〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜
第20話〜2人への告白とプロポーズ〜
第1章 異世界転生編
第20話〜2人への告白とプロポーズ〜
...
...
ギルドに登録して数日経ち、僕達は1ヶ月後に迫った王都にあるイングレア王立学園に入学するための試験を受ける準備をしていた。
入学試験の内容は主に2つだ。
まず1つ目は、学科試験である。
学科試験では、このアスタリスクの歴史や計算問題、魔法の詠唱や魔法理論に至るまで、範囲が幅広い。
そして2つ目が、実技試験である。
これは試験が2段階に分けられていて、まず個人で受ける試験でそこに合格すると次の対人試験に臨める。そしてその対人試験で勝って初めて王立学園に入学できるというものだ。
王立学園に入学できるのは、10歳以上の者であるため、シルフィも受ける事ができる。
僕は、王立学園に入学する前にどうしてもルディとシルフィに伝えておきたい事があった。
だから僕は今、ある店で買い物をしている。
それはルディやシルフィとの事に関係するとても大切な物だ。
ルディ「どうしたの、ユーマくん。行き成り呼び出すなんて」
今僕は、家から少し離れた高台にルディと一緒にいる。
従魔達は家で留守番させている。
「ルディ、遂に冒険者になれたね」
ルディ「そうだね」
「そして1ヶ月後には、イングレア王立学園の入学試験を3人で受ける」
僕達はその思いに共感しながらも、言葉を続けた。
「僕はね、ルディやシルフィが隣にいたから、ここまで来れたんだ。そしてこれからも、ルディやシルフィと一緒なら、何処までも行けると思う」
これは紛れもない僕の心からの本心だ。
僕がこれまで頑張ってこれたのは、2人が傍にいたから。
彼女達がいればこれからもいかなる困難が襲ってきても、きっと乗り越える超える事が出来る、そう信じる事が出来る。
ルディ「あたしもよ。ユーマくんが隣にいてくれるから、悲しい時も怖い時も笑顔で乗り越えられるの。だから、ユーマ君があたしの幼馴染で、本当に良かったと思ってる」
ルディはそう言って、僕を見つめている。
彼女の大きくそれで綺麗な瞳を見ていると、思わず吸い寄せられそうになる。
そんな感覚を振り払いながらも、僕はこの想いを彼女に告げた。
「ルディ、僕は……君が好きだ。小さい時から、ずっと君が好きだった」
遂に……遂にこの言葉を言う事が出来た。
告白を……。
そう、僕は彼女に惹かれていたんだ。
身体が成長して、女の人に反応する様になってから、ルディを見てると凄く胸が締め付けられる様な感覚がしていた。
後から、これが恋だと知った。
前世では年齢=恋人がいない歴だった。
恋自体は、前世で幼馴染である夏織に恋をしていたが告白できないまま、僕が死んでしまった為告白は今回が初めてだ。
そして遂に、僕はこの気持ちを彼女に打ち明ける事が出来た。
そう思いながらルディを見ると、彼女は涙を流していた。
そして口に手を当てて泣きながらこう言った。
ルディ「「嬉しい……あたしもよ……ユーマくん何時もあたしに優しくて、あたしの世話を焼いてくれて、そんなお兄ちゃんみたいな眼差しをしているユーマくんが……あたしも好きだった。だから、そんな大好きなユーマくんが好きだと言ってくれて、あたし、嬉しくて、涙が止まらない……」
そうだったのか、ルディも僕を……。
しかも、その口振りからすると、彼女はかなり前から僕の事が好きだったと考える事も出来る。
そう思いながらも、僕はもう一つの勇気を出して、懐からあ・る・物・を取り出した。
それは……
「ユーマくん、それって……」
僕が出したのは、青色の宝石が埋め込まれたペンダントだった。
「告白の後で急だと思うけど、ルディ・リザベートさん、僕と……僕と……結婚してください」
その言葉に、ルディは一瞬目を見開いたが、すぐに満面な笑顔になって返事をした。
「……はい、喜んで……」
地球では結婚を申し込む時は指輪を送るけど、この世界では、結婚を申し込む時には宝石を付けたペンダントを渡す風習がある。
僕はルディの後ろに回り、ペンダントを付けてあげた。
ルディ「ユーマくんに告白してもらった上に、プロポーズまでされるなんて……嬉しくてどうにかなっちゃいそう……」
