え?ボクが英雄?

よっしい

第82話 蒼の月華とは

「何で蒼の月華の奴らが、こんな所に。くそっ!俺は剣を失った。予備の武器ないか?」

もう大丈夫なのか、リキャルドさんは立ち上がる。そんなに大きくはないけど、流石はリーダーさん。隙のない身のこなしだ。こんな人を吹き飛ばすってどんなに凄い相手なのだろう?

それに蒼の月華って何?冒険者のパーティかクランだろうか?

「あ、ダンジョンでの拾い物でよければ、ありますよ?」

僕は、一本のロングソードを取り出す。
僕には大きすぎて使えないけど、リキャルドさんなら・・・・

「おい、これは流石に・・・・」

ん?何で受け取ってくれないのかな?


「ちょ!ヘルト!何この魔剣!」

え?ロヴィーサさんが驚いてる?

「ドラゴン討伐したら、たまにドロップするんです、武器とか。余ってるので、つかって?それに見てわかると思うけど、僕には扱えないの。」

強引に受け取らせる。

「この剣があれば、あるいは・・・・俺は戻る、君達はどうする?」

「待ってくれ!ヘルブラント王子は無事か!」

「君は・・・・第三王子だな。・・・・わからん。真っ先に狙われたらしいからな。第二王子も一緒だったようだ。今生徒と冒険者は、一塊になって防御陣形を取って、防戦中だ。俺は今から突撃を敢行する。」


あ!と思ったらもういなかった。

「僕達も向かおう。まだヘルブラント王子は生きているかもしれないからな。ロヴィーサ、僕を護ってくれ。それと、カトレイン、ヘルトから離れるな。」

「うん・・・わかった・・・・」

僕は今まで装備してこなかった弓を装備しなおす。こんな低層で装備する事になるとは・・・・

・・・・
・・・
・・


家に向かうと、家の周辺には冒険者たちが盾で防御陣形を築いている相手に攻撃を仕掛けていた。

見ると、攻撃を受けているのは、見た事がある冒険者と・・・生徒、正確には護衛として付き従ってる生徒。

何時の間にやらリキャルドさんは既に護りの中に居た。

「どうするの?」

「・・・・何やら敵の気配がおかしい。人では・・・・無いのか?」

フィンが変な事を言う。

何人かがこちらに気が付く。

そのうちの数人がこちらにやってくる。

「そんな所に居やがったのか!その顔ぼっこぼこにしてやるぜ!」

どこかで見た事があるようなと思ったけど、そんな余裕はない。

僕は攻撃をかわし、隙をうかがう。

相手は隙だらけだけど、他の冒険者が攻撃を許してくれない。

「マスターをいじめるな!」

フェンは人から本来の姿になっていて、次々と冒険者?を倒していく。

僕はカトレインを襲おうとしていた1人を、弓で射る。

「ぐぎゃ!」

少し外した。右胸に突き刺さる。あれでは致命傷にはならない。

激痛でもう動けないだろうけど。

そんな中、フィンはロヴィーサさんと護衛の人と共に切り込んでいて、上手く学院の生徒と護衛の人達と合流できたようだ。

でもいいのかな?フィンは先に魔法陣で逃げたほうが良かったのじゃ?

でも、そんな事を考える余裕がない。

          

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