え?ボクが英雄?

よっしい

第57話 フィンセントのつぶやき

何故 ヘルトヘルトルーデは男装なんかしてるのだろう・・・・

あんなに素敵な女の子なのに。

何か隠しているのかな?

まあ、本人が性別を偽る必要性を感じているのなら、そうだね、暫くは様子を見よう。

しかし・・・・僕は驚いた。
彼女と出会ったあの瞬間から。

今までこんな事はなかった。

ビビッと・・・・
何とか表情には出なかったとは思うが、出会った瞬間わかった。
僕が探し求めている女性だ、と。

パッと見どう見ても男の子なのだが、僕の目はごまかせないんだよ、ヘルトルーデ。

名前もヘルト、およびヘルト卿を名乗ってるようだから、そのままヘルトと呼ぶが、周りは彼女が女の子だと気が付いていないのだろうか?

いや・・・・何人かは気が付いているようだけどね。

僕は将来第三王子となる予定だ。
父が即位すればだけど。

兄が2人いるので、僕が王になる事はよほどの事が無い限りないのだが・・・・

僕の中では、彼女が王妃として、僕の隣にいるイメージが常にわくのだ。不思議だ。

それは2人の兄の死を意味するのだが・・・・

彼女は小さい。小柄だ。
しかも、男装しているうえに、あまりいい食生活を送っていないのだろう。あまり女の子らしくない体型。
意図的にそうしているみたいだけど、どうしたら彼女とお付き合いできるだろうか。
無論僕が強引に命令すれば、彼女は女性として僕の物になるだろう。
だが、それでは駄目だ。
彼女の気持ちを、僕に向かせたい。

どうすればいいのか・・・・

幸い彼女は学院に入るようだし、叔母も味方してくれるだろう・・・・
時間はたっぷりある。

まずは僕自身もっと品格を磨き、ヘルトルーデにそう思わせる人物にならねば。
それに、何やら予感がするのだ。僕が王国を導き・・・・ヘルトルーデが支えてくれるその瞬間が。


          

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