〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜

ノベルバユーザー327690

第29話〜代表決定〜

第2章 イングレア王立学園編
第29話〜代表決定〜
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 隣国3カ国の王立学園による武魔法大会まであと半年を切り、今日の授業は代表5名の顔合わせと連携などを確認するようだ。


ラルフ「みんなも知っていると思うが、武魔法大会まであと半年を切った。そこで今日は今から代表者5名を発表したあと、その5人は顔合わせ、それ以外の生徒は通常通りの授業となる。代表に決まった5人は今日の昼に校庭で全校生徒にお披露目と壮行式を行う予定だ。これまでで質問のある奴はいるか?」


 みんなが首を横に振った事を確認した先生は、口を開いた。


ラルフ「では、武魔法大会に出る5人の代表者を発表するぞ。まず1年Sクラス、ユーマ・シンフィールド!」


  「はい!がんばります」


ラルフ「続いて1年Sクラス、ルディ・リザベート!」


ルディ「はい!」


ラルフ「続いて1年Sクラス、シルフィ・ホーンベルク!」


シルフィ「はい!みんなの期待に応えますよ」


ラルフ「良い返事だ。続いてまたもや1年Sクラス、アウグスト・テラ・イングレア!」


オーグ「はい!」


ラルフ「そして最後は3年生だ。3年Sクラスのフィオ・ローレンツが最後の代表だ。以上5名はこのあと顔合わせがあるので、この報告が終わったら学園長室に向かうように。後の生徒は僕と通常通り授業だ」


 僕も含めた4人は、先生の言っていた学園長室に向かった。


  学園長室前「コンコン」


オーバン「どうした?」


  「1年Sクラスのユーマ・シンフィールドです。武魔法大会の顔合わせで来ました」


オーバン「お!来たな。入って良いぞ」


  「失礼します」


 学園長室に入ると、学園長であるオーバンと見知らぬ女性が1人座っていた。
 僕たち1年生にはない大人っぽさがある事から、先輩というのが直ぐに分かった。


 この人がラルフ先生の言っていた3年生のフィオさんか。
 自己紹介するのなら僕からだな。


  「武魔法大会に選抜されました1年Sクラスのユーマ・シンフィールドです。よろしくお願いします」


ルディ「同じく1年Sクラスのルディ・リザベートです」


シルフィ「同じく1年Sクラスのシルフィ・ホーンベルクです。よろしくお願いします!」


オーグ「同じく1年Sクラスのアウグストです。オーグとお呼びください。よろしくお願いします」


フィオ「皆さんは初めましてですね。3年Sクラスのフィオ・ローレンツです。以後お見知り置きください。あと私の事はフィオと呼んでください」


オーバン「皆、自己紹介は済んだようだの?」


 みんなが頷いたのを確認した後、学園長は口を開いた。


オーバン「まずは、5人とも選抜メンバー入りおめでとう。もう既にクラス担任の教師から聞いていると思うが、この武魔法大会は毎年この時期に行われていて毎年順位は入れ替わるほど接戦だったがここ2、3年はずっと帝国にあるノズワール帝国学院が優勝している。今年こそは優勝しなければ過激派貴族からの圧力が激しくなり、最悪に場合クーデターが起きるかもしれない。そこに君たちが入学してきたんだ。フィオ君は元々座学も実技も学園一成績が良かった、そして今年の1年生は全員がすごい才能を持ってるときた。これは優勝を狙えるぞと思った。3年生からは批判されるだろうが今回は本気で勝ちを取りに行くメンバーを選出させてもらった」


 学園長は申し訳なさそうに頭を下げてきた。


  「学園長、頭を上げてください。フィオさんの実力はまだ見れてないので、彼女のレベルがどれくらいのものなのかは分かりませんが少なくとも両親である紅銀の大地に鍛えられた僕、ルディ、シルフィ、それにアウグスト殿下がいれば少なくとも優勝争いのトップを走る事はできると思います。なので大船に乗ったつもりでいてください」


オーバン「ありがとう、ユーマ君」


  「フィオさん、後で練習場に来てもらっても良いですか?どれくらいやれるか見たいので」


フィオ「ええ、勿論よ。今回のメンバーだと、ユーマ君がリーダーをやった方が連携取れそうね」


ルディ「ですね。じゃあユーマ君がリーダーって事で。リーダーならみんなの士気を上げるためにもなんか一言言ってよ」


 ルディから無茶振りが来た。
 何というキラーパス!