ルディは涙を流しながら振り向き、僕に抱き着いてきた。
僕も彼女を抱きしめ返した。
そして、僕達は顔を合わせ、ゆっくりと唇と唇が近づいていき、それが触れ合って僕達は幸せなキスを交わした。
それから暫くの間、抱き合いながらも沈黙が続いていたが、ルディが口を開いた。
ルディ「ユーマ君、シルフィはどうするの?この国では、貴族も平民も一夫多妻が認められてるんでしょ?」
恐らくルディは僕がシルフィの事が、ルディと同じくらい好きだと気付いてる。
だから、婚約者になってくれた彼女には真っ先に伝えなきゃいけない。
「この後、家に帰ったら僕の部屋で告白とプロポーズするよ。ルディは僕がシルフィにプロポーズするって聞いて反対するかい?」
ルディ「ううん、反対なんかしないよ。ユーマ君が私と同じくらいシルフィの事好きなの気付いてたから。それにシルフィとなら3人で仲良く暮らせそうだしね」
彼女は、今までの中で1番の笑顔でそう答えた。
「ありがとう、ルディ。シルフィにもプロポーズしたら、父さん達に報告するから僕が念話を飛ばしたら家に来てよ。勿論ユリウスさんとエイナさんも連れてきてね。僕が言うから、ルディは内緒にしててね」
ルディ「うん、分かった。貰ったペンダントは一旦隠しておくわね」
「ありがとう」
そうして僕達は、また抱きつきキスをした後、お互いの家に一旦帰宅した。
家に帰って、自分の部屋に入った僕は、シルフィを待っていた。
シルフィ「お呼びだと伺いしました。どうされましたか?ユーマ様」
シルフィはいつもと同じように微笑みながらそう聞いてきた。
「シルフィ、1つ聞きたいことがあるんだけど」
シルフィ「はい。何でございましょう」
「シルフィは僕の事、どう思ってる?」
シルフィ「ユーマ様の事は、とてもお慕いしております。呪われていると言われていた白狐の私をメイドにしていただいただけでなく、冒険者パーティーに入れていただき、本当に感謝しております。では私からも良いですか?」
「うん、良いよ」
シルフィ「ありがとうございます。逆にユーマ様は私の事どう思ってますか?」
まさか、シルフィの方からも聞いてくるとは意外だったが、その瞳を真っ直ぐに見つめて答えた。
ルディにプロポーズした時と同じ言葉を。
「シルフィ、僕は・・・君のことが好きだ。メイドと主人といった関係ではなくて、1人の女の子としてずっとシルフィの事が好きだ」
そう言うと、シルフィは涙を流しながら頷いてくれた。
シルフィ「嬉しいです...私もユーマ様のことが好きです。何時も皆様に優しい、そんなユーマ様が……私も好きでした。だから、そんな大好きなユーマ様が好きだと言って下さって、私も、嬉しくて、涙が止まらないです」
そうか、シルフィも僕のことを好きだったのか。
それはかなり嬉しいな。
そして僕は、懐にいれていた1つの箱を取り出した。
僕が出したのは、白色の宝石が埋め込まれたペンダントだった。
勿論ルディに渡したのとは違う色だ。
シルフィ「ユーマ様、それは?」
「告白した後で、急かもしれないけど、シルフィ...いや、シルフィ・ホーンベルクさん。僕と結婚してください!」
その言葉に、シルフィは一瞬目を見開いたが、すぐに満面な笑顔になって返事をした。
シルフィ「はい、喜んで……」
こうして僕は、今日の日を持って、婚約者が2人もできたのであった。
シルフィにも確認しておかないことが1つある。
「シルフィ、1つ良い?」
シルフィ「はい、何でしょう」
「この国では、貴族も平民も一夫多妻が認められてる事は知ってるよね?」
シルフィ「はい。存じておりますよ」
「それで何だけど、実はお昼過ぎたぐらいのとこで、ルディにも告白してプロポーズもしたんだ」
シルフィ「そうなんですか⁉︎おめでとうございます」
「寂しがらないの?私1人にしてくださいよとかって」
シルフィ「恐らくルディ様も同じ事を言っておられるかもしれませんが、私からも言わせてもらいます。勿論、反対なんかしません。ユーマ様が私と同じくらいルディ様の事好きなの気付いておりましたから。それにルディ様となら3人で仲良く暮らせそうですし」
「ははっ。全く同じ回答だね笑」
