〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜

ノベルバユーザー327690

第16話〜実戦訓練開始〜

第1章 異世界転生編
第16話〜実戦訓練開始〜
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 いよいよ今日僕達の修行は魔物との実戦訓練に入る。


 ゼノン達に会ったことにより、悩みがなくなり吹っ切れた僕は寝間着から普段着に着替えた。


ルクス【おはようございます、主よ】


リムル【おはよう、ユーマ】


  「ルクスもリムルもおはよう。さて行こうか」


 リムルは最初僕の事を様付けして敬語で話していたけど、僕が呼び捨てとタメ口を許可したことからフレンドリーになった。
 こっちの方が仲良く出来そうだしね。


 こうして僕は従魔2匹と、家族のいるリビングに向かった。


ブライト「おはよう、ユーマ」


サリー「おはよう、ユーマ君。今朝ご飯できるからもうちょっと待ってね」


  「おはよう、父さん、母さん」


 挨拶を終え、朝食を食べて片付けが終わった後、僕はリムルを頭の上に乗せて家を出た。
 因みにルクスは僕の隣にいる。


ルディ「おはよう、ユーマ君!」


 ルディが挨拶をしながら抱きついてきた。
 これもいつも通りだ。
 足元にはクリスもいる。


  「おはよう、ルディ。クリスもおはよう」


クリス「クルクルゥ」


 クリスも僕の足元に来て、顔を擦り寄せてきた。
 これが彼なりの挨拶なのだ。


シルフィ「ユーマ様、ルディ様、おはようございます」


 少ししたら、シルフィも出てきた。


  「シルフィ、おはよう」


ルディ「おはよ、シルフィ」


 今日も朝から元気なルディの笑顔はとても可愛かった。
 8歳になり、身体が成長した影響なのか、女の子に反応する事が増えてきた。
 それはルディだけではなくシルフィにも同じ感情を抱くようになってきていた。
 これってもしかして・・・・・。


エイナ「あらあら。朝からお熱いですねぇ」


 エイナさんが見つめ合っている僕達を見て、そんなことを言った。
 その後ろにはユリウスさんも同じように微笑んでいた。


 まさか今の見られたのかな。
 だとすると結構恥ずかしいぞ。


 そして、父さん達も出てきて、口を開いた。


ブライト「それじゃあ今日からは、魔物との実戦訓練に入る。期間は2年だ。3人にはこれから、魔物との戦闘、剥ぎ取り、従魔との連携、それらを実践を通じて学んでもらう。この訓練からルクスやリムル、クリスにも参加してもらうから、皆頑張ってくれ」


ユーマ、ルディ、シルフィ「「「はい‼︎」」」


リムル【はい!】


ルクス【承知!】


クリス「クルクルゥ!」


 僕達はバルドス達に繋がれた馬車に乗り込み、王都の外に出た。






 それから1時間ほど公道から離れた場所に移動して、僕達は馬車を降りた。
 そこは全く人の手が入っていない自然豊かな平原だった。


 父さんは持ってきた馬車を、マジックバックに入れると僕らの方を向いた。


ブライト「魔物は国の城壁から離れた所にいる。まずは1人づつ、その後3人で、次に従魔を使いながら戦うんだ。3人はこの3年で、俺達と互角に戦えるようになっている。単純な強さなら、恐らくAランクの魔物にも引けを取らないはずだ。後は、魔物との戦いでその経験を積むことだ」


サリー「まずは、魔物を探しましょう」


  「母さん、僕が探しても良い?」


サリー「ユーマ君、出来るの?」


  「うん!」


 僕は母さんに許可を取ると、自身の魔力を周囲に流し始めた。


サリー「ユーマ君、索敵魔法も使えるのね」


ブライト「普通索敵系の魔法は習得するのが難しいんだけどな」


 索敵魔法とは、自分の魔力を自分を中心に波の様に広げて、目標物の魔力を感知する魔法だ。
 魔力は人や魔物だけでなく、木や岩といった自然の全ての物質に含まれている為、そういった物も探知魔法で目標物の魔力を見つける事も出来る。
 更に僕はその索敵魔法を鍛えて、感知した魔物の魔力の強さからランクの測定するという高度な事もできる様になった。


  「この索敵魔法なら練習じゃなくて、神様達に貰った奴だよ。ステータス見せたときにあったでしょ?」


サリー「魔力量とか加護に気を取られてそこまで見えてなかったわ」


 家族で話してる間に、僕の索敵にある魔物が引っかかった。


  「父さん、この近くにスライムが10匹いるよ。強さはFランクだ。僕がやっても良い?」


ブライト「ああ、じゃあ今回はユーマに任せようかな」


  「うん!」


 僕はスライムが見える位置まで行き、まとめて倒せる魔法を放った。


ユーマ〈氷槍アイシクルショット


 僕が魔法を唱えると、氷の槍が10本現れて、スライムを貫いた。


  「やった!成功だ」


ブライト「ユーマに関しては、言うことが無いな。魔力の感じはどうだ?」


  「少し減った感じがしたけど、全然余裕だね」


サリー「槍の数もすごいけど、やっぱり魔法を無詠唱で撃てるのは凄いわね。自分の子供だけどちょっと嫉妬しちゃうわね」


  (そうか、無詠唱で撃てるのは限られた人だけなんだよなぁ。ラムが転生する前に言ってた事はこう言う事だったんだ)