 某アニメのサッカー選手もびっくりだよ!


  「じゃあ、リーダーとして一言言わせてもらう。このメンバーは強い。過去の先輩たちがどれ程のレベルだったかは知らないけど、このメンバーなら優勝を狙えるはずだ」


 僕はみんなの顔を見ながら言った。
 みんなも僕の言葉に頷きながら聞いてくれている。


 僕は一呼吸おいて、言葉を発した。


  「狙うなら優勝のみ!みんな、絶対優勝するぞ!」


「「「「おお!(うん!)」」」」


 このメンバーなら優勝できるという確信が僕の中にあった。


オーバン「士気も上々のようだな。さて、今日は昼から選抜メンバーの発表会と壮行式が校庭であるから1人づつ簡単に挨拶してもらうから考えておくようにな。では解散してくれ」


「「「「「「「「「「はい!失礼しました。」」」」」」」」」」


 代表に選ばれた僕たちは今日の授業はなしでいいらしく、昼の壮行会まで暇になったので、それぞれのレベルを見ておくために第2訓練場に向かった。


 この学園の敷地は広くて、中でも訓練場の数が多く何と4つもあるのだ。


 学園長に聞いた所、第1と第3は授業で使っているとのことだったので、第2を使わせてもらうことにした。


 使う時は先生に声をかけた後、鍵を受け取り、使う時は扉にある札を使用中に切り替えて鍵をかける事。
 使い終わったら鍵を閉めて、札を使用中から空室に変えてから、鍵を先生に返すという流れだ。


 僕達は、先生に第2訓練場の鍵を借りて、向かった。


 それぞれの訓練場は一つ一つが結構大きく結界も貼ってあることから魔法使いの練習場として重宝されているようだ。


  「さて、第2訓練場に来たわけだでし、お昼まで魔法の練習しますか。一応僕が先生役になってみんなに教えるから剣組と魔法組に分かれてと言いたい所だけどみんな剣も魔法も出来るんだよね。フィオさんは剣と魔法のどっちが得意ですか?」


フィオ「私は純粋な魔法使いよ。ユーマ君達は両方できるの?」


  「ええ、僕はどっちかと言うと魔法の方が得意ですが剣も使えます」


ルディ「私はユーマ君とは反対で魔法も使えるんですけど剣の方が得意ですね」


シルフィ「私も剣や魔法も出来ますけど、1番得意なのは身体能力を活かした拳闘ですね。見て分かる通り狐の獣人なので」


オーグ「私もユーマ程ではないが、剣も魔法も出来ます」


フィオ「はえ〜、みんな凄いんだね」


  「フィオさんは魔法は攻撃系が得意ですか?支援系が得意ですか?」


フィオ「どっちも出来るよ」


  「では、フィオさんは1番後ろでみんなを支援魔法をかけてあげてください。身体能力を上げる魔法を中心に撃てますか?」


フィオ「ええ、任せてちょうだい」


  「フィオさんが1番後ろで、僕はフィオさんの近くで守りながら魔法を撃ちます。もし近づいて来たら剣で倒しますので。シルフィが前、ルディとオーグは状況判断しながら前衛から中衛を頼む。とりあえずはこれで行こう」


 何故配置を決めるかと言うと、武魔法大会には団体戦があるからだ。
 団体戦といっても一斉に戦うわけではなく、各学校がくじ引きをして1回戦をやる学校2校とシードの1校を決めて、1人づつフィールドに出て戦うのだ。先鋒、次鋒、中堅、副将、大将といった感じで進んで先に3勝した方の勝ちだ。