シルフィ「でしょう。だから3人で仲良く暮らしていきましょう」
「だね!」
シルフィと抱き合った後、お互い何も言う事なくキスをした。
シルフィに告白した後、僕はルディに念話を飛ばした。
【ルディ、聞こえるかい?ユーマだよ】
ルディ【ユーマ君?聞こえるよ】
【今、シルフィに告白してプロポーズもした。OKも貰ったから、ユリウスさんとエイナさんを連れて家に来てくれるかい?】
ルディ【おめでと!うん、わかった。今から行くね】
そう言うと、念話は途切れた。
因みにこの念話は便利で、話したい人を思い浮かべるだけで、その人とだけ繋がることができる優れ物なのだ。
距離も関係なく、どれだけ離れていても話せるものだ。
とはいえ自分達の従魔のレベルであれば、入ってきそうだが、実際は来なかった。
恐らく気を使っているのだろう。
それから数分後、家にルディ、ユリウスさん、エイナさんが来た。
因みに僕の両親にはルディがユリウスさん達を連れてくるとだけ伝えてある。
そして家族みんなが、リビングに集まった所で、僕が口を開いた。
「まずは、ユリウスさん、エイナさん、こんな夜遅くに来てくれてありがとうございます」
ユリウス「いやぁ、ユーマ君の頼みなら聞くよ」
エイナ「皆んなを集めてじゃないと話せない内容なのかしら?」
「うん、みんなに聞いてもらいたいんだ」
僕は2度深呼吸すると、意を決して口を開いた。
「僕の隣にいるルディ・リザベートさんとシルフィ・ホーンベルクさんに先程告白してプロポーズもしました。ユリウスさん、エイナさん、ルディとのお付き合い、そして結婚を認めてください。そして、父さんと母さん、シルフィと結婚させてください。お願いします」
僕は土下座をするような勢いで頭を下げた。
ユリウス「……ユーマくん……」
ユリウスさんはそう呼びながら、ゆっくりと近づいてきた。
これは殴られるかな……。
ユリウスさんは僕の事を甥っ子同然だと言ってくれたが、自分の愛娘をお嫁さんに下さいと言われるのは話が別かもしれない。
そう思った瞬間……
ユリウス「ありがとう、ユーマくん!!」
突然ユリウスさんに抱き着かれた。
ナニコレ……。
「よかったわね、ルディ。初恋の相手と一緒になれるなんて」
「うん、ママ!」
エイナさんは満面の笑顔でそう言い、ルディも負けないくらいの笑顔で答えている。
「あのユリウスさん、怒ったりしないんですか?」
「なんで怒るんだい?」
彼はそんな事を真顔で聞いてきた。
「だって、自分の娘が嫁に行くなんて、普通なら相手を殴ったりとか、『うちの娘はやらん!!』とか言われるんじゃないかと思うんです」
「う~ん……確かに普通ならそうすると思うけど、ユーマくんなら寧ろ嬉しいよ。だって、自分の娘を任せられる様な男は、他に知らないからね。今後も知る必要はないし」
彼の言葉が嬉しかった。
僕は、それほどの信頼を得ていたんだ。
ブライト「凄いな、ユーマ。まさか、プロポーズまでして来るなんてな」
サリー「ほんとに……あんなに可愛かった子供が結婚まで……お母さんとても嬉しいわ……」
父さんと母さんも喜んでいる。
母さんなんか嬉しい余り、ハンカチで目元を抑えている。
ブライト「勿論シルフィとの結婚も認めてるぞ!」
「でも、僕達は結婚はまだ当分先にして、その間は婚約という形にします」
ブライト「それがいいな。俺達は14歳くらいの時に、サリー達にプロポーズしていたんだ。それに、婚約になっていれば、周りの女性も言い寄ってきづらくなるから、旅をするならいい環境になる」
ブライト「では、ユーマ、ルディちゃん、シルフィ、婚約おめでとう」
「「「おめでとう」」」
「ありがとう」
ルディ「ありがとう!」
シルフィ「ありがとうございます!」
こうして、僕に可愛い婚約者が2人も出来た。
1人はずっと一緒にいる幼馴染で、もう1人は僕がお世話になっている専属のメイドだ。
そしてその日は、僕とルディとシルフィの婚約を祝って、盛大なパーティーが開かれた。
それはまるで、僕達3人のこれからの未来を明るく照らしてくれる様だった。
第20話〜2人への告白とプロポーズ〜
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...
