第43話　ドラゴンの鱗で鎧を作る

軟らかくなったドラゴンの鱗。
これをどうしよう？鎧？

あまり動きに制限が無いのがいいな。

じゃあ服みたいにしちゃおうか？

ちょっと普段着がそろそろ限界来てたんだよね。
流石の僕も成長してるし？

もう今着ているのは小さくなっちゃって。

え？たいして大きくないじゃないかって？大きな世話ですよ！

でも鱗だからね。
で尾根、これって表面をフェンの爪で削っちゃえばいい感じになるんじゃないかなあ？

そう思って鱗を広げ、表面のざらざらしてるのを削っていく。
わー何て言うか、凄く簡単に削れるね。凄いよフェンの爪。

で、出来上がった布？何だか綺麗。

鱗を削ると、薄めの茶色の布が。

何だかこれを切っちゃうのもったいないね。

だけど、これを服に仕立てておかないと。

僕はカバンから冒険者だった人から回収してた服を出し、それをばらして、各部分にわけ、それと同じように切っていくのだけど・・・あ、大きさ・・・・

失敗失敗。

見本の服と一緒の大きさにしちゃった。

まあいいか。どうせ鱗いっぱいあるし。

で、これをどうやって縫うかだけど。

何かね、結果的には縫わなくってよかったんだ。

魔力に鱗が反応しちゃって、端っこと端っこががくっついちゃった。

一応服の形に組み立てて、立体的に人形を作って、それに着せるようにしてたんだけど。

僕そこで思わず目を瞑って、布を触りながら服みたいにくっつかないかな？
と、出来上がりを想像して、思わず力を込めたんだけど。

そうしたら、何だか服が出来上がってて。

でも大きすぎるよね。

でも安心。

何だか心の願望が込められていたのか、念のため着てみたら、なんと体の大きさに合わせるかのように、服が縮んじゃったんだよね。

後ででリリアナさんに聞いたら、そういう魔法衣や鎧があって、使用者の大きさに自動で合わせてくれるんだって。

しかも大抵は凄い値段。

うん。気にしないでおこう。

これ一着あれば、大人になってもずっと着られるのかな？

それにしても、動きやすいね。体にいい感じに密着してて、僕の貧弱な体つきが全く隠れてないというおまけつき。

でもこれで下着は作らない方がいいね、きっと。そんな気がしちゃった。

うん、おパンツは植物の糸で出来上がった布で作ろ。

僕はこの後、ズボンも作ってみたよ。
ズボンだけでは、僕のみすぼらしい体つきが強調されちゃうから、何ていうのかな、マント？みたいのも作ってみたんだ。

これって普段着用しなくても、野宿の時に雨露凌いだり、暖を取るのにいい感じ。

こうして出来上がった服だけど、予備も含め数着作ってみたよ。

リリアナさん達に、スカートも作ってみたんだ。普段街に居る時用にね。まあ日ごろのお礼？

これ渡したら、リリアナさんたちパーティメンバー、皆さん卒倒しそうになっちゃった。

「ちょ、、ちょっと！ヘルト！何よこの服とスカート！なんだか不思議な素材だと思って、鑑定してもらったら、ど、ドラゴンの鱗で作られてるって言われたのよ？今あなた達が着ているどの鎧より防御力もあるって。一体どうしたのこれ？」


「どうしたのって、ぼく、じぶんでつくったよ」

何かお気に召さなかったのかな？大人の女性用の衣服だから、もう少しおしゃれに仕立てればよかったかなあ？