〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜

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第18話〜初めてのギルド〜

第1章 異世界転生編
第18話〜初めてのギルド〜
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 初めての実戦から2日経ち、今僕とルディは、父さんやユリウスさん、そしてそれぞれの従魔達を連れて、冒険者ギルドに向かってる。
 一昨日の戦闘による魔物の討伐の報告と、魔石と素材の換金をする為だ。
 ギルドでは魔物の素材の買取もしているらしく、今回狩った魔物達の素材を売ってしまおうと父さんが提案したのだ。


 なお、オークやホーンラビットの肉はそのまま家に持ち帰って保管されている。
 魔物の肉は、人々の食料として利用されていて、ランクが高いほどその肉は美味しくなる。
 オークはDランクだが、その肉はBランク並みの旨味があり、オークの肉は味、値段共に一般人にも需要が高い。


 暫く王都を歩いていると、一際大きな建物の前に着いた。


ブライト「着いたぞ。ここが冒険者ギルドだ」


 父さん達に続いて中に入ると、中は多くの冒険者達で賑わっていた。
 ギルドの中は入って右側に大きな掲示板がいくつかあって、それに紙が何枚も張られていて、冒険者達がその紙を見ては剥がして中央の奥にあるカウンターへ持って行ってる。
 左側には大きめのテーブルがいくつもあり、冒険者達はそこで料理を食べたり、お酒を飲んでいる。


 父さん達について行ってカウンターに行くと、受付嬢のお姉さんが営業スマイルで迎えた。


エミリア「こんにちわ。今日もギルドをご利用くださり、ありがとうございます」


ブライト「冒険者パーティー、紅銀の大地のブライトとユリウスです。今日は、魔物の討伐の報告と、魔石と素材の換金に来ました」


エミリア「これは、紅銀の大地の方でしたか。では、討伐した魔物を出してくれますか?」


 今の会話を聞いた周りの冒険者達がざわつき始めた。


「おい、紅銀の大地だってよ」


「じゃあ、あの2人のガキはブライトとユリウスの子供かよ」


「という事は、国王が後ろ盾になってるっていうガキじゃねえか」


 そんな会話がちらほらと聞こえてきた。


ブライト「それなんですが、ちょっと討伐した数が多いので、ギルドの解体部屋で行えませんか?」


 父さん達はそんな会話をよそに、淡々と話しを進めていた。


エミリア「畏まりました。係の人を呼びますので、少々お待ちください」


 そういって受付嬢のお姉さんは、奥の方へと姿を消した。
 少しして、男性の職員を連れてお姉さんが戻ってきた。
 その職員は耳が尖っていた美形のお兄さんだった。
 エルフの様だ。


コラン「お待たせいたしました。鑑定を担当します、エルフのコランと言います。では、こちらにどうぞ」


 コランと名乗ったエルフの男性に連れられて、僕達は一つの部屋に入った。


コラン「それでは、魔物の証明部位と、魔石と素材をお願いします」


ブライト「はい。さっ、ユーマ、出しなさい」


 その指示に従って、僕はアイテムボックスから昨日倒した魔物の証明部位と魔石、素材を出した。


コラン「こっ……これはっ……とんでもない数ですね……そこの男の子が出したという事は、もしやそちらの子供達がこの数の魔物を倒したんですか?」


 ロランさんは引き攣った笑顔で、尋ねてきた。


ユリウス「そうです。俺達は今、ウチの子供達に冒険者になる為の修業を付けてまして、昨日初の実戦に駆り出したんです。それまでは俺達が稽古を付けたからかかなりの強さを身につけて、結果、この討伐記録を生んだんです」


コラン「成程、見た所、グリーンウルフやオーク、ソルジャーアントもいますが、これらは全て子供達だけでやったんですか?」


ユリウス「ええ。ですが途中からは2人の従魔も参加してやりました」


コラン「分かりました。では、鑑定に入ります」


 コランさんはそう言って、魔物の証明部位と魔石、素材を見て鑑定を始めた。
 20分程して、鑑定が終わったと知らせた。


コラン「お待たせしました。では鑑定の結果を言います。まず、スライムが1匹銅貨2枚でそれが50匹いますので、大銅貨10枚、ホーンラビットが1羽銅貨3枚で30匹なので、大銅貨9枚、グリーンウルフが1匹銀貨3枚で20匹なので、大銀貨6枚、オークが1匹銀貨5枚で5匹なので、大銀貨2枚と銀貨5枚、ソルジャーアントが1匹銀貨2枚で30匹なので、大銀貨6枚ですね。合わせまして、金貨1枚、大銀貨4枚、銀貨6枚、大銅貨9枚になります。魔石や核が入りまして、スライムが大銅貨35枚、ホーンラビットが銀貨6枚、グリーンウルフが大銀貨6枚、オークが大銀貨2枚と銀貨5枚、ソルジャーアントが大銀貨6枚です。魔物の報酬と合わせまして、金貨3枚、大銀貨1枚、銀貨1枚、大銅貨4枚になりました。それに各魔物の素材込みで、追加で金貨4枚、大銀貨8枚、銀貨4枚、大銅貨7枚ですので、全て合わせまして金貨7枚、大銀貨9枚、銀貨6枚、大銅貨1枚となります」


 鑑定の結果は凄かった。
 全額を日本円に換算すると、796万1000円となった。
 これははっきり言って、昨日やりすぎたな。
 だって、前世でも年の給料でここまで稼げなかったから。
 冒険者って、成功すればかなり稼げるようだ。


コランさんは、硬貨の入った袋をお父さんに渡した。


コラン「本日はありがとうございました。また魔物を討伐した時はお願いします」


 僕達は目的を果たしたので、ギルドを後にした。
 少し歩いて路地裏に入ると、父さんがさっきの袋を僕に差し出してきた。


ブライト「ユーマ、このお金はお前達が倒した魔物のだ。だから、お前達が持つべきだ」


  「でも、僕達はまだ子供だよ。こんな大金を持たせていい訳ないと思うよ」


ブライト「大丈夫だ。お前は前世では大人で、自立していたんだろう?なら、お金のやりくりは出来る筈だ。それに、お前達はいずれこの国を旅立つ。このお金は、その時の資金にすればいい。今の内から、資金を稼いでおけば、後で必ず役に立つ」


 父さんは僕の前世の事を視野に入れて、この結論を出したようだ。
 そう言われたら、僕に断る選択肢はない。


  「分かったよ、お父さん。このお金は、僕達の今後の資金に活用するよ」


ブライト「それで良いんだ」


 僕は満足そうに頷いた父さんから袋を受け取った。
 中身が金や銀でできた硬貨の所為で重かったが、すぐにアイテムボックスに入れたから、その重さから解放された。
 でも、今のが昨日僕達が狩った魔物達の命の重みだったんだ。
 その重みを僕はしっかりと心に刻んだ。


 こうして、僕達の初の実戦の全過程が終わり、それからは定期的に魔物との実戦を行い、ルディやシルフィとの連携やリムル達の強さを確認する日々が過ぎた。


 そして2年の時が流れ、僕達はついに冒険者登録が出来る10歳になった。

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