ギルドに登録して数日経ち、僕達は1ヶ月後に迫った王都にあるイングレア王立学園に入学するための試験を受ける準備をしていた。
入学試験の内容は主に2つだ。
まず1つ目は、学科試験である。
学科試験では、このアスタリスクの歴史や計算問題、魔法の詠唱や魔法理論に至るまで、範囲が幅広い。
そして2つ目が、実技試験である。
これは試験が2段階に分けられていて、まず個人で受ける試験でそこに合格すると次の対人試験に臨める。そしてその対人試験で勝って初めて王立学園に入学できるというものだ。
王立学園に入学できるのは、10歳以上の者であるため、シルフィも受ける事ができる。
僕は、王立学園に入学する前にどうしてもルディとシルフィに伝えておきたい事があった。
だから僕は今、ある店で買い物をしている。
それはルディやシルフィとの事に関係するとても大切な物だ。
ルディ「どうしたの、ユーマくん。行き成り呼び出すなんて」
今僕は、家から少し離れた高台にルディと一緒にいる。
従魔達は家で留守番させている。
「ルディ、遂に冒険者になれたね」
ルディ「そうだね」
「そして1ヶ月後には、イングレア王立学園の入学試験を3人で受ける」
僕達はその思いに共感しながらも、言葉を続けた。
「僕はね、ルディやシルフィが隣にいたから、ここまで来れたんだ。そしてこれからも、ルディやシルフィと一緒なら、何処までも行けると思う」
これは紛れもない僕の心からの本心だ。
僕がこれまで頑張ってこれたのは、2人が傍にいたから。
彼女達がいればこれからもいかなる困難が襲ってきても、きっと乗り越える超える事が出来る、そう信じる事が出来る。
ルディ「あたしもよ。ユーマくんが隣にいてくれるから、悲しい時も怖い時も笑顔で乗り越えられるの。だから、ユーマ君があたしの幼馴染で、本当に良かったと思ってる」
ルディはそう言って、僕を見つめている。
彼女の大きくそれで綺麗な瞳を見ていると、思わず吸い寄せられそうになる。
そんな感覚を振り払いながらも、僕はこの想いを彼女に告げた。
「ルディ、僕は……君が好きだ。小さい時から、ずっと君が好きだった」
遂に……遂にこの言葉を言う事が出来た。
告白を……。
そう、僕は彼女に惹かれていたんだ。
身体が成長して、女の人に反応する様になってから、ルディを見てると凄く胸が締め付けられる様な感覚がしていた。
後から、これが恋だと知った。
前世では年齢=恋人がいない歴だった。
恋自体は、前世で幼馴染である夏織に恋をしていたが告白できないまま、僕が死んでしまった為告白は今回が初めてだ。
そして遂に、僕はこの気持ちを彼女に打ち明ける事が出来た。
そう思いながらルディを見ると、彼女は涙を流していた。
そして口に手を当てて泣きながらこう言った。
ルディ「「嬉しい……あたしもよ……ユーマくん何時もあたしに優しくて、あたしの世話を焼いてくれて、そんなお兄ちゃんみたいな眼差しをしているユーマくんが……あたしも好きだった。だから、そんな大好きなユーマくんが好きだと言ってくれて、あたし、嬉しくて、涙が止まらない……」
そうだったのか、ルディも僕を……。
しかも、その口振りからすると、彼女はかなり前から僕の事が好きだったと考える事も出来る。
そう思いながらも、僕はもう一つの勇気を出して、懐からあ・る・物・を取り出した。
それは……
「ユーマくん、それって……」
僕が出したのは、青色の宝石が埋め込まれたペンダントだった。
「告白の後で急だと思うけど、ルディ・リザベートさん、僕と……僕と……結婚してください」
その言葉に、ルディは一瞬目を見開いたが、すぐに満面な笑顔になって返事をした。
「……はい、喜んで……」
地球では結婚を申し込む時は指輪を送るけど、この世界では、結婚を申し込む時には宝石を付けたペンダントを渡す風習がある。
僕はルディの後ろに回り、ペンダントを付けてあげた。
ルディ「ユーマくんに告白してもらった上に、プロポーズまでされるなんて……嬉しくてどうにかなっちゃいそう……」
ルディは涙を流しながら振り向き、僕に抱き着いてきた。
