朝昼晩

4.沖縄へ

移住一日目の晩御飯は疲れてしまったのでカップラーメンにした。
お祝いする雰囲気でもないし、なんだか本当に疲れた。




薄い薄い、敷布団と掛け布団にくるまり夜を過ごした。


沖縄の強すぎる日差しで目が冷めた。
昨夜は移動に買い物に疲れてしまって何も考えられなかったが、よく眠ったあとのこの心は心底最低な気分だった。


昨日みたいな日が毎日続けばこの最低な気分もマシになるだろうに。


私は布団からでないまま天井を見上げた。


なにも考えたくないと思いはるばるここまで逃げたというのに、まだすぐそこにいるような不安な気持ちになった。


「本当にやさしいよね!」


その言葉が頭の中で何度も繰り返された。


かつて私を裏切った人たちはみんな私のことを「優しい」といった。


”優しい”という言葉は実に使い勝手のいい言葉である。


困ってる人を助ける”優しい”私。


騙されても咎めない”優しい”私。


優しい、優しいと持ち上げられ何度騙されたことか。


その言葉のせいで私は生活が一変したというのに。





コメント

コメントを書く

「文学」の人気作品

書籍化作品