【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1296話 王の威厳
エリオットがクーデターを起こした。
彼はたくさんの兵士たちと共に、玉座の間になだれ込んできている。
「ナイトメア・ナイト殿。貴殿がメルティーネを好いているのは知っている。こいつの命が惜しければ、大人しくしているがいい」
エリオット王子は、ニヤリと笑う。
彼は俺の目の前で短剣をメルティーネ姫に突きつけているのだ。
簡単には手出しできない。
「卑怯者め……」
俺は歯がみしながら睨みつける。
すると、エリオット王子は肩をすくめた。
「なんとでも言え。俺は人魚族全体のため、何でもやる覚悟だ」
「…………」
俺はエリオットの様子を静かに伺う。
彼は、ネプトリウス陛下を退位させるため、これからさらなる実力行使に移るだろう。
いつまでも俺ばかりを警戒しているわけにもいかないはず。
彼の警戒が逸れた一瞬をついて、俺は行動を起こしたいところだったが――。
「さて、貴殿の危険性は把握している。人質程度で抑え込めるとは思っていない」
「……」
「改めて、貴殿の力を封印させてもらおう。――【海神の呪鎖】」
「なっ……!」
エリオットがパチンと指を鳴らすと、俺の足元に魔法陣が現れた。
これは……拘束系の魔法か!?
マズイ!
俺は慌ててその場から離れようとするが、時すでに遅し。
俺の体に黒い輪が巻き付き、身動きが取れなくなってしまった。
「くっ……!」
「宝物庫から持ち出した希少な魔道具だ。効力は『魔封じの枷』や『闘気封印の縄』に類似したものだが……。以前の拘束よりもキツイだろう?」
「ぐぬぅ……!」
俺は必死に身をよじるが、拘束は外れない。
さすがは宝物庫から持ち出された魔道具だ。
「エリオット兄様! どうして!?」
メルティーネ姫が叫ぶ。
彼女は青ざめた顔で震えていた。
「俺は目覚めたんだよ、メルティーネ……。この世界の真実にな。黙って見ているがいい」
「そ、そんな……」
エリオット王子の宣言に、メルティーネ姫は絶望したような表情を見せる。
そんな様子を見てもなお、エリオット王子は平然としていた。
「行くぞ! 我が配下、『海神の憤怒』よ! 『海神の怒り』も続け!!」
エリオット王子は、クーデター兵たちに号令をかける。
すると、兵士やチンピラたちが武器を抜いてこちらへと突っ込んできた。
「くっ……!」
俺は身構える。
だが――。
「控えよ! ――【王の威厳(キングズ・マジェスティ)】」
ネプトリウス陛下が玉座から立ち上がった。
同時に、その体から強烈な魔力の波動が放たれる。
「うおっ!?」
「ぐわっ……!」
「な、なんだ……? うぐ……」
兵士たちは動きを止め、バタバタと倒れていく。
その先にいるのは、ネプトリウス陛下だ。
彼は不敵な笑みを浮かべ、静かにたたずんでいる。
「ぐ……っ! そんな馬鹿な!! 俺の配下の精鋭たちが……」
「ふん、愚かな。何が精鋭だ。憎しみに染まった有象無象で余を害することができるとでも思ったか」
ネプトリウス陛下は鼻で笑う。
……この世界の王族は、身分だけじゃなくて戦闘能力も高いよな。
バルダイン陛下やネルエラ陛下も強かった。
まぁ、国の規模に応じての差は当然あるだろうが……。
何にせよ、これはチャンスだ。
エリオット側の戦力はかなり減った。
ここでもう一度、説得してみよう。
「自慢の配下どもは、この通り使い物にならなくなったぞ? ……降伏してはどうだ?」
「うるさい! 宝物庫から奪った魔道具は……まだ他にもあるのだ!!」
エリオット王子は激高する。
そして、彼は懐から小さな水晶玉を取り出したのだった。
彼はたくさんの兵士たちと共に、玉座の間になだれ込んできている。
「ナイトメア・ナイト殿。貴殿がメルティーネを好いているのは知っている。こいつの命が惜しければ、大人しくしているがいい」
エリオット王子は、ニヤリと笑う。
彼は俺の目の前で短剣をメルティーネ姫に突きつけているのだ。
簡単には手出しできない。
「卑怯者め……」
俺は歯がみしながら睨みつける。
すると、エリオット王子は肩をすくめた。
「なんとでも言え。俺は人魚族全体のため、何でもやる覚悟だ」
「…………」
俺はエリオットの様子を静かに伺う。
彼は、ネプトリウス陛下を退位させるため、これからさらなる実力行使に移るだろう。
いつまでも俺ばかりを警戒しているわけにもいかないはず。
彼の警戒が逸れた一瞬をついて、俺は行動を起こしたいところだったが――。
「さて、貴殿の危険性は把握している。人質程度で抑え込めるとは思っていない」
「……」
「改めて、貴殿の力を封印させてもらおう。――【海神の呪鎖】」
「なっ……!」
エリオットがパチンと指を鳴らすと、俺の足元に魔法陣が現れた。
これは……拘束系の魔法か!?
マズイ!
俺は慌ててその場から離れようとするが、時すでに遅し。
俺の体に黒い輪が巻き付き、身動きが取れなくなってしまった。
「くっ……!」
「宝物庫から持ち出した希少な魔道具だ。効力は『魔封じの枷』や『闘気封印の縄』に類似したものだが……。以前の拘束よりもキツイだろう?」
「ぐぬぅ……!」
俺は必死に身をよじるが、拘束は外れない。
さすがは宝物庫から持ち出された魔道具だ。
「エリオット兄様! どうして!?」
メルティーネ姫が叫ぶ。
彼女は青ざめた顔で震えていた。
「俺は目覚めたんだよ、メルティーネ……。この世界の真実にな。黙って見ているがいい」
「そ、そんな……」
エリオット王子の宣言に、メルティーネ姫は絶望したような表情を見せる。
そんな様子を見てもなお、エリオット王子は平然としていた。
「行くぞ! 我が配下、『海神の憤怒』よ! 『海神の怒り』も続け!!」
エリオット王子は、クーデター兵たちに号令をかける。
すると、兵士やチンピラたちが武器を抜いてこちらへと突っ込んできた。
「くっ……!」
俺は身構える。
だが――。
「控えよ! ――【王の威厳(キングズ・マジェスティ)】」
ネプトリウス陛下が玉座から立ち上がった。
同時に、その体から強烈な魔力の波動が放たれる。
「うおっ!?」
「ぐわっ……!」
「な、なんだ……? うぐ……」
兵士たちは動きを止め、バタバタと倒れていく。
その先にいるのは、ネプトリウス陛下だ。
彼は不敵な笑みを浮かべ、静かにたたずんでいる。
「ぐ……っ! そんな馬鹿な!! 俺の配下の精鋭たちが……」
「ふん、愚かな。何が精鋭だ。憎しみに染まった有象無象で余を害することができるとでも思ったか」
ネプトリウス陛下は鼻で笑う。
……この世界の王族は、身分だけじゃなくて戦闘能力も高いよな。
バルダイン陛下やネルエラ陛下も強かった。
まぁ、国の規模に応じての差は当然あるだろうが……。
何にせよ、これはチャンスだ。
エリオット側の戦力はかなり減った。
ここでもう一度、説得してみよう。
「自慢の配下どもは、この通り使い物にならなくなったぞ? ……降伏してはどうだ?」
「うるさい! 宝物庫から奪った魔道具は……まだ他にもあるのだ!!」
エリオット王子は激高する。
そして、彼は懐から小さな水晶玉を取り出したのだった。
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