僕も彼女を抱きしめ返した。
そして、僕達は顔を合わせ、ゆっくりと唇と唇が近づいていき、それが触れ合って僕達は幸せなキスを交わした。
それから暫くの間、抱き合いながらも沈黙が続いていたが、ルディが口を開いた。
ルディ「ユーマ君、シルフィはどうするの?この国では、貴族も平民も一夫多妻が認められてるんでしょ?」
恐らくルディは僕がシルフィの事が、ルディと同じくらい好きだと気付いてる。
だから、婚約者になってくれた彼女には真っ先に伝えなきゃいけない。
「この後、家に帰ったら僕の部屋で告白とプロポーズするよ。ルディは僕がシルフィにプロポーズするって聞いて反対するかい?」
ルディ「ううん、反対なんかしないよ。ユーマ君が私と同じくらいシルフィの事好きなの気付いてたから。それにシルフィとなら3人で仲良く暮らせそうだしね」
彼女は、今までの中で1番の笑顔でそう答えた。
「ありがとう、ルディ。シルフィにもプロポーズしたら、父さん達に報告するから僕が念話を飛ばしたら家に来てよ。勿論ユリウスさんとエイナさんも連れてきてね。僕が言うから、ルディは内緒にしててね」
ルディ「うん、分かった。貰ったペンダントは一旦隠しておくわね」
「ありがとう」
そうして僕達は、また抱きつきキスをした後、お互いの家に一旦帰宅した。
家に帰って、自分の部屋に入った僕は、シルフィを待っていた。
シルフィ「お呼びだと伺いしました。どうされましたか?ユーマ様」
シルフィはいつもと同じように微笑みながらそう聞いてきた。
「シルフィ、1つ聞きたいことがあるんだけど」
シルフィ「はい。何でございましょう」
「シルフィは僕の事、どう思ってる?」
シルフィ「ユーマ様の事は、とてもお慕いしております。呪われていると言われていた白狐の私をメイドにしていただいただけでなく、冒険者パーティーに入れていただき、本当に感謝しております。では私からも良いですか?」
「うん、良いよ」
シルフィ「ありがとうございます。逆にユーマ様は私の事どう思ってますか?」
まさか、シルフィの方からも聞いてくるとは意外だったが、その瞳を真っ直ぐに見つめて答えた。
ルディにプロポーズした時と同じ言葉を。
「シルフィ、僕は・・・君のことが好きだ。メイドと主人といった関係ではなくて、1人の女の子としてずっとシルフィの事が好きだ」
そう言うと、シルフィは涙を流しながら頷いてくれた。
シルフィ「嬉しいです...私もユーマ様のことが好きです。何時も皆様に優しい、そんなユーマ様が……私も好きでした。だから、そんな大好きなユーマ様が好きだと言って下さって、私も、嬉しくて、涙が止まらないです」
そうか、シルフィも僕のことを好きだったのか。
それはかなり嬉しいな。
そして僕は、懐にいれていた1つの箱を取り出した。
僕が出したのは、白色の宝石が埋め込まれたペンダントだった。
勿論ルディに渡したのとは違う色だ。
シルフィ「ユーマ様、それは?」
「告白した後で、急かもしれないけど、シルフィ...いや、シルフィ・ホーンベルクさん。僕と結婚してください!」
その言葉に、シルフィは一瞬目を見開いたが、すぐに満面な笑顔になって返事をした。
シルフィ「はい、喜んで……」
こうして僕は、今日の日を持って、婚約者が2人もできたのであった。
シルフィにも確認しておかないことが1つある。
「シルフィ、1つ良い?」
シルフィ「はい、何でしょう」
「この国では、貴族も平民も一夫多妻が認められてる事は知ってるよね?」
シルフィ「はい。存じておりますよ」
「それで何だけど、実はお昼過ぎたぐらいのとこで、ルディにも告白してプロポーズもしたんだ」
シルフィ「そうなんですか⁉︎おめでとうございます」
「寂しがらないの?私1人にしてくださいよとかって」
シルフィ「恐らくルディ様も同じ事を言っておられるかもしれませんが、私からも言わせてもらいます。勿論、反対なんかしません。ユーマ様が私と同じくらいルディ様の事好きなの気付いておりましたから。それにルディ様となら3人で仲良く暮らせそうですし」
「ははっ。全く同じ回答だね笑」
