【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1285話 ミッションの進捗状況

 翌日――。

「よぉし! これで石材による補修作業は完了だ!! みんな、よく頑張ってくれたな!!」

 リーダー格の男が宣言する。
 その言葉に、作業員たちが声を上げた。

「おぉぉぉっ……!!」

「やったぞぉーっ!!」

「これで、今日からは安心して眠れるってもんだぜ!!」

 みんな、嬉しそうにしている。
 この作業は、俺たちにとっても大きな試練だったからな。
 それを何とか乗り切ったことで、確かな達成感を感じているのだろう。

「人族の兄ちゃんが来てくれたおかげだ!」

「そうだな。俺たちだけなら、あと数日以上はかかっていたはず!」

「本当に助かったぜ!」

 作業員たちが感謝の言葉を口にする。
 俺は少しばかり照れくさくなったが、悪い気分ではなかった。

「いやいや……。俺一人じゃ無理だ。みんなが頑張ってくれたおかげだよ」

「人族の兄ちゃん……」

「その『人族の兄ちゃん』ってのも、そろそろやめないか?」

 俺は苦笑しながら言う。
 彼らに差別意識はないのだろうが、どうにも微妙な呼称の気がする。
 日本に在住している外国人を『そこの外国人の兄ちゃん』と呼んでいる感じだろうか。

「そうだな……。何て呼べばいいんだ? 兄ちゃんの名は何という?」

「ナイトメア・ナイトだ」

 まぁ、これはこれで偽名……というか通称なのだが。
 少なくとも、『人族の兄ちゃん』よりかはマシだろう。

「ナイトメア・ナイト……。変わった名だな」

「まぁな」

 ダダダ団の件で取り急ぎ結成した『ダークガーデン』の首領。
 その名が『ナイトメア・ナイト』だ。
 ダダダ団首領のリオンと戦っているときにメルティーネと出会ったという事情もあり、俺はその名で通している。
 ヤマト連邦の件が終われば、改めて『タカシ=ハイブリッジ男爵』として人魚の里と交流していきたいところだ。

「分かったぜ、ナイトメア・ナイトの兄ちゃん」

「長いな……」

「なら、ナイトの兄ちゃんだ」

「それでいいぞ。なんだか、以前よりも親近感を感じられるようになった」

 俺は笑う。
 作業員たちも、俺の返答に満足そうだ。

(……おっ。これは……)

 俺は気づく。
 ミッションが順調に達成へ近づいていることに。

ミッション
10人以上の人魚族に加護(微)を付与せよ
報酬:スキルポイント20(本人のみ)
達成人数:7人

 10人以上で達成となるところ、現状で7人となっている。
 メルティーネ姫、侍女リマ、治療岩責任者リリアン、エリオット王子。
 そして、リリアンの部下の女性にも、ギリギリで加護(微)を達成できた人が1人いた。
 以上で5人。

 そして今回、作業員のリーダー格ともう1人に付与できた。
 これで合計7人。
 残りは3人となる。

(順調だな……)

 俺はホッと胸を撫で下ろす。
 人魚の里での活動も、終わりが見えてきていると考えていいだろう。
 成り行きとはいえ、四肢の拘束も全てが解除されたわけだしな。

「それで、今日はこれで解散か?」

「いや、違うぜ。石材による補修作業は終わったが、次は結界魔法による補強作業に入ることになっている」

「結界魔法?」

 そう言えば、エリオット王子がそのようなことを言っていたか。
 確か、外から内部を認識しづらくなるとか……。

「結界の効力が切れかけている疑惑があるらしくてな……。石材で物理的に補修した後、結界魔法によって補強することになっている」

「ほう」

「ナイトの兄ちゃんのおかげで、工程が早まった。実は昨日のうちに魔法師団の方に連絡しておいたんだ。……ああ、ほら。来たぞ」

 リーダー格の男が、離れたところに視線を向ける。
 俺もつられてそちらを見る。
 そこには、魔法使いっぽい感じの人魚が数人いたのだった。

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