【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1310話 敵は『海神の大洞窟』にあり!
「あ~……。結構遠かったな……」
俺は泳ぎながらつぶやく。
海底洞窟はすでに抜けた。
今、俺は王宮に向かって泳いでいる。
「王宮では騒ぎになってるだろうな……」
俺はため息をつきながら、そうつぶやいた。
時間にして数時間前ぐらいだろうか?
闇の瘴気に侵されたエリオット王子がクーデターを起こし、俺が鎮圧したのだ。
それだけでもかなりの大事件だと言っていい。
さらに畳み掛けるようにして、海神ポセイドンが俺を『海神の大洞窟』の最深部に転移させたのだ。
自分で言うのも何だが、俺はクーデター鎮圧の功労者。
その俺が海神に半ば誘拐されたような形である。
いろんな意味で、宮殿内は大混乱だろう。
「さっさと里に帰るとしよう」
俺はさらに泳ぐペースを上げる。
しばらくして、前方に宮殿が見えてきた。
「あれ……?」
俺は首をかしげる。
宮殿の前には、多くの兵士たちが集まっていた。
何やら落ち着かない様子だ。
何かを焦っているように見える。
(なんだ……? クーデター後の混乱が落ち着いていないのか? 残党がまだ抵抗を? しかしそれにしては、戦闘音などが全く聞こえないな)
俺は疑問に思う。
首謀者のエリオットは俺が浄化したので、再び暴れだす心配はない。
配下の『海神の憤怒』や『海神の怒り』は微妙なところだが……。
エリオットが正気を取り戻した今、つられるようにして落ち着いても不思議ではない。
そもそも、配下レベルが暴れ出したところでまたネプトリウス陛下に無力化されるだけだろう。
再度のクーデターの心配はないはずだ。
ならば、この兵士たちはいったい何を……?
俺は疑問に思いつつ、宮殿へ近づいていく。
そして、端っこの方にいた兵士に話しかけた。
顔見知りではない、いかにも平兵士っぽい者だ。
「なぁ、いったいどうしたんだ?」
「あん?」
「何かあったのか?」
「はぁ!? お前、まさか知らないのか? 恥知らずな……」
「おいおい、勘弁してくれ。マジで何も知らないんだ」
俺は眉をひそめる。
俺が当惑していると、兵士はようやく教えてくれた。
「里の恩人がピンチなんだよ! 何でも、神を名乗る存在に誘拐されちまったらしい」
「なにっ!?」
俺は驚く。
誘拐とは穏やかじゃない。
「神が、里の恩人を誘拐だと?」
「ああ、そうさ! 俺たちは海神様を信じていたのに……。全くなんてことを!!」
兵士は怒ったように叫ぶ。
俺はいまいち状況が理解できなかった。
だが、一大事であることは分かる。
帰還したばかりだが、ボーっとしているわけにはいかない。
「分かった。微力ながら、俺も協力する」
「本当か!? ちょうど、そろそろ出撃の合図が出るところだったんだ! ……ああ、ほら」
兵士は宮殿の方を指さす。
そこには、エリオット王子がいた。
近くにはネプトリウス陛下やメルティーネ姫もいる。
「エリオット殿下、出撃準備整いました!」
一人の兵士が言った。
それと同時に、周りの兵士にも緊張が走る。
「うむ! それではこれより、人魚族の大恩人の救出に向かう! 恩に報いるため、必ずや神を名乗る不届き者をうち滅ぼすのだ!!」
エリオットはそう叫び、水馬に乗る。
そして、兵士たちも彼に続く。
「敵は『海神の大洞窟』にあり! うおおおぉっ!!」
「「「おおおおぉぉおおっ!!」」」
「よっしゃぁ! 俺も続くぜっ! うおおおおぉっ!!!」
エリオットの声に続き、兵士たちが叫ぶ。
もちろん俺も合わせて叫んだ。
――その『恩人』とやらが俺のことだと判明するのは、もう少し後のことである。
俺は泳ぎながらつぶやく。
海底洞窟はすでに抜けた。
今、俺は王宮に向かって泳いでいる。
「王宮では騒ぎになってるだろうな……」
俺はため息をつきながら、そうつぶやいた。
時間にして数時間前ぐらいだろうか?
