え?ボクが英雄?

よっしい

第111話 服を見に来たのだけれど・・・・置いてないよ?

ある日、僕は王族の女の子3人と共に、服を見に行く事になったんだ。

「僕に似合う服あるのかな?」

「・・・・ヘルトってスマートだから・・・・きっとどんな服も着こなせると思うよ?」

最近少しお肉が付いてきたことを気にしているカトレイン・・・・

「単にちんちくりんなやせっぽちだと思うけど?」

「貴女がやせっぽち?確かに細いけど・・・・いい感じにほっそりだと思うけれど・・・・」

最近成長著しいファネッサがそう言う。

「そうね・・・・最近背が少し伸びたのではなくって?後数年もすれば、均整の取れた、誰もが羨むプロポーションになりそうだけれどね・・・・」

そう言うのはヒルメルト。彼女もほっそりだ。

えっと・・・・微妙だよねそれ?まあ、羨むプロポーションになれれば嬉しいけれどね。

そんな事を話しながら、本日買い物をするお店へと到着したのだけど・・・・

えっと・・・・何だか威厳があって、入りずらいのだけど?

絶対僕だけでは入らない店だよ?

そう思ってると、3人ともすたすたと中に入ってしまう。

「ちょっと、置いてかないで・・・・」

僕もあわてて中に入ったのだけれど・・・・


「ヘルトルーデ様、ようこそお越し下さりました。当店の店主でございます。」

・・・・えっと・・・・どうしよう・・・・なかなか素敵なおじさま、って感じ?

「えっと、どうして名前を知っているのかな?」

「ああ・・・これは失礼いたしました。ですがヘルトルーデ様はご自身の事をあまりご存知ないようですな。王都で貴女を知らぬ者はいないでしょう。」

「え?それはどういう事ですか?」

「フィンセント王子を救い、悪魔を追い払い、そしてダンジョンを攻略するほどの実力がありながら・・・・こんあなにも可愛らしいお姿・・・・国中知らぬ者はいませんよ!」

・・・・えっと・・・・王都と言っていたのに・・・・国中だって?どっちみち・・・恥ずかしいな・・・・

「あ、ヘルトってどんなのが似合うかな?」

「そんなの僕分んないよ?」

「当店に任せて頂ければ・・・・とてもお似合いの服を仕立てて見せますよ。」

・・・・え?今仕立てるって言った?服を買いに来たんだよね?なのに・・・仕立てるの?


「仕立てるのですか?」

「ええ・・・ここに居る皆さんも、当店で何着買仕立てさせて頂きました。」

・・・・僕の認識がおかしいのかな?

僕は色んな服を見れると思ってきたのだけど・・・・王族の女の子の認識は、服は仕立てるものなのかな?



僕はこの事に気を取られて、この後に起こる事に全く気が付いていなかった。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品