〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜
第15話〜神との再会〜
第1章 異世界転生編
第15話〜神との再会〜
...
...
父さん達による、冒険者になるための修行が始まって3年の月日が経ち僕とルディは8歳になっていた。
父さんとユリウスさんには模擬戦で勝つ回数もかなり増えたことから父さん達に合格を言われた。
母さんとエイナさんによる魔法の修行は僕もルディも既に免許皆伝を言い渡されていた。
今日は修行も休みの日なのである場所に向かっていた。
ルディは来たがっていたけど、1人で行きたいと説得し、午後から一緒に遊ぶ事を条件に何とか了承してもらえた。
父さん達に合格を貰えたということで明後日からいよいよ魔物の討伐が修行のメインとなる。
でも、僕には1つ心配事がある。
それは僕に生き物の命を奪えるかという事だ。
そう、魔物と戦うという事は、その魔物(生き物)を殺すという事だ。
さらに冒険者になれば、犯罪者とも戦って最悪殺す事も厭わない場合がある。
前世では命のやり取りとは無関係な、極めて平穏な生活を送っていた僕に命を奪う事が出来るのか不安だという事だ。
今僕は1人で以前洗礼の儀で来た教会に来ている。
僕は前世で死んだ後、神界に行き、ゼノン様から教会で祈ればいつでもここに来られるようにしておくと言われていたから、またここを訪れたのだ。
正直今の悩みを打ち明けられるのはゼノン様達だけだ。
家に帰ったらルクスやリムルにも聞いてみるか。
僕はシスターに神への礼拝に来たと告げて、神々の像の間に通してもらった。
その像の前で跪いてお祈りの姿勢をとると、意識が遠のくあの感覚がした。
次に目を開けると、真っ白な空間にいて、そこには僕とゼノン様、レンコ様、ラム様、カーシア様の姿があった。
「お久しぶりです。皆さん」
ゼノン「おお!久しぶりじゃのユーマ君」
レンコ「お久しぶりです、ユーマさん」
ラム「やっほー!久しぶり!ユーマ君」
カーシア「久しぶりだなぁ、ユーマ」
「皆さんもお元気そうで安心しました」
ゼノン「儂等も此処でユーマ君の事を見ておったぞ。元気で頑張っとるようじゃな」
ラム「魔法の修行、見てたけど中々面白い発想をしてるよね。あれも前世の知識なの?」
「そうですね、前世でのラノベやゲーム、アニメの知識が活きましたね」
カーシア「おう!ユーマ、剣術の修行だがよぉ、あれ結構手ぇ抜いたろ?」
「抜かないと大変なことになってましたからね。まあ幸い父さん達は気付いていなかったようなのでよかったです」
ゼノン「処で今日は何用で此処まで来たのじゃ?」
「実は明後日から修行のメインが魔物の討伐になるのですが、僕に命を奪う事が出来るのか不安なんです」
ラム「と、いうと?」
「僕は今まで命のやり取りとは無関係な、極めて安全で平穏な生活をして来ました。そんな僕が急に魔物とはいえ生き物の命を奪えるか不安になってしまって。そこでゼノン様達の意見を聞きたいと思いここに来ました」
ゼノン「なるほどのぉ。しかしユーマ君や」
「はい」
ゼノン「君のその不安に思う気持ちは分かるが、それで良いのじゃ」
「えっ⁉︎どういう事ですか?」
ゼノン「ユーマ君や。君は元々地球の神の信者だった事による影響か、命の大事さや尊さをよく理解しておる。魔物でも犯罪者でも此処アスタリスクにある生命である事に変わりはないのじゃ。じゃからこそ、その命を奪う事に対する恐怖や不安は人間として生きている限り当然であり、素晴らしいものじゃとわしは思うぞ」
「でも、その不安の所為でこうして悩んでいるんですよ」
ゼノン「では、ユーマ君は最初から命を奪う事に何も感じない人間の方が良かったかの?」
ゼノン様の言葉は、僕の心にショックを与えた。
命を奪う事をなんとも思わないなんて、そんなのは絶対嫌だ!
