45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしい

第267話 停戦

「なあ皇帝さんよ、何でここにいるんだよ!」
「いいじゃねか!ここは落ち着くんだよ!癒しの孫がいるんだよ!ちょっとぐらい息抜きしてもいいだろうが!」

・・・・侯爵になってから2か月ほどが経ち、おっさんいつものごとく朝のコーヒータイムをしてると、必ず毎日皇帝がやってくるんだよ!
シュラハト連邦と戦争中だというのに。

「戦争中にこんな所に国のトップがいていいのかよ!」
「ゲートですぐに誰か何かあればここにこれるから、どこにいても構わないんだよ!」

相変わらずな皇帝だ。
「おう!それよりもだな、あのデーモンどうなったんだ?」
「聞いてないのか?相変わらずだんまりだよ。ミロスラーフとかの召喚で呼び出されたデーモンかとも思ったんだけど、どうも違うみたいでね。恐らくはデーモンと直接契約してるっぽい。」
「おいシラカワ、何だよポイって。」
「仕方ないだろう!喋らないから憶測だよ!」

・・・・ファートとサージュが上手く将軍の中にいたデーモンを、将軍から追い出す事に成功したんだけど、精神体?実体のないデーモンを2人は精霊使いのスキル持ちなので、実体がないまま捕える事に成功、何か人形みたいなアイテムに憑依?させる事ができ、その後はデーモンの目的やら色々聞きだしてる所なんだよね。

「まあ大体わかった。それよりも、このこーひーという飲み物は相変わらず苦いが、この苦みが美味いな!」
「そうだろうそうだろう。なあ、将軍はどうしてるんだ?」
「ああ、奴は僻地に行ってもらってるよ。何でもモンスターが暴れてるみたいでな、その討伐に向かわせた。体を動かしてないと駄目みたいだが、シュラハト連邦との戦争に参加させるわけにもいかんしな。」
「ああ、で、まだかかるのか?」
「ああ、インダルチャンス王国の領地はほぼ手中に収めたぜ!あとはシュラハト連邦との話し合いだな。」

ここ最近、シュラハト連邦は勢いが急になくなり、セアリアス帝国の攻撃を受けきれず、戦線をどんどん後退させていて、とうとうインダルチャンス王国とシュラハト連邦の国境付近まで後退したらしいんだよね。
いい感じじゃないか!
「わが軍は大陸最強なんだ!これぐらいできて当たり前なんだよ!」
「で、インダルチャンス王国の領地はどうするんだよ?」
「ああ、その事なんだがな・・・・現国王が相変わらず見つからないんだよな。死んだか生きてるかもわからん。」

メーネアの弟のストューピッド、戦闘中に行方知れずになって、今の今までどうなってるのか、分からないんだよね。
せめて生死が分かればいいんだけど・・・・。

・・・・
・・・
・・


一通り孫と戯れ満足したのか、皇帝は帰っていったよ。
そして昼からおっさん、工房に出かけていてね。
今はウェンディと商品開発してるんだよ。
何だかんだ言って戦闘力のあるウェンディだけど、服の開発とかの方が性に合うらしく、
最近は再び工房であーだこーだと言いながらやってるみたい。
で、今やってるのは・・・・マタニティ関連なんだよね。
授乳用のブラや産前産後に履くショーツやズボン、ワンピースをね。
富裕層やら貴族のご婦人及び、メイドさんがよく問い合わせにきてね。
取り敢えず異世界売買で仕入れたのを売ってるんだけど、これらも自前で作って売れないだろうかって話になって、今職人さん達は、出来上がったデザインを基に作ってるんだよね。
素材も違うから、素材にあった形状に作り直したりしてるから、色々手間はかかってるんだけどね。

「どうかな?私みたいに背が低くても、リュシエンヌみたいに背が高くても対応できるんだよ!」
「おお!すげー!向こうならサイズ違いを作るんだけどな。よく考えたな、ウェンディ。」
「凄いでしょ!もっと褒めてよ!」
褒めると伸びるみたいだ、ウェンディは。

・・・・
・・・
・・


そして、さらに2週間ほどして、シュラハト連邦から停戦の申し入れがあり、インダルチャンス王国完全返還及び、セアリアス帝国への侵略の賠償をシュラハト連邦が支払う事が前提で、セアリアス帝国は停戦を受け入れる事になったようだ。

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