え?ボクが英雄?

よっしい

第80話 襲撃、その前

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学院の試験が行われる1週間前

【やあ、あの子が試験でこのダンジョンにやってきますよ。】

「なんだと!ダンジョンか!好都合じゃねえか!」

【今回は、確実性を高めるために、暗殺ギルドにも依頼をかけておりまして。さらに言えば、今までの素材を売却した資金を元手で、傭兵を、冒険者として何人か雇っていますから。】

「何!いつの間にそんな事を!」

【私の配下にさせていますから、ご心配なく。それと、明日からダンジョンに潜っていただきます。試験当日は、学院の厳しい監視がありますからね。その前にダンジョンに潜る必要があるのですよ。】

「よく分からんが、学院の試験とやらは5層までだな?」

【ええ・調査に数年を要していますから、間違いありません。】

「で、俺はどうしたらいいんだ?」

【傭兵とパーティを組んで頂き、10層まで潜ります。その後、5層の攻略後の、”家”で待ち伏せします。】

「あの、ボス部屋を突破したらあるという、あの家か!だが、階層を戻っても入れるものなのか?」

【ご心配なく。問題ありません。そして・・・・貴方はあの子の、顔をぎったぎたにしてやるのでしたね?】

「そうだ!あいつのせいで俺は・・・・あの、すましたような、妙に人形みてえに整ったあの顔が気に入らねえ!珍竹林のちっこいガキのくせしやがって!」

【おお怖い。あ、そうそう、もしも私のターゲットが先に現れましたら、そちらの討伐をお願いしますよ?うち漏らせば意味がないのですから。】

「わーってるってよ!所詮は15ぐらいまでの金持ちと貴族のボンボンだろうが!魔法をちょっくらかじっただけの、低階層しかいけねえ奴らなんぞ、イチコロさ!」

【それを聞いて、安心しましたよ?あ、今回は、確実を喫するために、”蒼の月華”を呼んでいますので、うまく使ってやって下さい。】


「蒼の月華だあ?あれは確か・・・父上から聞いた事があるぞ?対人に特化した、表向きはA級冒険者、裏では暗殺を生業にしている武装集団だと。よくそんなの雇えたな?」


【49層のドロップアイテムですよ、あれを見せればイチコロでしたよ?】

「あ?あのサキュバスとインキュバスだったか?」

【ええ・・淫魔のドロップアイテム、なかなかいい薬になるようでして。】

さて・・・・このバカボンボンには期待できませんから、あの蒼の月華以下傭兵に期待をせざるを得ないのが歯がゆいですね。ですが、もう直ぐですか、肉体を手に入れるのは。

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