「そんなのはもっと嫌です‼︎そんな奴は人間じゃありません!」
ゼノン「そう、それで良いのじゃ」
「えっ⁉︎」
ゼノン「今君が言った通り、命を奪う事に何も感じないのはただの獣と同じ。人間は他の命を己の糧にして生きておるのじゃ。じゃからのユーマ君、魔物や犯罪者の命を奪う事を恐れるのは恥ずべき行為ではないからの」
他の神達も、ゼノン様のいう言葉に何回も首を縦に振っていた。
ゼノン様の言葉は、まさに眼から鱗だった。
僕は前世でもこの世界でも、いつも食事で生き物や植物の命を食する事で生きてきた。
命を食するという事は、自分の命を繋ぐためなのだ。
つまり僕はとっくの昔に、それどころか前世の時から生き物の命を奪ってここまで生きてきたんだ。
なのに、魔物の命を奪う事に悩んで、ゼノン様達にその苦しみをぶつけて、僕は自分が情けなくなったがそれと同時に吹っ切れもした。
「ありがとうございます、ゼノン様」
ゼノン「どうやら、吹っ切れたようじゃの。ここに来た時より表情が良くなっておるわい」
「もう大丈夫です。僕はもう迷いません。これからは、奪った命、僕の糧になった命、その一つ一つの重みを大切にして生きていきます」
ラム「うんうん、やっぱりユーマ君は笑ってるほうがいいよ」
カーシア「そうだな!」
レンコ「ユーマさん、もしまた何かあったらまたここに来てくださいね」
「はい!また来ますよ」
ゼノン「それとな、ユーマ君」
「なんですか?」
ゼノン「他の神達と話して決めたことなんじゃが、君にはわし等の事を呼び捨てにして欲しいのじゃ。勿論話す時もタメ口で構わんぞ」
「そんな!失礼ですよ」
ゼノン「構わんよ。それに話にくそうじゃからな」
ありゃ、バレてたか笑
実は慣れない敬語で話すのって疲れるんだよなぁ。
「分かり・・・・分かったよ。今度からこうやって話すよ」
ラム「うん、こっちの方が仲良くできそう。しかもタメ口なユーマ君、結構かっこいいかも」
「ありがとう、ラム」
ゼノン「そろそろ時間じゃの。ユーマ君や、最後にわしから忠告というかアドバイスじゃ。もしまた命を奪う事に迷ったりしたらさっき儂が話した事を思い出すと良いぞ」
「ああ!そうさせてもらうよ。じゃあまたな」
ゼノン「またいつでもくるんじゃぞ〜」
その言葉と共に、僕の視界が霞んでいき、次に気が付いたらそこは礼拝堂だった。
(ふぅ。ゼノン達には感謝しないとな。何にせよ僕はもう迷わない。奪った命達は僕の糧にすると決めたのだから)
シスターにお礼を言い、僕は教会を後にして、家への帰路についた。
因みに僕の従魔達にも同じことを話したらゼノン達と同じ答えが帰ってきて、笑ってしまったのは言うまでもない。
第15話〜神との再会〜
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父さん達による、冒険者になるための修行が始まって3年の月日が経ち僕とルディは8歳になっていた。
父さんとユリウスさんには模擬戦で勝つ回数もかなり増えたことから父さん達に合格を言われた。
母さんとエイナさんによる魔法の修行は僕もルディも既に免許皆伝を言い渡されていた。
今日は修行も休みの日なのである場所に向かっていた。
ルディは来たがっていたけど、1人で行きたいと説得し、午後から一緒に遊ぶ事を条件に何とか了承してもらえた。
父さん達に合格を貰えたということで明後日からいよいよ魔物の討伐が修行のメインとなる。
でも、僕には1つ心配事がある。
それは僕に生き物の命を奪えるかという事だ。
そう、魔物と戦うという事は、その魔物(生き物)を殺すという事だ。
さらに冒険者になれば、犯罪者とも戦って最悪殺す事も厭わない場合がある。
前世では命のやり取りとは無関係な、極めて平穏な生活を送っていた僕に命を奪う事が出来るのか不安だという事だ。
今僕は1人で以前洗礼の儀で来た教会に来ている。
僕は前世で死んだ後、神界に行き、ゼノン様から教会で祈ればいつでもここに来られるようにしておくと言われていたから、またここを訪れたのだ。
正直今の悩みを打ち明けられるのはゼノン様達だけだ。
家に帰ったらルクスやリムルにも聞いてみるか。
僕はシスターに神への礼拝に来たと告げて、神々の像の間に通してもらった。
その像の前で跪いてお祈りの姿勢をとると、意識が遠のくあの感覚がした。
次に目を開けると、真っ白な空間にいて、そこには僕とゼノン様、レンコ様、ラム様、カーシア様の姿があった。
「お久しぶりです。皆さん」
ゼノン「おお!久しぶりじゃのユーマ君」
レンコ「お久しぶりです、ユーマさん」
