45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしい

第218話 さらに話は続く

「ちょっと想像できないよ、メーネアさま。」
「後で見せてあげるわ。映像で。そういった技術があってね、何度か見せてもらったの。それと・・・・今でも旦那さまは元の世界に戻ろうとしてるのだけど、戻れないのよ。あと一歩の所まで来てるのだけど。」
「確か・・・・召喚した人は今まで一度も戻ってないって元国王が発表してた・・・・。」
「そう、今まで誰も戻ってないのよ。殺されるか、慰み者になってしまうか。そして、どうも一方通行らしくて。来れるけど、戻れない・・・・そんな中、何とか向こうに戻れたらしいのよ。ただ、見えない壁に阻まれ、壁の向こうにいけない。その壁の向こうには奥さんと子供がいるのに。それとは別に、何とか腕1本が通れるだけのゲートを作る事に成功してね。移動をしたらしいのだけど、こちらの場合は、奥様や子供に触れる事が出来たらしくてね。ただ、身体が通る事が出来ない。何とか頭も通る事に成功したらしいけど、穴がそれ以上広がらない。その後、向こうからは広げる事ができ、どうやら広がってる間は行き来ができるらしいのだけど、精神力が恐ろしい勢いで減ってしまい、旦那さまはそのたびに何日も意識を無くしてしまったわ。酷い時は全身の骨が砕けて死にかけてたわ。」

「そんな事が・・・・」
「旦那さまは決して私達に弱気を見せないけれど、その時ばかりはすごい落ち込みようだったわ・・・・。何とか立ち直ってもらったけれどね。私たちの役目は、旦那さまの正気を保ってもらう事。たまにエッチな感じになるけれど、本当はまじめでね。向こうでは一夫一妻制らしく、こちらのように一夫多妻じゃなくてね。私達との関係は当初全力で拒否してたわ。だけど強引に押し切っちゃったの。」
「私は・・まだ会ったばかりだから分からないけど、壮絶な人生を送ってるのね。」
「あなたが旦那さまをどう思ってるかは、分からないけれど、旦那さまは孤高の人なのよ。そして、常に孤独な人。私達と過ごしている時は気が紛れているようで、後はね、何かしていないと気が狂うって言ってたのよ。止まると死んでしまうのよ、旦那さまは。そして・・・・もうわかったと思うけれど、旦那さまはものすごい才能の持ち主なのよ。剣術は・・・・元々なかったらしいけれど、鍛冶は元々持ってた技術みたいでね。鍛冶は自分のスキルって言ってたわ。もう旦那さまの打った剣は見たかしら?」
「はい、使いました。今まで感じた事のない、力を感じたけど、こんなの人間が打ったものなの?って思ったんです!」

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