シルフィ「でしょう。だから3人で仲良く暮らしていきましょう」
「だね!」
シルフィと抱き合った後、お互い何も言う事なくキスをした。
シルフィに告白した後、僕はルディに念話を飛ばした。
【ルディ、聞こえるかい?ユーマだよ】
ルディ【ユーマ君?聞こえるよ】
【今、シルフィに告白してプロポーズもした。OKも貰ったから、ユリウスさんとエイナさんを連れて家に来てくれるかい?】
ルディ【おめでと!うん、わかった。今から行くね】
そう言うと、念話は途切れた。
因みにこの念話は便利で、話したい人を思い浮かべるだけで、その人とだけ繋がることができる優れ物なのだ。
距離も関係なく、どれだけ離れていても話せるものだ。
とはいえ自分達の従魔のレベルであれば、入ってきそうだが、実際は来なかった。
恐らく気を使っているのだろう。
それから数分後、家にルディ、ユリウスさん、エイナさんが来た。
因みに僕の両親にはルディがユリウスさん達を連れてくるとだけ伝えてある。
そして家族みんなが、リビングに集まった所で、僕が口を開いた。
「まずは、ユリウスさん、エイナさん、こんな夜遅くに来てくれてありがとうございます」
ユリウス「いやぁ、ユーマ君の頼みなら聞くよ」
エイナ「皆んなを集めてじゃないと話せない内容なのかしら?」
「うん、みんなに聞いてもらいたいんだ」
僕は2度深呼吸すると、意を決して口を開いた。
「僕の隣にいるルディ・リザベートさんとシルフィ・ホーンベルクさんに先程告白してプロポーズもしました。ユリウスさん、エイナさん、ルディとのお付き合い、そして結婚を認めてください。そして、父さんと母さん、シルフィと結婚させてください。お願いします」
僕は土下座をするような勢いで頭を下げた。
ユリウス「……ユーマくん……」
ユリウスさんはそう呼びながら、ゆっくりと近づいてきた。
これは殴られるかな……。
ユリウスさんは僕の事を甥っ子同然だと言ってくれたが、自分の愛娘をお嫁さんに下さいと言われるのは話が別かもしれない。
そう思った瞬間……
ユリウス「ありがとう、ユーマくん!!」
突然ユリウスさんに抱き着かれた。
ナニコレ……。
「よかったわね、ルディ。初恋の相手と一緒になれるなんて」
「うん、ママ!」
エイナさんは満面の笑顔でそう言い、ルディも負けないくらいの笑顔で答えている。
「あのユリウスさん、怒ったりしないんですか?」
「なんで怒るんだい?」
彼はそんな事を真顔で聞いてきた。
「だって、自分の娘が嫁に行くなんて、普通なら相手を殴ったりとか、『うちの娘はやらん!!』とか言われるんじゃないかと思うんです」
「う~ん……確かに普通ならそうすると思うけど、ユーマくんなら寧ろ嬉しいよ。だって、自分の娘を任せられる様な男は、他に知らないからね。今後も知る必要はないし」
彼の言葉が嬉しかった。
僕は、それほどの信頼を得ていたんだ。
ブライト「凄いな、ユーマ。まさか、プロポーズまでして来るなんてな」
サリー「ほんとに……あんなに可愛かった子供が結婚まで……お母さんとても嬉しいわ……」
父さんと母さんも喜んでいる。
母さんなんか嬉しい余り、ハンカチで目元を抑えている。
ブライト「勿論シルフィとの結婚も認めてるぞ!」
「でも、僕達は結婚はまだ当分先にして、その間は婚約という形にします」
ブライト「それがいいな。俺達は14歳くらいの時に、サリー達にプロポーズしていたんだ。それに、婚約になっていれば、周りの女性も言い寄ってきづらくなるから、旅をするならいい環境になる」
ブライト「では、ユーマ、ルディちゃん、シルフィ、婚約おめでとう」
「「「おめでとう」」」
「ありがとう」
ルディ「ありがとう!」
シルフィ「ありがとうございます!」
こうして、僕に可愛い婚約者が2人も出来た。
1人はずっと一緒にいる幼馴染で、もう1人は僕がお世話になっている専属のメイドだ。
そしてその日は、僕とルディとシルフィの婚約を祝って、盛大なパーティーが開かれた。
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