 3勝した方の勝ちといったが、一応大将戦までやるらしい。


  「次に出る順番だけど、何か要望はあるかな?」


フィオ「ううん。ユーマ君が決めて良いよ」


  「じゃあ、オーグが先鋒だな」


オーグ「任せとけ!」


  「んで、次鋒がルディ」


ルディ「オッケーよ」


  「中堅がフィオさん」


フィオ「分かったわ」


  「で、副将がシルフィ」


シルフィ「任せて」


  「最後に大将が僕だ。1回戦と決勝で変えるかもしれないから全員いつでも出れるようにはしておいてね」


「「「「うん!」」」」


 その後も、剣や魔法について昼のチャイムが鳴るまで、訓練は続いた。




 そして、お昼ご飯を食べた後、壮行式をする校庭にみんな出て来た。


オーバン「これより半年後に行われる武魔法大会の壮行式を行う。選抜メンバーはその者が所属するクラス以外には通知されていないと思う。だから皆にとってここが初めてのお披露目となる。では選抜メンバーの5名を発表する。メンバーは名を呼ばれたら順番に出て来なさい。では、1人目は3年Sクラス、フィオ・ローレンツ!」


フィオ「はい!」


 フィオさんは登壇した後、みんなに向かって頭を下げた。


「やっぱりローレンツさんは選ばれるよなぁ。全員3年生なんじゃないか?」


「いや、今年の1年Sクラスの奴らは化け物レベルのやつが揃ってるらしいからそいつらからも選ばれるんじゃないか?」


「アウグスト殿下は選ばれるのでしょうか?」


「選ばれるに決まってるでしょう。あの方が選ばれなかったら、負けるわよ」


「アウグスト殿下より入試の成績が上だった子達も出るなら今年の武魔法大会は3年生はフィオだけね」


オーバン「続いて2人目は1年Sクラス、ユーマ・シンフィールド!」


  「はい!」


 僕もフィオさんに習って、頭を下げた。


オーバン「続いて3人目、1年Sクラス、ルディ・リザベート!」


ルディ「はい!」


 ルディが呼ばれた事で、校庭にいる生徒はざわつき始めていた。


「おい、1年が2人も呼ばれたぞ。まさかこのまま残り2人も1年じゃないだろうな?」


「もしそうだったら批判しようぜ」


「そうだな!上級生を差し置いて1年を選ぶなんて試合を放棄してるようにしか見えない」


オーバン「静粛に!では4人目は1年Sクラス、シルフィ・ホーンベルク!」


シルフィ「はい!」


オーバン「最後の5人目は、またもや1年生だ。1年Sクラス、アウグスト・テラ・イングレア!」


オーグ「はい!」


 フィオさん以外全員1年生ということが分かると辺りは騒然となった。


「おい!1年が4人も出るなんて聞いた事ないぞ!」


「この大会も捨てちまったのか⁉︎」


 オーバンが止める前に、僕は学園長の方を見て頷き、一歩前に出た。


  「今回選抜メンバーに選出、そしてチームリーダーに選ばれた1年Sクラスのユーマ・シンフィールドです。批判されてる先輩方に問いますが自分なら僕達よりも勝てる自信がありますか?僕は要らない下手なプライドを取って上級生を選ぶより、実力を考え勝てるメンバーを選んだ学園長及び先生方を褒めるべきだと思いますよ。ここにいる誰よりも、僕達5人が強いと思ってますし、今回は選ばれませんでしたが1年Sクラスのみんなの方が先輩方より確実に強いです。批判するなら僕が受けますので、試合をして決着をつけましょう。僕は逃げも隠れもしない!もし文句があるなら、みんなにちょっかいを出すのではなく、僕に言ってきてください。以上です!」


オーバン「ユーマ君の言う通りだ。今回は1番勝てるメンバーを選出した。今回は絶対勝ちに行く!」


 司会の先生が、その後もどんどん進めていって、壮行式は恙無く終わった。


 その日の放課後、上級生から絡まれたり勝負を挑まれたりしたが、返り討ちにした。


 僕以外のメンバーには、行ってないようで安心した。


 今から大会が楽しみである。
 僕が出るからには、絶対優勝しかない!

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