闇の瘴気に侵されたエリオット王子がクーデターを起こし、俺が鎮圧したのだ。
それだけでもかなりの大事件だと言っていい。
さらに畳み掛けるようにして、海神ポセイドンが俺を『海神の大洞窟』の最深部に転移させたのだ。
自分で言うのも何だが、俺はクーデター鎮圧の功労者。
その俺が海神に半ば誘拐されたような形である。
いろんな意味で、宮殿内は大混乱だろう。
「さっさと里に帰るとしよう」
俺はさらに泳ぐペースを上げる。
しばらくして、前方に宮殿が見えてきた。
「あれ……?」
俺は首をかしげる。
宮殿の前には、多くの兵士たちが集まっていた。
何やら落ち着かない様子だ。
何かを焦っているように見える。
(なんだ……? クーデター後の混乱が落ち着いていないのか? 残党がまだ抵抗を? しかしそれにしては、戦闘音などが全く聞こえないな)
俺は疑問に思う。
首謀者のエリオットは俺が浄化したので、再び暴れだす心配はない。
配下の『海神の憤怒』や『海神の怒り』は微妙なところだが……。
エリオットが正気を取り戻した今、つられるようにして落ち着いても不思議ではない。
そもそも、配下レベルが暴れ出したところでまたネプトリウス陛下に無力化されるだけだろう。
再度のクーデターの心配はないはずだ。
ならば、この兵士たちはいったい何を……?
俺は疑問に思いつつ、宮殿へ近づいていく。
そして、端っこの方にいた兵士に話しかけた。
顔見知りではない、いかにも平兵士っぽい者だ。
「なぁ、いったいどうしたんだ?」
「あん?」
「何かあったのか?」
「はぁ!? お前、まさか知らないのか? 恥知らずな……」
「おいおい、勘弁してくれ。マジで何も知らないんだ」
俺は眉をひそめる。
俺が当惑していると、兵士はようやく教えてくれた。
「里の恩人がピンチなんだよ! 何でも、神を名乗る存在に誘拐されちまったらしい」
「なにっ!?」
俺は驚く。
誘拐とは穏やかじゃない。
「神が、里の恩人を誘拐だと?」
「ああ、そうさ! 俺たちは海神様を信じていたのに……。全くなんてことを!!」
兵士は怒ったように叫ぶ。
俺はいまいち状況が理解できなかった。
だが、一大事であることは分かる。
帰還したばかりだが、ボーっとしているわけにはいかない。
「分かった。微力ながら、俺も協力する」
「本当か!? ちょうど、そろそろ出撃の合図が出るところだったんだ! ……ああ、ほら」
兵士は宮殿の方を指さす。
そこには、エリオット王子がいた。
近くにはネプトリウス陛下やメルティーネ姫もいる。
「エリオット殿下、出撃準備整いました!」
一人の兵士が言った。
それと同時に、周りの兵士にも緊張が走る。
「うむ! それではこれより、人魚族の大恩人の救出に向かう! 恩に報いるため、必ずや神を名乗る不届き者をうち滅ぼすのだ!!」
エリオットはそう叫び、水馬に乗る。
そして、兵士たちも彼に続く。
「敵は『海神の大洞窟』にあり! うおおおぉっ!!」
「「「おおおおぉぉおおっ!!」」」
「よっしゃぁ! 俺も続くぜっ! うおおおおぉっ!!!」
エリオットの声に続き、兵士たちが叫ぶ。
もちろん俺も合わせて叫んだ。
――その『恩人』とやらが俺のことだと判明するのは、もう少し後のことである。
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