間だった。
ガン!と音を立てながらまるで弾けるように門が開いた。
自分が全力を振り絞って開けようとしていた門が簡単に開いた様子を見て先生は僕を大きく目を見開いている。
「じゃ、僕はこれで!」
そして僕は急いで走っていく。
「あっ…。まっ…君!」
何かが聞こえたが、なんて言っていたのか分からなかったため、僕は手のひらをヒラヒラと振っただけにして去っていく。
「あ…行っちゃった…。」
門を開けようとしていたが悪戦苦闘していた先生ことダン先生は唖然としたままこう言った。
「この門…。どんなベテランでも開けるのに5分はかかるのに…あの子、数秒で軽々と…。何者だ?」
僕はこの時、自分が知らぬうちにやらかしたとは知らなかった。
学校へ10歳から15歳までに行かなければならないのだ。
しかし、王家の人間は別だ。
彼らは幼いころから英才教育を受けているためだ。
そんな僕がなぜ学校へ行きたがるのか。
暗殺者としてばっかり活動していたため、いわゆる世間知らずなためだ。
まぁ、単に興味があるっていうのもあるけどね。
っていうけどまぁ、当然いざこざが起きるわけで…。
「…デュラ。付いてこなくていいのに。」
制服に着替え、バックを持ちながら歩いて登校している僕。
そんな僕の後ろには一般人の様な服装をした僕の専属騎士、デュラがいるのだ。
どうしても居心地が悪い。
「いえ。レイン様はこの国の裏の支配者とあっても過言ではないお方にございますので。」
そんなデュラの言葉に僕は顔を思いっきりしかめる。
「そんなこと無いし、なろうとも思ってないし。」
唸るような僕の言葉にデュラはニコニコと笑う。
「世間的にはそう思われてますよ?」
僕はそこで足を止める。
「…それを故意的に広めたのは何処の誰だ。」
デュラを睨む僕にデュラは口笛を吹いて素知らぬ顔。
いや、お前だろ。デュラ。
僕はデュラを睨みつける。
「いやぁ〜。故意的なんて難しい言葉を知ってるなんて流石です!殿下!」
「話を逸らそうとするな。あと、ここでは『殿下』も『レイン様』も禁止。バレたらどうする。ソラと呼んでくれ。あと、敬語も禁止な。一応僕は平民扱いだからね。」
するとデュラは敬礼をしながらはっきりとこう言ったのだ。
「それは多分…いや、絶対に無理であります!」
と。
レインはデュラを睨みつける。
「…デュラのこと、嫌い。」
と呟くと、デュラは先程の言葉とは一変、
「殿下のご命令とあらば!」
と、またも敬礼しながら先ほどとは打って変わった言葉を叫んだ。
「はーい、殿下は禁止ー。」
「っぐ…。は、はい…。レイン様…。」
「レイン様も禁止って言ってるよー。」
「…ソラさん。」
遂に折れるデュラに僕は両手を腰に当て、ニッコリと笑う。
「よし!」
デュラは肩を落としてシュンとしていたが、僕にとってはこのことは最優先事項であるのだ。
なぜなら、周りからペコペコされながら学園生活を5年間も過ごしたくないだろう、誰でも!
「ねぇ、デュラ。」
僕は「ソラ」に慣れさせるため、デュラに話しかける。
「は、はい。なんでしょう。レ……ソラさん。」
危うい。
僕はそう感じ、こう言う。
「もう、僕の名前間違えないでよ。デュラ。」
するとデュラの顔がますます悔しみに歪んでいき…。
「も、申し訳ありません!あなたのご命令に背くような事ばっかりしてしまい…。」
完全に貴族の格好をしているデュラが平民という設定である僕に向かって、と叫びながらガバーっと土下座。
これには王家である僕も仰天した。
周りの視線がこちらに集まる。
ザワザワザワ…。
うっわぁ…。来たよコソコソ話。
僕が一番嫌いなやつだ。
そこで僕はデュラの土下座を速攻にやめさせるため、しゃがみ込み、小声でこうお願いしてみる。
「ちょ、デュラ!頭上げて!」
しかし、僕への忠誠心の塊であるデュラは顔を上げようとしない。
仕方ないので僕は立ち上がるとデュラを見下ろす。
そして大声で一喝。
「デュラ・バグローグス、面を上げろ!」
と厳しく言うとデュラはようやく顔を上げた。
そして自分のしてしまった行いを今さら自覚したのか、俯いて一言。
「…申し訳ありません。」
僕はムスッとする。
「ホントにね。」
そしてデュラは周りの人間に「この少年は訳ありで王家から護衛をするように言われた」と苦しすぎる言い訳をばらまいた。
デュラの実家のバグローグス家は王家のお抱えだから平民達は無理矢理、そうなのだと自分自身を納得させていた。
…ごめんなさい、皆さん。あなた方の「絶対嘘だ」というような表情を僕は一生忘れません。
早速やらかしたデュラに僕は睨みつける。
そして小声で怒鳴る。
「どうしてくれんのさぁぁ!僕の平凡な学生生活が今、一瞬にして無に帰ったけど?!」
デュラは更に肩を落とす。
「ごめんなさい…。殿…レイ…ソラさん。」
うん。やっぱり危険だな。
そう確信した僕は
「僕については聞かれても『元気でやってます』と言ってね。そうしなきゃ僕はデュラが嫌いになっちゃう予定だから。」
とニヤリと笑いながら言うと、若干ブラコン気質なところがあるデュラはこれ以上ないほどの絶望感に苛まれたらしく、顔を真っ青にして何度も頷いた。
そんなこんなでてんやわんやな街中を歩いていると
そして、大きな鉄製の美麗な装飾が施されたまだ閉められた門が見えてきた。
来るの早すぎたかな?
