女神のチョンボで大変な事に

よっしい

第127話 ”黒い奴”と本白水 清伸

俺は取り急ぎクランの拠点に戻ってきた。

猿共、盛ってないだろうな?もし盛ってるようなら・・・・

その心配は杞憂だった。

俺が戻ってきたのが何故分かったのか謎だが、ゲートで戻った俺の目の前には、待ち構えていたマウリシオさんがいた。

思わず”うおぉ!”と唸ってしまった。

「執事として、当然の事です。」

と言い切った。流石だ・・・・この道40年は伊達じゃない・・・・

「ちょっと王都で緊急の案件が出てね、王太子様からの直接の依頼で、クランメンバーを・・・・つまり”黒い奴”に動いてもらうつもりでね。本白水 清伸君はいるかな?」

「訓練場で”黒い奴”モブ軍団と訓練中です。」

モブ軍団・・・・そろそろ名前をだな・・・・まあいいか。
「クランの会議室で待ってるから、急ぎ来るように伝えてほしい。」

「了解いたしました。」


音もなく消えていくマウリシオさん。
隠密行動とかそんなスキル持ちなんだろうか?

・・・・
・・・
・・


直ぐに”黒い奴”6人がやってきた。

汗臭かったから、”浄化”しといた。

「これは師匠!おかえりなさい!何やら緊急の案件とか?」

本白水が言う。

「ああ、王都の近くにあるダンジョンでスタンピードが発生した可能性があってな。しかも、発生前に魔物がいきなり強くなり、多数の冒険者を屠ったのち、ダンジョンの外に・・・通常はダンジョンの外に出る事はないらしいが、強い魔物が多数ダンジョンの外に出没、王都とダンジョンの間にある主街道を行き来する商隊を襲っているようでな、これを討伐してほしいとの事だ。」

と説明する。

”ううぉおおお!遂にダンジョン!”

とか野郎の声が聞こえるが、無視。

「B、A級の冒険者パーティもやられた。王都で有名なクランも失敗したらしい。そこで今回、俺達の出番という訳だ。俺だけでもやれると思うが、それでは意味がない。お前らの・・・・”黒い奴”の力が必要だ・・・」

「僕はレベル9、他のメンバーはやっと7になりました。行けるでしょうか?」


およ?確かレベル5だったはず。どうやったか上がったんだな、この短期間で2も。

「普通の個体ならいけるだろう。強い個体は・・・・本白水、君が相手をして、他のメンバーはサポートだな。行けそうならやってもいいが。恐らくだが、お前等の装備はとんでもなく凄い。レベル3つ分ぐらいの補正があると思ってもいい。だが無理はするな。怪我は治るが、死んだら蘇らん。」

「わかりました師匠!」

「よし、ベストな装備に着替えて、すぐに出発だ!40秒で支度しな!」

ふふ・・・・一度言ってみたかったんだ、40秒で支度しなって。

・・・・
・・・
・・


”黒い奴”を引き連れ王都へ、戻ってきた俺達。

本日より、クラン”御国台”本格スタートだ・・・・

これがきっかけで後に”クラン御国台”の名が一気に国中に広がる事になるのだが・・・・この時はそんな事は全く考えていなかった・・・・

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