〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜

ノベルバユーザー327690

第36話〜団体戦抽選会と不穏な足音〜

第2章 イングレア王立学園編
第36話〜団体戦抽選会と不穏な足音〜
...
...
 武魔法大会本番を明日に控え、今日はその団体戦の抽選会があるため、僕は学園に来ていた。


  (前世からあまりくじ運は良くなかったけど、大丈夫かなぁ。まあどっちを引いても僕たちが勝つけどね)


 1人で考え事をしていると、後ろから声をかけられた。


スイ「やあ、ユーマ。昨日はお疲れさま」


  「ん?おお、スイか。昨日はどうも」


 スイは3年生で、ユーマから見れば年上なのだが、昨日のパーティーの後スイ本人から敬語もいらないしタメ口でいいから仲良くしようと言ってきていたのだ。


スイ「今日はいよいよ抽選会だね。ユーマはどっちとやりたい?」


  「スイ達のほうが強そうだし、何より帝国は早く退けたいから1回戦で帝国とやって、決勝でスイ達とやりたいかなぁ」


スイ「なるほどね。ユーマはくじ運良いほう?」


  「いや、あんまり良くないかな。スイは?」


スイ「僕もあまり良くないかな。でも、決勝でユーマ達とやりたいのは本音だから、どっちからにしても全力でぶつかるよ」


 スイと話していると、帝立学院のザラフ君がやってきた。


ザラフ「ユーマにスイウェルか。昨日ぶりだな。今年も俺達帝国が優勝は貰っていくぜ」


  「それはどうかな?今年のうちを今までと一緒だと思わないほうがいいよ」


スイ「それはうちもだよ。今年は過去最高のメンバーが揃ってるからね。おいそれと負けるわけはないよ」


ザラフ「威勢がいいのは良いことだが、俺たちの勝利は揺るがん。それだけだ」


 そういうと、ザラフ君は先に学園に入っていった。


  「スイ、僕たちも行こう」


スイ「そうだね」


 僕とスイもあとを追って、学園に入った。


 抽選会が行われる会場に行くと、そこにはラルフ先生がいた。


  「あれ?ラルフ先生じゃないですか。こんにちわ」


ラルフ「こんにちわ、ユーマ。そして、スイウェル君とザラフ君もこんにちわ」


スイ「こんにちわ、ラルフ先生」


ザラフ「どうもです」


ラルフ「3人とも、揃ってるね。じゃあ、これから明日の武魔法大会団体戦の組み合わせ抽選会を今からするね。名前を1人ずつ呼ぶから、呼ばれたらこの箱に入っている紙を取り出してくれ。取り出しても、まだ見ないで全員が揃ってから開けるんだ。良いね?」


