え?ボクが英雄?

よっしい

第35話 母と子

街が大混乱になった。

それはそうだ。

伝説級の魔獣?SS級。もはや災厄クラスの・・・・アングルホザが街に現れたからだ。

幸いな事に、特に誰かを殺したり、建物を破壊したりはなかったが・・・・

冒険者ギルドでは、前もって情報を仕入れており、極力アングルホザがに刺激を与えない様にとの通達があったので、冒険者は皆近づかなかった。いや、そもそも近づけば死ぬ。

なので街の住民ともども避難した。


そんな中、1人の人間が捕まり、教会の先端に串刺しにされてしまった・・・・

そそて、アングルホザが再び歩き出したが、暫くして、目の前に2人の子供が現れた。

何を言ってるか分からないが、どうやら会話が成立しているようだ。

「人間、どうしたのだ?我が子の匂いが別の人減からしたのじゃが?何ゆえかの?」

「アングルホザさんごめんなさい。フェンの皮をはいで、終わったとたんに奴らに襲われて、フェンの皮を奪われたんです。」

「愚かな・・・・そこの建物に置いてきたが、あやつかの?」

「たぶんそうじゃなかいかな?あ、ちゃんと取り戻したから、ほら!」


アングルホザは毛皮を受け取り、確認し、子供に渡す。

「ならいい。」

「お母さん、フェンね、人間の姿になれたよ!」

「おお!それは良かったの。そこの人減、よく知っておったな。我らが人の姿になるにはどうしたらよいのか。」

「え?ごめん僕知らなかったんだよ。でも、よかったんだよね?」

「むろんじゃ。それの為に人間の元にやったのじゃからの。じゃが・・・・む?これはどういう事じゃ?人間、我が子の血を飲んだのかえ?」

「あ、そう言えば、フェンが僕に水をくれたんだけど、その時血が少し入っちゃってたけど、気にせず飲んじゃったんだ。」

「そうか・・・・で、わが子はフェンと申すのかえ?」

「うんお母さん!マスターにつけてもらったの。いい名前でしょ!」

「そうよのう・・・・人の子よ・・・・ヘルトと申したかの?我が子フェンを頼んだぞえ。もう我には用が無いゆえ、帰る。人も我が此処に留まるのは好ましくなかろうて。」

こうして災害級?厄災級?のSS魔獣は、特に何をするでもなく帰っていった。一人の犠牲者のみで・・・・


そして、この犠牲者こそ、今回の問題を起こした張本人だった。

しかも、この街を治める領主の息子らしい。

だが、領主は

「息子?いや、人違いでしょうな?我が息子は昔にダンジョンにて死にましたからな。」

どうやら領主は事の重大さが分かっているようなので、完全に切り捨てたようだ。

そして・・・・この息子?この死体は領主が一応引き取り、身元不明扱いでひっそりと埋葬したらしい。






「何をやっておるバカ息子。もはやかばえぬ。世間ではお前は死んだことにした。さっさとこの国から出ていくがいい。一応金府は渡してやる。命があっただけでもありがたいと思え。」

「す・・・・すまないおやじ。」

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