 少し話していると、倒したスライムの場所に核が落ちていた。


ブライト「ユーマ、あれがスライムの核だよ。魔物を倒すとああやって魔物ごとに倒した証明部位がドロップすることもあるんだ。大抵は剥ぎ取る必要があるんだが、スライムやゴブリン程度なら大体ドロップしてくれるぞ」


 僕はスライムの核に近づき、ある魔法を唱えた。


ユーマ〈アイテムボックス〉


 アイテムボックスを唱えると、手元にあったスライムの核が消えた。
 その代わりに、ステータス画面のアイテムボックス欄にスライムの核が表示されていた。
 これで、確認ができるようだ。


エイナ「ユーマ君、今のはアイテムボックス⁉︎」


  「うん、商業神であるパナミ様から貰ったんだ」


ユリウス「凄いなぁ。アイテムボックスを持ってる人は知ってるが、容量は加護によるからあんまり見ないんだ。基本的にはマジックバックで事足りるしね。ユーマ君は容量どれくらいなんだい?」


  「アイテムボックス?容量なら無限だよ」


エイナ「無限⁉︎それっていくら入れても満杯になることがないってことじゃない!凄いを通り越して、言葉が出ないわね」


  (やっぱり、アイテムボックスもか・・・。とことん僕って人外に足突っ込んでるんだなぁ)


 そんなこんなで、談笑しながら歩いているとずっと展開し続けていた索敵魔法にまた反応があった。


  「父さん、また索敵魔法に反応があったよ。今度はグリーンウルフのようだね。数は3匹で、強さはDランクだよ」


ブライト「最初からずっと展開し続けているのか?やっぱり魔力の量が桁違いだなぁ。っとそんなことよりも今度はグリーンウルフか。今度は3人で1匹づつやってみろ」


ユーマ、ルディ、シルフィ「「「はい!」」」


 僕達は、グリーンウルフのいる元へ急いだ。
 暫く歩いていると、目の前にグリーンウルフが現れた。


サリー「あれが、グリーンウルフよ。3人とも頑張ってね」


  「僕が中央のやつをやるから、シルフィは右を、ルディは左を相手してくれ」


シルフィ「はい!」


ルディ「りょーかい」


 僕達は、1匹づつを相手にした。


ユーマ〈真空刃エアカッター


 僕がグリーンウルフの1匹を仕留めたと同時ぐらいに、ルディは二刀流で、シルフィは獣人族の身体能力を活かした殴りで倒していた。
 流石拳闘士と言ったところか。
 剣もできるが、拳を使ったり、魔法を使った方が動けると前に言っていたのを思い出した。


ブライト「分かっていたが、3人とも瞬殺か。流石だな」


 そう言うと、僕の頭を撫でてくれた。
 正直嬉しかった。


ブライト「さて、グリーンウルフを倒したから、次はこいつを使って剥ぎ取り方を教えるぞ。ユーマ、索敵魔法を使いながら聞けるか?」


  「うん、大丈夫」


ブライト「わかった。魔物によって証明部位が違う事は、サリーやエイナの授業で聞いたと思う。グリーンウルフに関しては、尻尾が証明部位になるからナイフで切っていくぞ。それと肉と牙と毛皮は売れるからな?剥ぎ取るかドロップしたら回収しておくと良いぞ」


 父さんはそう言うと、1匹のグリーンウルフの尻尾にナイフを当てると、一瞬で剥ぎ取っていた。
 分かっていたことだが、子供の体の今では、かなりショッキングな映像だった。
 でも、俺もルディもなんとか吐くのを我慢した。


 そして残り2匹を、父さんから受け取ったナイフで、僕とルディも尻尾を剥ぎ取った。


ユリウス「2人とも、よく頑張ったな。最初は剥ぎ取るのに、血の匂いがするからって剥ぎ取れない新米冒険者もいるくらいなのに、2人は吐くのを我慢してたな」


 父さんも、僕も、ルディも手が剥ぎ取りの時についた血だらけだった。


  「父さん、ルディ、こっちきて」


 2人を呼ぶと、僕は魔法を唱えた。


ユーマ〈洗浄ミストウォッシュ


 2人と僕自身に、水属性である洗浄の魔法をかけた途端、3人の手が綺麗さっぱりになった。


ブライト「ありがとう、ユーマ。綺麗になったよ」


ルディ「ありがとうユーマ君、ちょっと気持ち悪かったんだ」


ブライト「じゃあ、最後にこの死体を焼却だ。素材や証明部位を取った魔物は、残りは燃やして処分するんだ。そうしないと、死体から瘴気が広がって疫病が蔓延したり、魔物や動物がゾンビ化する危険があるんだ」


 そう言われて、僕はグリーンウルフの死体を一カ所に集めて、火の魔法を放ち死体を1つ残らず焼却した。


 それから暫く魔物との戦闘を繰り返し、お昼になる頃の僕達の成果は、スライム45匹、角兎というFランクの魔物30匹、グリーンウルフというDランクの魔物20匹となった。


 角ウサギやグリーンウルフは討伐証明部位に加えて、爪や牙といった素材も剥ぎ取った。


 この数の多さに、お父さん達は驚きながらも褒めてくれた。

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