【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1301話 風が吹けば桶屋が儲かる
俺はエリオットを撃破した。
「……」
無言で紅剣アヴァロンを鞘に納める。
すると、メルティーネが近づいてきた。
「ナイ様……。兄様を……楽にしてくださって、ありがとうございます……」
メルティーネ姫が頭を下げる。
俺は首を横に振った。
「礼には及ばない。できることをしただけだ」
エリオットの罪は重い。
反逆罪は極刑……。
それがこの世界の常識だ。
「エリオット兄様……安らかにお眠りください……」
彼女はそう言って祈りを捧げた。
メルティーネ姫にとっては、たった一人の兄だ。
思うところは色々とあるのだろう。
「ナイトメア殿……感謝する」
ネプトリウス陛下までが感謝を述べる。
彼は俺に頭を下げた。
「貴殿には返しきれぬ恩ができたようだ。我が娘メルティーネも世話になっている。……この里に永住してくれぬか?」
「……え? なぜそのような話に……」
「第一王子であるエリオットが死亡したのだ。メルティーネと結婚し、我が息子エリオットの忘れ形見である……この人魚族を守ってはくれぬか?」
「父上!?」
メルティーネ姫が驚きの声を上げる。
俺はしばらく考えてから、口を開いた。
「お気持ちはありがたいが、お断りさせていただきます」
「なっ!? なぜだ!?」
ネプトリウス陛下は驚愕に目を見開く。
彼は俺が受け入れると思っていたらしい。
「今回の騒動は、半分は俺が招き入れたようなもの……。そしてそれを鎮圧したのも俺です。王女と結婚したとして、民が納得しますか?」
俺がジャイアントクラーケンのHPを8割ほど削ったせいで、人魚族はそれにトドメを刺そうという気になった。
ジャイアントクラーケンがいなくなったせいで、魔物の行動範囲に変化が生まれた。
魔物の行動範囲が変わったことで防壁が襲われ、エリオットたちはその魔物の追撃を行うことになった。
追撃戦を通してエリオットたちは闇の瘴気に侵され、暴走した。
バタフライエフェクト……あるいは『風が吹けば桶屋が儲かる』のような話だが、今回の事件は俺が関わったからこそ引き起こされたものと言えなくもない。
そして、その暴走したエリオットを撃破したのは俺だ。
俺がメルティーネ姫と結婚することを、民は認めてくれるだろうか?
「む……。確かに難しいかもしれぬな……」
ネプトリウス陛下が唸る。
さすがに無理があったと思ったのだろう。
「ナイ様は……私のことがお嫌いですか?」
メルティーネ姫が不安そうに問いかけてくる。
彼女は俺に対して、好意を抱いているように見えた。
俺は首を横に振った。
「そういうわけではない。ただ、何事にも順序がある。俺は地上に家族を残してきているし……。それに、お互いのことをよく知らない状態で結婚を決めるわけにはいかないだろう?」
「私は……ナイ様のことをもっと知りたいですの」
メルティーネ姫が俺に一歩近づく。
そんな俺たちの間に、何者かが割って入った。
「待てぇええぃ!! 俺の前でメルティーネとイチャつくなど……許さんぞぉおお!!」
それは怒りに燃えるエリオットだった。
彼はふらつきながら起き上がる。
「エリオット!?」
「兄様!?」
ネプトリウス陛下とメルティーネ姫が驚きの声を上げる。
まるで、幽霊でも見たかのような顔だった。
「死んだはずでは……。ナイトメア殿?」
「殺してませんよ。俺は聖なる斬撃で、瘴気を斬っただけですから。それまでの戦闘によるダメージは大きいでしょうが、命に別条はありません」
俺はネプトリウス陛下に説明する。
それを聞いたメルティーネ姫が、目を輝かせた。
「兄様! 兄様ぁ!!」
メルティーネ姫がエリオットに近づく。
彼は妹を受け止めた。
「メルティーネ……すまない。俺はお前を……」
「いいの! もういいですの!」
感動の兄妹再会だ。