そう、僕等はやっと学園前についたのだ。
「わー!すっごーい!門、大っきい!」
と僕は表面上は楽しそうに騒ぐ。しかし、心の中では、
(へぇー。意外に小さいんだな…。僕んちの半分くらいか?)
と冷めた感想。
(僕の魔法だったら一瞬で吹っ飛びそうだ。)
という底辺な評価も添えた。
僕の表情を見て何かを感じ取ったのか、さすがのデュラはブラコン(?)っぷりを発揮した。
「ご安心を!ソラさんが入学する際にこの門は更に頑丈に作り変えるように手配します!あと、ソラさんの教室も更に防犯対策万全に…」
僕はそこまで聞いて目が据わっていく。
「デュラ…。」
嬉々として語っていたデュラが僕を見て首を傾げる。
「はい?」
僕は大きくいきを吸うと犬歯をむき出しにして、全力でこう叫んだ。
「貴様はどれだけ僕の学園生活を破壊すれば気が済むんだァァァァァっ!!」
ビリビリと空気が震える。
聴覚の良い犬がキャウン!と鳴きながら飛び上がったと思いきやどこかへ去っていき、そこらで寝ていた猫は僕の大声に起こされたのかこちらに向かって威嚇丸出し。
その後、デュラに僕は彼がしている事の最悪性を必死に訴えたのだ。
説明が一通り終わると、何故か僕の前に、先生から叱りを受ける生徒のように正座で座るデュラに僕は肩で息を呼吸しながらこう聞いた。
「…分かった?」
デュラは俯き、暗いオーラを纏いながらこくんと頷いた。
そして僕はデュラに手を貸して立たせると、デュラに抱きつく。
「ごめんね、僕のわがままで。」
思わず本音がポロリと出た。
そんな僕にデュラは優しく笑いかける。
「なんの。わがままなのが王子です。…いつも自分の意見を口にしないあなたが逆に心配だったんですよ。」
僕はデュラから離れると、俯く。
だって、僕にとっての僕の本性は「暗殺者」だからだ。
暗殺者は主の言う通りにターゲットを殺すのが仕事。
私欲など持ってはいけないのだ。
(でも…。僕は…今の僕は「暗殺者」ではなく、「レイン・ファンタジスタ」であり、「ソラ・オーマチ」でもあるだけの普通の男の子なんだ。甘えても…いいんだよね?)
そう思うと心が暖かくなってきた。
…よし!僕は学園生活を過しながら少しでも変わっていこう!
僕は心にそう誓うと、
「じゃあ、またね!デュラ!」
「あ、はい!」
心配そうに僕を見送るデュラの視線を背中に受けながら僕はデュラに手を大きく振りながら学園へ駆け込んでいった。
そして僕が門の前にたどり着いたその瞬間、門がゴゴゴゴと音を立てながら開いたのだ。
門の向こうから涼しい風が吹いてくる。
僕は足を留めず、速度を落とさずに入っていく。
そして門を風魔法で開けている先生に僕は挨拶。
「こんにちは!ソラ・オーマチです!5年間、よろしくお願いしますっ!」
出来れば10歳ぽく振る舞わなきゃね。
汗だくな先生はこちらを見るとコクリと頷いた。
返事をする余裕もないのか。
そう思った僕はその先生の手伝いを始める。
「風よっ!」
と叫んだ僕は両手を門にかざす。
その瞬間だった。
ガン!と音を立てながらまるで弾けるように門が開いた。
自分が全力を振り絞って開けようとしていた門が簡単に開いた様子を見て先生は僕を大きく目を見開いている。
「じゃ、僕はこれで!」
そして僕は急いで走っていく。
「あっ…。まっ…君!」
何かが聞こえたが、なんて言っていたのか分からなかったため、僕は手のひらをヒラヒラと振っただけにして去っていく。
「あ…行っちゃった…。」
門を開けようとしていたが悪戦苦闘していた先生ことダン先生は唖然としたままこう言った。
「この門…。どんなベテランでも開けるのに5分はかかるのに…あの子、数秒で軽々と…。何者だ?」
僕はこの時、自分が知らぬうちにやらかしたとは知らなかった。
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