【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1295話 俺は世界の真実に目覚めたのです
「「うおおおおおお!!」」
兵士たちが雄叫びを上げて、部屋の中へと雪崩れ込んでくる。
彼らの先頭には、1人の人影があった。
エリオット王子である。
「エリオット……」
ネプトリウス陛下が静かにつぶやく。
その表情は苦々しく、悲しそうだった。
「父上! この城は俺たちで占拠しました! どうか降伏を!!」
エリオット王子が、玉座に座っているネプトリウス陛下に詰め寄った。
その表情は狂気に染まったかのように歪んでいる。
「エリオット殿下! あなたは自分が何をしたのか分かっているのか!?」
俺は叫ぶように問う。
すると、エリオット王子は不敵な笑みを浮かべて言った。
「ああ……分かっているとも」
その表情を見て、俺はゾクリと背筋に悪寒が走ったのを感じた。
エリオット王子の瞳には光がない。
その異様な様子に、俺は底知れぬ恐怖を感じた。
「エリオット……。どういうつもりだ? 第一王子のお前が、どうしてクーデターなど……」
「知れたこと。一刻も早く、現状の融和路線から決別せねばと思ったまでです」
「なに……?」
ネプトリウス陛下は眉根にシワを寄せる。
そんな父の様子さえも忌々しそうに見つめ、エリオット王子は言った。
「俺は気付きました。人族は、もはや我々と対等の存在ではありません。人族はあまりに増えすぎた。それに、各個体の力も増している。このままでは我々の土地を奪い、この美しい海を汚し、やがては世界そのものを支配してしまう。俺が成すべきは、人族をこれ以上増やさぬことなのです!!」
エリオット王子の言葉に、俺は絶句した。
まさか……そんなことを考えていたとは……。
「人族の勢いを削ぐために、人族の掃討を行います。俺の代で地上への侵攻を実行し、この世界を人魚族のものにするのです!!」
「世迷言を……。海ではこちらが有利だろうが、地上では話が別だ。長期戦で人族に勝てると思っているのか? そもそも、王位簒奪を成功させられるとでも? すぐにでも残存戦力が駆けつけてくるだろう。お前はもうおしまいだ」
ネプトリウス陛下は冷静な声で告げる。
エリオットたちは、リトルクラーケンの討伐帰りにそのまま王宮を奇襲した。
どさくさに紛れて宝物庫を襲い、そして玉座の間までやって来た。
ここまでは上手くいっている。
しかし、もちろんこれで終わりではない。
兵士たちは他にもいるわけだし、長期戦になればエリオットたちは不利だ。
「他の兵士など、待つ必要はない。俺がケリをつけてやる」
俺は拳を握りしめ、鋭い視線でエリオット王子を見つめた。
この場における俺は客人だ。
あまりしゃしゃり出るわけにはいかない。
しかし、クーデターを前にしてボーっとしているのもな。
俺はいつでも飛び出せるように身構える。
「ふん……。下賤な人族は黙って見てろ。こいつの命が惜しければな」
エリオット王子は、1人の少女に短剣を突きつけた。
それはメルティーネ姫だった。
彼女は涙目で震えている。
「やめろ! 実の妹を人質にとるなど……! 貴様はそこまで堕ちたか!?」
ネプトリウス陛下が叫ぶ。
しかし、エリオット王子の表情は変わらない。
彼は薄く笑みを浮かべたまま告げた。
「いいえ、父上。俺は世界の真実に目覚めたのです。リトルクラーケンの討伐という実戦を通じて、それを強く実感したのです。視界がクリアになり、頭の中がとてもすっきりとしました。もう迷うことはありません! 俺はこの世界を人魚族のものにするのです!!」
エリオット王子は高笑いする。
彼の目は焦点が合っていない。
それに、黒く濁っているようにも見える。
視界がクリアになったとか言っているが、明らかに異常だ。
どうにかしなければ……。
兵士たちが雄叫びを上げて、部屋の中へと雪崩れ込んでくる。
彼らの先頭には、1人の人影があった。
エリオット王子である。
「エリオット……」
ネプトリウス陛下が静かにつぶやく。
その表情は苦々しく、悲しそうだった。
「父上! この城は俺たちで占拠しました! どうか降伏を!!」
エリオット王子が、玉座に座っているネプトリウス陛下に詰め寄った。
その表情は狂気に染まったかのように歪んでいる。
「エリオット殿下! あなたは自分が何をしたのか分かっているのか!?」
俺は叫ぶように問う。
すると、エリオット王子は不敵な笑みを浮かべて言った。
「ああ……分かっているとも」
その表情を見て、俺はゾクリと背筋に悪寒が走ったのを感じた。
エリオット王子の瞳には光がない。
その異様な様子に、俺は底知れぬ恐怖を感じた。
「エリオット……。どういうつもりだ? 第一王子のお前が、どうしてクーデターなど……」
「知れたこと。一刻も早く、現状の融和路線から決別せねばと思ったまでです」
「なに……?」
ネプトリウス陛下は眉根にシワを寄せる。
そんな父の様子さえも忌々しそうに見つめ、エリオット王子は言った。
「俺は気付きました。人族は、もはや我々と対等の存在ではありません。人族はあまりに増えすぎた。それに、各個体の力も増している。このままでは我々の土地を奪い、この美しい海を汚し、やがては世界そのものを支配してしまう。俺が成すべきは、人族をこれ以上増やさぬことなのです!!」
エリオット王子の言葉に、俺は絶句した。
まさか……そんなことを考えていたとは……。
「人族の勢いを削ぐために、人族の掃討を行います。俺の代で地上への侵攻を実行し、この世界を人魚族のものにするのです!!」
「世迷言を……。海ではこちらが有利だろうが、地上では話が別だ。長期戦で人族に勝てると思っているのか? そもそも、王位簒奪を成功させられるとでも? すぐにでも残存戦力が駆けつけてくるだろう。お前はもうおしまいだ」
ネプトリウス陛下は冷静な声で告げる。
エリオットたちは、リトルクラーケンの討伐帰りにそのまま王宮を奇襲した。
どさくさに紛れて宝物庫を襲い、そして玉座の間までやって来た。
ここまでは上手くいっている。
しかし、もちろんこれで終わりではない。
兵士たちは他にもいるわけだし、長期戦になればエリオットたちは不利だ。
「他の兵士など、待つ必要はない。俺がケリをつけてやる」
俺は拳を握りしめ、鋭い視線でエリオット王子を見つめた。
この場における俺は客人だ。
あまりしゃしゃり出るわけにはいかない。
しかし、クーデターを前にしてボーっとしているのもな。
俺はいつでも飛び出せるように身構える。
「ふん……。下賤な人族は黙って見てろ。こいつの命が惜しければな」
エリオット王子は、1人の少女に短剣を突きつけた。
それはメルティーネ姫だった。
彼女は涙目で震えている。
「やめろ! 実の妹を人質にとるなど……! 貴様はそこまで堕ちたか!?」
ネプトリウス陛下が叫ぶ。
しかし、エリオット王子の表情は変わらない。
彼は薄く笑みを浮かべたまま告げた。
「いいえ、父上。俺は世界の真実に目覚めたのです。リトルクラーケンの討伐という実戦を通じて、それを強く実感したのです。視界がクリアになり、頭の中がとてもすっきりとしました。もう迷うことはありません! 俺はこの世界を人魚族のものにするのです!!」
エリオット王子は高笑いする。
彼の目は焦点が合っていない。
それに、黒く濁っているようにも見える。
視界がクリアになったとか言っているが、明らかに異常だ。
どうにかしなければ……。
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