【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1316話 リリアンへのラッキースケベ

 侍女リマと別れた俺は、静かにリリアンの元へと向かう。
 リリアンもまた、人魚族だ。
 下半身は魚のそれである。
 彼女は俺を見つけると、お辞儀をした。

「ナイトメア・ナイト様! 本日はお越しいただき、ありがとうございます!!」

「そんなにかしこまらなくてもいいさ。それより……おっと」

 俺はふらついてしまう。
 やはり、まだ酔いが醒めてないようだ。

「きゃっ!? あ、あの……このような場所ではちょっと……」

「ん?」

 俺は首をかしげる。
 何の話だろうか?
 ふにゅっ。

「ひゃんっ!?」

 変な声を出すリリアン。
 俺は、そこでようやく自分が何を握っているか気づく。
 どうやら、彼女の胸を鷲づかみにしていたらしい。
 彼女は顔を真っ赤にしている。

「す、すまない……」

 俺は慌てて手を離す。
 リリアンは恥ずかしそうに身をよじった。

「い、いえ……ナイトメア・ナイト様は恩人ですので……その……お触りになりたいというのでしたら、どうぞ……」

「いやいや! そういうわけじゃないから!!」

 俺は慌てて否定する。
 女好きの俺とはいえ、パーティー会場でおっ始める趣味はさすがにない。
 リリアンは頬を赤らめている。

(ヤバい……可愛いな)

 酔っているせいかもしれないが、リリアンがとても魅力的に見える。
 胸も大きいし、顔も可愛い。
 俺は思わず見惚れてしまった。

「あの……ナイトメア・ナイト様?」

「あ、ああ! すまない。少し飲みすぎたらしくてな……」

「まぁ! そうでしたか……」

「酔いを醒ましてほしくて、リリアンのところに来たんだ。治療岩の責任者である君なら、できるよな?」

「ええ、もちろん。そういうことでしたら、お任せください!」

 リリアンはうなずく。
 そして、俺に向けて手をかざした。

「――【キュア】」

 リリアンの手から優しい光が放たれ、俺の全身を包み込む。
 その光は心地が良く、気分がスッキリしてきた。
 完全に酔いから醒めるのではなく、適度な感じである。
 数秒ほどで光が消えると、俺は再びリリアンに話しかけた。

「ありがとう。おかげで楽になったよ」

「いえ……。むしろ、私の方こそありがとうございました。ナイトメア・ナイト様のお力になれて光栄です。あなたは、私たち人魚族にとっての恩人ですから」

 リリアンは、深々と頭を下げる。
 俺は恐縮してしまう。

「大げさだなぁ……」

「いえ、そんなことはございません!」

 リリアンは語気を強める。
 彼女は興奮しているようだ。

「治療岩が怪我人でいっぱいになったとき……私はもうダメかと思いました。ナイトメア・ナイト様は、間違いなく私たちにとっての救世主です」

 リリアンは深々と頭を下げる。
 彼女からは、俺に対する感謝の念が感じられた。

「ああ、どういたしまして……と返しておこう」

「ふふ、ナイトメア・ナイト様らしいですね」

 リリアンは口元に手を当てて笑う。
 この笑顔がまた可愛いのだ。
 彼女は20代。
 10代後半の王女メルティーネ、10歳ぐらいの侍女リマとはまた違った魅力がある。

「感謝されるのは悪い気がしないな。これからも、人魚族のみんなが平和に暮らせることを願っているよ」

「はい! ありがとうございます!」

 リリアンはそう言って微笑む。
 そう言えば、彼女も例のアレの条件を満たしたんだよな。
 談笑しながら、そのあたりも整理しておくことにしよう。

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