 3人が肯定の意味を込めて、首を縦に振るとラルフ先生が口を開いた。


ラルフ「では始めるよ。まず、スイウェル君」


スイ「はい!」


 スイは箱の中に手を入れて、1枚の紙を取り出していた。


ラルフ「取ったね。まだ見ちゃダメだよ。じゃあ、次にザラフ君」


ザラフ「ああ」


 ザラフ君もスイと同じように紙を取っていた。


ラルフ「じゃあ最後にユーマ」


  「はい!」


 僕は、箱の中に手を入れて最後に残った1枚を取り出した。


ラルフ「全員取ったね。じゃあ、開けて良いよ。中には番号が書いてあるから、見たらそこに書いてある番号の下に行くんだ」


 ガサガサっと、全員が番号を見た後、黒板に書いてあった番号のところに並んだ。


ラルフ「並んだね。じゃあ、発表するよ。武魔法大会団体戦1回戦、ノズワール帝立学院対イングレア王立学園、フェイルバード王立学園はシードで決勝からの登場になるね」


 引いた番号は僕が1番、ザラフ君が2番、スイが3番と言った形になった。
 初戦から、ノズワール帝立学院を叩けるとは自分ながらついてるなと思った。


ラルフ「では、今日はこれで解散だよ。お疲れさま。明日の試合怪我のないようにお互い全力を出すんだよ」


ユーマ、スイ、ザラフ「「「はい!」」」


 校門前でスイと別れた僕は、念話でルディ、シルフィ、オーグ、フィオさんを呼び出した。


  【ルディ、シルフィ、オーグ、フィオさん。聞こえる?】


ルディ【ユーマ君?聞こえるよ】


シルフィ【ちゃんと聞こえるよ。ユーマ】


オーグ【どうした?ユーマ】


フィオ【何かあったの?ユーマ君】


  【さっき武魔法大会個人戦の組み合わせ抽選があって、僕達イングレア王立学園代表は1回戦でノズワール帝立学院とやることになったからその報告だね】


ルディ【帝国とか〜。いきなりディフェンディングチャンピオンとだね】


  【うん。でも僕は1回戦でノズワール帝立学院と当たれて良かったと思ってるよ】


オーグ【何故だ?】


  【僕たちが3学校の中で1番強い事は揺るぎないけど、舐めてる帝国の奴らに一泡吹かせれるチャンスだと思うんだ。フィオさんもそう思うよね?】


フィオ【そうだね。私は1年の時から代表メンバーに入ってるけど、悔しい負け方してきてるからここで相手をギャフンっと言わせたいかな】


  【ですよね。じゃあ、また明日ね。明日は全力を出し切ろう。まあ、僕が全力を出したら校舎や王都に被害が出そうだから抑えるけどね笑】


 念話の中でも笑いが絶えなかったから、切るのを躊躇ったが、この後行くところがあると言って念話を切った。
 その行きたいところとは、教会だ。


 久しぶりに神達とも話したいと思ったのだ。


 僕は、その足で教会に行き、シスターにお祈りに来たと言って賽銭として銀貨を払い神の間に通してもらった。


 そして、片膝をつき両手を組んで祈ると僕の意識は次第に遠くなった。


 目が覚めると、そこは神界だった。


 いつもにところに転移すると、4人の神がいた。


  「ゼノン、ラム、カーシア、パナミ!久しぶりだね」


ゼノン「おお!ユーマ君か。久しぶりじゃのぉ」


ラム「久しぶり、ユーマ君」


カーシア「久しぶりだなぁ!ユーマ!」


パナミ「ユーマ君、お久しぶりです」


 カーシアは再会出来たことが嬉しかったのか僕の頭を撫でてきた。


ゼノン「ユーマ君、スタンピードでの活躍見ておったぞ。流石じゃったな」


  「ありがとう。従魔やみんなのお陰で勝てたよ」


ラム「魔法も凄かったね。二重詠唱デュアルスペルなんていつ覚えたの?」


  「父さん達と修行してた時だね。まあ、あれはまだ進化させれるし魔法には無限の可能性を感じてるよ」


 みんなで、わいわいお茶を飲みながら話しているとゼノンが不意に真剣な顔をして僕の方に向いた。


ゼノン「ユーマ君や。今から言う事は紛れもない事実じゃ」


  「どうしたんだ?ゼノン」


ゼノン「実はの、ユーマ君が住んでいる国にどうやら魔族がいるようなのじゃ」


  「魔族だって⁉︎」


 魔族というのは、魔法に長けた種族で魔力量も桁違いに多いと聞いたことがある。


  「何人ぐらいいるんだ?」


ゼノン「わしらが見るに今は2人じゃが、もしかするともっと増えるかも知れん」


  「その事を国の王様に伝えても良いか?勿論内密に動いてもらう」


ゼノン「勿論じゃ。ユーマ君なら1人でも倒せると思うが、無理はするでないぞ?」


  「ああ!わかってるよ」


 それからまた暫く話していると、時間が来たようでユーマの体は透け始めていた。


  「もう時間か。ここに来ると楽しいから時間を忘れちゃうな」


ラム「私も楽しかったよ。また来てよね」


  「ああ!また来るよ」


 僕はそう言い、現実世界に意識が戻った。


  (それにしても魔族か。明日陛下に謁見して伝えてみよう)


 僕は、教会を出て家への帰路についた。

「〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く