俺はしばし、その空気を楽しませてもらうことにしたのだった。
「……」
無言で紅剣アヴァロンを鞘に納める。
すると、メルティーネが近づいてきた。
「ナイ様……。兄様を……楽にしてくださって、ありがとうございます……」
メルティーネ姫が頭を下げる。
俺は首を横に振った。
「礼には及ばない。できることをしただけだ」
エリオットの罪は重い。
反逆罪は極刑……。
それがこの世界の常識だ。
「エリオット兄様……安らかにお眠りください……」
彼女はそう言って祈りを捧げた。
メルティーネ姫にとっては、たった一人の兄だ。
思うところは色々とあるのだろう。
「ナイトメア殿……感謝する」
ネプトリウス陛下までが感謝を述べる。
彼は俺に頭を下げた。
「貴殿には返しきれぬ恩ができたようだ。我が娘メルティーネも世話になっている。……この里に永住してくれぬか?」
「……え? なぜそのような話に……」
「第一王子であるエリオットが死亡したのだ。メルティーネと結婚し、我が息子エリオットの忘れ形見である……この人魚族を守ってはくれぬか?」
「父上!?」
メルティーネ姫が驚きの声を上げる。
俺はしばらく考えてから、口を開いた。
「お気持ちはありがたいが、お断りさせていただきます」
「なっ!? なぜだ!?」
ネプトリウス陛下は驚愕に目を見開く。
彼は俺が受け入れると思っていたらしい。
「今回の騒動は、半分は俺が招き入れたようなもの……。そしてそれを鎮圧したのも俺です。王女と結婚したとして、民が納得しますか?」
俺がジャイアントクラーケンのHPを8割ほど削ったせいで、人魚族はそれにトドメを刺そうという気になった。
ジャイアントクラーケンがいなくなったせいで、魔物の行動範囲に変化が生まれた。
魔物の行動範囲が変わったことで防壁が襲われ、エリオットたちはその魔物の追撃を行うことになった。
追撃戦を通してエリオットたちは闇の瘴気に侵され、暴走した。
バタフライエフェクト……あるいは『風が吹けば桶屋が儲かる』のような話だが、今回の事件は俺が関わったからこそ引き起こされたものと言えなくもない。
そして、その暴走したエリオットを撃破したのは俺だ。
俺がメルティーネ姫と結婚することを、民は認めてくれるだろうか?
「む……。確かに難しいかもしれぬな……」
ネプトリウス陛下が唸る。
さすがに無理があったと思ったのだろう。
「ナイ様は……私のことがお嫌いですか?」
メルティーネ姫が不安そうに問いかけてくる。
彼女は俺に対して、好意を抱いているように見えた。
俺は首を横に振った。
「そういうわけではない。ただ、何事にも順序がある。俺は地上に家族を残してきているし……。それに、お互いのことをよく知らない状態で結婚を決めるわけにはいかないだろう?」
「私は……ナイ様のことをもっと知りたいですの」
メルティーネ姫が俺に一歩近づく。
そんな俺たちの間に、何者かが割って入った。
「待てぇええぃ!! 俺の前でメルティーネとイチャつくなど……許さんぞぉおお!!」
それは怒りに燃えるエリオットだった。
彼はふらつきながら起き上がる。
「エリオット!?」
「兄様!?」
ネプトリウス陛下とメルティーネ姫が驚きの声を上げる。
まるで、幽霊でも見たかのような顔だった。
「死んだはずでは……。ナイトメア殿?」
「殺してませんよ。俺は聖なる斬撃で、瘴気を斬っただけですから。それまでの戦闘によるダメージは大きいでしょうが、命に別条はありません」
俺はネプトリウス陛下に説明する。
それを聞いたメルティーネ姫が、目を輝かせた。
「兄様! 兄様ぁ!!」
メルティーネ姫がエリオットに近づく。
彼は妹を受け止めた。
「メルティーネ……すまない。俺はお前を……」
「いいの! もういいですの!」
感動の兄妹再会だ。
俺はしばし、その空気を楽しませてもらうことにしたのだった。
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