〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜

ノベルバユーザー327690

第27話〜夢で会った少女〜

第2章 イングレア王立学園編
第27話〜夢で会った少女〜
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 ある日の夜、僕はうなされていた。
 それはその時見ていた夢に原因があるのだ。


  「ここは・・・何処だ?」


 周りは前後左右何処を見ても真っ白な空間だった。
 地面に足がついている感覚がない、かといって浮いている感覚もない。
 自分が存在しているという感覚すらないが、確かに僕はここにいる。


???「ここが何処かって?それはあなたの夢の中で、私があなたを呼んだのよ?」


  「君が呼んだのかい?」


 聞き覚えがないはずなのに、どこか懐かしさを思い出させてくれる声だった。


???「ええ、そうよ。ずっと呼びかけてたのにここに来てくれなかったから待ちくたびれたよ」


 待たせているのか。
 それは悪いことをしている。
 早く、会わなければ。


???「いいえ、慌てる必要ないわよ」


 さっきと言っていることが違う。


???「だって、もう直ぐ会えるもの」


  「会える・・・のか?」


???「ええ、あなたが自ずから私に会いたいの願っていればね」


  「ちょっ、ちょっと待ってくれ!」


 僕は、自分の声で目が覚めた。
 伸ばされている手とその先にあるのは天井。
 意識を取り戻すためには、少しの時間が必要だった。
 やがて覚醒していく頭。
 何か夢を見ていた気がする。だが、それが何なのか、もう思い出せない。
 何となく懐かしく、とても大切な何かなはずなのに、何も思い出せない。どういう事なのだろうか。


  「君は誰なんだ。教えてくれ……エアリィ」


 極自然に口にした名前。
 エアリィなる人物と、異世界で出会った事など無いのに。僕にとっては、知っているのが当然と思える名前だった。
 僕は、早く君に会いたいよ。




 翌日・・・


  「母さん、シルフィ。おはよ」


サリー「あら、ユーマ君。おはよ」


シルフィ「おはよ、ユーマ」


 朝起きると、台所で母さんとシルフィが朝ごはんを作っていた。


  「母さん、後で話があるんだけど良いかな?」


サリー「ええ、良いわよ。じゃあご飯食べ終わった後にユーマ君のお部屋に行けば良いかしら?」


  「うん、それで大丈夫」


サリー「そろそろご飯できるから、まずは朝ごはんにしましょう。ユーマ君、お父さん起こしてきてくれる?」


  「うん、分かった」


 僕は、父さんを起こした後、みんなで朝ごはんを食べた。


 朝ごはんが終わり、僕は自分の部屋で母さんを待っていた。


サリー「ユーマ君いる?お母さんよ?」


  「うん、いるから入ってきて良いよ」


サリー「それで?私に話したいことって?」


 僕は、今朝夢に見たことを母さんに話した。


  「母さんは精霊についてはもちろん知ってるよね?」


サリー「勿論知っているわよ。基本属性である4属性にそれぞれ司っている精霊のことでしょ?火のイフリート、水のウンディーネ、風のエアリアル、土のノーム」


 そう、今母さんが言った4体の精霊はそれぞれ火、水、風、土と言った基本属性を司っているのだ。


  「実は今日夢で、ある1人の少女の声が聞こえたんだ」


サリー「少女の声?」


  「うん、夢の中でその子は僕の事をずっと待ってたって言ってた」


サリー「その子ってまさか?」


  「流石、母さんは察しがいいね。そうだよ、夢に出てきたのは風の精霊であるエアリアルだよ」


サリー「精霊が夢に出てくるって事はその子に興味があるって事なのよ。という事はユーマ君は精霊にも好かれやすい魔力をしているって事ね」


  「それに、もう直ぐ会えるって言ってたし、会うのが楽しみだよ」


サリー「ユーマ君の従魔がどんどん増えていくわね。ただ精霊は他の従魔と契約方法が違ってて、精霊は精霊でちゃんと精霊契約という特別な契約があるの。だから精霊は従魔とは違う位置づけになるのよね」


  「そうなの?因みに精霊契約の詠唱文は?」


サリー「私も精霊と契約しているわけじゃないからわからないけど、もしかしたらこの国の王妃様なら知っているかもね。あの人は精霊魔法を得意にしていたはずだから。精霊と言っても、4属性を司っているのは上位精霊と言って特別な子達なんだけど、それ以外にもちゃんと属性精霊達はいるわ。王妃様はその属性精霊の子達と契約しているからもしかしたら何か分かるかもしれないわね」


  「エリーゼさんが?じゃあ今度、王城に行って聞いてみるよ」


サリー「ユーマ君ってもうエリーゼと会ってるの?」


  「うん、昨日王城に行った時に王妃様と王女様であるシャルにも会ったよ」


サリー「エリーゼさんとかシャルって言ってるけど、本人達が許可したの?」


  「うん、王妃様って呼ばれるの嫌いらしいからエリーゼと呼んでくださいって。そしたらシャルロッテ様もシャルで良いって言ってきたから僕もユーマで良いよって言ってお互い呼び捨てで呼んでるよ。シャルに関しては、タメ口でいいって言うから公の場ではそうはいかないけどプライベートならって事でタメ口でも話してるよ」


サリー「ユーマ君の周りは凄い人が集まってくるわね」


 今日と明日は学園が休みなので、今日はルディやシルフィと遊んで明日はシャルの稽古付けだな。


 忙しくなりそうだ。
 明日王城に行くから、その時にエリーゼさんに精霊について聞いてみよう。

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