え?ボクが英雄?

よっしい

第109話 婚約発表

僕が戻ってから一月程が経った頃、フィンセント王子と僕の婚約が正式に発表されちゃった。

びっくりしたんだけど、嫡男を失くした国王。そしてそれを重く受け止めた王国とその国民。

もう国中喪に伏してしまってて・・・・ここで明るい話題が欲しかったようなんだ。

僕的には、喪に伏してる時に婚約発表ってどうなの?って思うけど、兎に角明るい話題が欲しいみたいなんだ。

そして・・・僕忘れてたけど、ダンジョン、一応攻略しちゃったのかな?の報告してなくて、ようやくしたら・・・怒られちゃった。

僕は今ギルドに来てるんだけど、

「ヘルトルーデ様!そういう事はもっと早く報告していただかなくては!」

その・・・ごめんなさい?

そんなに重大な事だったのかな??

「その・・・・報告しなくてはいけなかったのかな?」

「ええ?だって・・・・あのダンジョンといいますか・・・・殆どのダンジョンは、未踏破のままなのですよ?」

「そうなんですか?」

「ええ。頑張っても下層にたどり着くかどうかが関の山ですよ。」

「よく分からないかな?そんなに強くなかったよ?」

「・・・・そこのフェンちゃん?彼がいればそうでしょう・・・・」

「そのごめんなさい。僕知らなくて・・・・・」


「ああ、そんなお顔をしないで下さい!今度からちゃんと報告して下さいね?」

「今度ってあるのかな?」

「きっと・・・いえ、絶対にあります!」

受付のお姉さんにまたあるって言われちゃった・・・・またダンジョンの下層に、行くのかな?

・・・・
・・・
・・



あれから更に一週間が経って、僕がダンジョンの下層を攻略したって・・・・あれ?100層だったのかな?

大々的に発表されちゃった。

どうも70層が今までの限界だったみたいなんだ。

でも僕インチキしてるよね、きっと。

気が付いたら下層に居たんだもん。

でもまあ・・・明るい話題が欲しいみたいだから、気にしないでおこう。

それに、僕がフィンセント王子と婚約中というので、変な横やりも入らないしね。
でもね・・・・

「ヘルトルーデ、状況が状況だから、こういった発表になっちゃったけど、今度父に会って欲しいんだ。それとおじじい様にも・・・・ね。」

・・・・えっと確か・・・・フィンのお父様が・・・・王太子様?で・・・そのお父様・・・つまりおじいさまが・・・国王陛下様なんだよね・・・・って・・・えええ!

「えええと・・・国王様に会っちゃうの?」

「まあそうなんだけどね、別に気負う必要はないさ。婚約者の父と、おじいさんに会うだけだから・・・ね。」

駄目駄目!その・・・”ね”に騙されないからね!

          

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