ラム「やっほー!久しぶり!ユーマ君」
カーシア「久しぶりだなぁ、ユーマ」
「皆さんもお元気そうで安心しました」
ゼノン「儂等も此処でユーマ君の事を見ておったぞ。元気で頑張っとるようじゃな」
ラム「魔法の修行、見てたけど中々面白い発想をしてるよね。あれも前世の知識なの?」
「そうですね、前世でのラノベやゲーム、アニメの知識が活きましたね」
カーシア「おう!ユーマ、剣術の修行だがよぉ、あれ結構手ぇ抜いたろ?」
「抜かないと大変なことになってましたからね。まあ幸い父さん達は気付いていなかったようなのでよかったです」
ゼノン「処で今日は何用で此処まで来たのじゃ?」
「実は明後日から修行のメインが魔物の討伐になるのですが、僕に命を奪う事が出来るのか不安なんです」
ラム「と、いうと?」
「僕は今まで命のやり取りとは無関係な、極めて安全で平穏な生活をして来ました。そんな僕が急に魔物とはいえ生き物の命を奪えるか不安になってしまって。そこでゼノン様達の意見を聞きたいと思いここに来ました」
ゼノン「なるほどのぉ。しかしユーマ君や」
「はい」
ゼノン「君のその不安に思う気持ちは分かるが、それで良いのじゃ」
「えっ⁉︎どういう事ですか?」
ゼノン「ユーマ君や。君は元々地球の神の信者だった事による影響か、命の大事さや尊さをよく理解しておる。魔物でも犯罪者でも此処アスタリスクにある生命である事に変わりはないのじゃ。じゃからこそ、その命を奪う事に対する恐怖や不安は人間として生きている限り当然であり、素晴らしいものじゃとわしは思うぞ」
「でも、その不安の所為でこうして悩んでいるんですよ」
ゼノン「では、ユーマ君は最初から命を奪う事に何も感じない人間の方が良かったかの?」
ゼノン様の言葉は、僕の心にショックを与えた。
命を奪う事をなんとも思わないなんて、そんなのは絶対嫌だ!
「そんなのはもっと嫌です‼︎そんな奴は人間じゃありません!」
ゼノン「そう、それで良いのじゃ」
「えっ⁉︎」
ゼノン「今君が言った通り、命を奪う事に何も感じないのはただの獣と同じ。人間は他の命を己の糧にして生きておるのじゃ。じゃからのユーマ君、魔物や犯罪者の命を奪う事を恐れるのは恥ずべき行為ではないからの」
他の神達も、ゼノン様のいう言葉に何回も首を縦に振っていた。
ゼノン様の言葉は、まさに眼から鱗だった。
僕は前世でもこの世界でも、いつも食事で生き物や植物の命を食する事で生きてきた。
命を食するという事は、自分の命を繋ぐためなのだ。
つまり僕はとっくの昔に、それどころか前世の時から生き物の命を奪ってここまで生きてきたんだ。
なのに、魔物の命を奪う事に悩んで、ゼノン様達にその苦しみをぶつけて、僕は自分が情けなくなったがそれと同時に吹っ切れもした。
「ありがとうございます、ゼノン様」
ゼノン「どうやら、吹っ切れたようじゃの。ここに来た時より表情が良くなっておるわい」
「もう大丈夫です。僕はもう迷いません。これからは、奪った命、僕の糧になった命、その一つ一つの重みを大切にして生きていきます」
ラム「うんうん、やっぱりユーマ君は笑ってるほうがいいよ」
カーシア「そうだな!」
レンコ「ユーマさん、もしまた何かあったらまたここに来てくださいね」
「はい!また来ますよ」
ゼノン「それとな、ユーマ君」
「なんですか?」
ゼノン「他の神達と話して決めたことなんじゃが、君にはわし等の事を呼び捨てにして欲しいのじゃ。勿論話す時もタメ口で構わんぞ」
「そんな!失礼ですよ」
ゼノン「構わんよ。それに話にくそうじゃからな」
ありゃ、バレてたか笑
実は慣れない敬語で話すのって疲れるんだよなぁ。
「分かり・・・・分かったよ。今度からこうやって話すよ」
ラム「うん、こっちの方が仲良くできそう。しかもタメ口なユーマ君、結構かっこいいかも」
「ありがとう、ラム」
ゼノン「そろそろ時間じゃの。ユーマ君や、最後にわしから忠告というかアドバイスじゃ。もしまた命を奪う事に迷ったりしたらさっき儂が話した事を思い出すと良いぞ」
「ああ!そうさせてもらうよ。じゃあまたな」
ゼノン「またいつでもくるんじゃぞ〜」
その言葉と共に、僕の視界が霞んでいき、次に気が付いたらそこは礼拝堂だった。
(ふぅ。ゼノン達には感謝しないとな。何にせよ僕はもう迷わない。奪った命達は僕の糧にすると決めたのだから)
シスターにお礼を言い、僕は教会を後にして、家への帰路についた。
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