女神のチョンボで大変な事に

よっしい

第368話 神獣が通過した場所は、魔物が避ける?

「ああ、簡単な事だ、我とベヒモスが通ったゆえ、他の魔物が避けたのであろう。」

ヨハンがそう言う。

「よくある事。魔物は本能で絶対敵わない相手は避けるもの。ただ、人だとそうはいかないけど。単に食料としか見てないから。だけど・・・・私達が通れば、一ヶ月はその場には来ないかな・・・・」

ミシェレもそう言う。

なるほど。
じゃあ、この難民を追いかけ、襲撃していた魔物の集団は、ヨハンとミシェレが道を作ったのだが、その時の気配か匂いか、何かしらで危険を察知し、道の近くに居なかったのか。

じゃあ・・・・神獣達に定期的に道を通ってもらえば、道中安全が確保できる?

ルーロフあたりが適任なんだろうが・・・・そんなのを引き受けてくれるだろうか?
今度聞いてみよ。

しかし、どんどんやってくるな。
もう千人越えてるんじゃないか?

何とか鍋の所まで行ってもらい、うどんを食べてもらう。

元気になった女性達は、世津や三津枝の所へ行き、料理の仕方を聞いて、代わりにやってくれている。

此方にやってくる世津達。


「流石にあの人数の炊き出しは・・・・きつかったです。」

「もう暫く料理はいいかな・・・・」

結局、出した料理は豚汁?正確には豚肉じゃない肉を使ったようだが・・・・

栄養も考え、ダンジョンで獲得した大量のお野菜を細かく切り刻んで提供したんだとか。

流石は世津達だ。気配りというか・・・・大きな野菜を食べるのが難しい状態の人が多かったから、いい選択だが、それを普通にやってのける所が、何より凄いと感じる。


そうして、最初に料理にありつけた人々が落ち着きつつあるようで・・・・そう思っていると、俺が最初に話していた人がやってきた。

何やら何人かに指示を出しながらやってくる。

「あのような料理を提供していただき、感謝いたします。」

「まあいいよ。それより、一体何人いるんだ?流石に対応できないぞ?」

「申し訳ございません。正直な所、わたくし共も把握しておらぬのでございます。」

「それはどうして?」

「はい、国を脱出致しましたが、似た状況の民が国中にいたため、その民たちがどんどん合流し、恐ろしいほどに膨れ上がったのでございます。ただ、道中追手の兵に殺されたり、魔物にやられた民も数多く、どれほどの民が逃げ出し、逃げおおせたのかは・・・・分かりませぬ。」

・・・・ああ、やはり難民と言う奴だな。

「ところであんた・・・・他の人とは違うな。いや・・・・・よく見れば、さっき指示出していただろう?あの連中もそうだが、あんたは普通の民とは違うな?貴族か領主だったか?」

「いや・・・・その・・・・」

何か言いにくそうにしているな。

「俺はちゃんと名乗り、助けたぞ。そっちも名乗ってほしいものだが・・・・何か名乗れない理由でもあるのか?」

          

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