え?ボクが英雄?

よっしい

第113話 王太子妃様

僕は声をかける事にした。

「どの生地がよさそうでしょうか、王太子妃様?」

そう言うと、ナチュラルに反応があった。

「そうねえ・・・・やっぱりこの派手過ぎないのがいいかしら?」

「そうなんですか?僕分らなくて。もっと教えてほしいです。」

「あらあら・・・えっとね、ヘルトルーデって、落ち着いた中世的な雰囲気があるのよね、だからね、派手過ぎない、少し落ち着いた色味がいいかなって思うのよ。」

「ありがとう!僕王太子妃様大好き!」

思わずそう言ってしまった・・・・

「あ、?そう?わらわもうれしいわえ?」

「王太子妃様、お言葉が・・・・」

「あ・・・あああ、つい・・・ついなの・・・・」

隠す気があるのかわからないよ、この女性達・・・・

「ねえカトレイン、もうバレバレだから・・・・店員さんの真似しないでいいよって言ってあげて?」

「・・・・もうバレちゃったの?」

「というより隠す気あったのかな?」

「どうして?」

「だって・・・・王太子妃様とか僕の前で言っちゃってるし?それを普通に反応してるしね・・・・」

「ああ・・・・そうなのね・・・・よく分かったわねヘルト!」

・・・・ごめんあれで気が付かない方がおかしいよ?

その後バレた事をカトレインが王太子妃様御一行に伝え・・・・その後は和やかな時間が過ぎていった。

王太子妃様はとても温和な女性で、ヘルトの事を気に入ってくれたようだ。
他の2人も、好意をもって接してくれている。

ちょっと安堵するヘルト。

将来の姑になるかもしれない女性だから、此処は好意的になってもらわないと、後々大変だからね、と。

「では、服が出来上がったら、すぐにお城へいらっしゃいね。」

そう言って3人は帰って行った。

出来上がったらお城へ行かないと・・・なのか・・・・

・・・・
・・・
・・



一週間後、完成。
取りに行く4人。


なんだかんだで4人とも新調しているのだ。

で、その中で城に向かうのにふさわしい出で立ちを着用し、そのまま馬車で城へ向かった。
今回はフィンも一緒だ。

「ヘルトルーデ、凄く似合ってるよ。君のその中世的な顔立ちが、一層引き立って、もはや神々しいね。」

・・・・褒めてもらってるのか、微妙・・・・

「そ・・・そう?」

「うん。だってさ・・・・」

そう言って僕を抱きしめ、キスをしてくる・・・・

「こんな魅力的な女性って、他に居るのかな?ねえヘルトルーデ?」

「あの・・・・カトレイン達もいるんだけど・・・・」

周りはもう顔を真っ赤にしながら僕とフィンの行動を見守っている。

「大丈夫さ。王族なら近い内に皆こういうのに慣れないとね。そのうち自身の身に降りかかってくるからね。」

とさり気なく凄い事を言うフィン。僕も恥ずかしいよ?

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