え?ボクが英雄?

よっしい

第20話 皆さん大興奮?

「ねえヘルト?この薬、売ったらすごく高値で買ってくれるんじゃないかしら?」

リーダーのリリアナさんが興奮しながらそう言ってくるんだけど・・・・

「かね ある ほしいなら  あげる」

僕はせっかく来てもらったんだからと、薬を差し出す。

「だめ駄目ダメ!受け取れないよ!こんな高価な薬!」

なんだかパニックになってる。

「みなさん  これ  あげる」


僕は他の皆にも薬を渡す。

「え!ありがとうと言いたいけど、駄目よ?こんな高価な薬ホイホイ渡しちゃ?」

「そうだよヘルト!これ調合したんでしょ?大変だったんじゃないの?」

中々受け取ってくれない・・・・僕の作ったのだから、不安なのかな?

「まだ たくさん ある」


僕は床の一部を動かし、地下の収納庫から、箱を取り出し、開ける。

中には薬や、宝石、魔石がある。

最初のころ、ダンジョンから帰ったら、この収納庫に入れてたっけ。

「これみて まだあるから  つかって」

あれ?みんな固まってる。違ったかな?

仕方ない・・・・これはどうかな?
さらに別の箱を取り出し、ダンジョンの宝箱に入っていた、ネックレスや、ブレスレット等、装飾品を出す。

あ、このブルーの宝石の入ってるネックレス、リリアナさんに似合いそう。

「これ りりあな さん にあう」

僕は素早く動き、リリアナさんの首にネックレスを装着してあげる。

「にあうにあう  りりあな さん にあう」

リリアナさんは無駄のない体つきをしてるから・・・・冒険者だから、引き締まった綺麗な身体だから・・・・身長も高いから、凄く似合う。

「え?え?ちょっと何このネックレス?凄すぎてお姉さん気絶しそうなんだけど・・・・」

「まだある これ  みなさん  つけて」

僕はほかにも赤い宝石のはまってるのとか、緑の宝石のはまってるのとか、色違いのネックレスを取り出し、パーティのメンバーに次々装着してあげる。

うんうん、やっぱり女性はこうじゃなくっちゃね!

あ、しまった・・・・お茶出すの忘れていた・・・・お客さんにおもてなししないと。
お茶と、お菓子でいいかな。

森の一画で見つけたお茶の葉と、やっぱり森の奥に実っている果物、豆を粉にしたので捏ねて、かまどで焼いた焼き菓子。
果物の甘酸っぱさが美味しいんだよね。それに粉にした豆が美味しさを引き立ててくれて。

よく父が言ってたっけ?客人には”まっちゃ”でおちゃをたてて、ちょっとしたお菓子を用意するものだと。

おちゃをたてる というのが何だか分からなかったけれど。

今用意したお茶は、以前父が出してくれたお茶と似た味がする。

固まったままの皆さんには悪いけど、準備が終わるまでそのままでいてもらおう?すぐに終わるけれど。

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