【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1281話 アビス・オクトパス
「ふぅ……」
「兄ちゃん、お疲れさん。今日も助かってるぜ」
翌日。
俺が防壁の補修作業をしていると、リーダー格の男が話しかけてきた。
「いや、こちらこそだ」
俺はそう答える。
彼は、俺のことを上に報告してくれているようだ。
力仕事ができる人族で評価に値すると。
そして、俺が生魚を忌避感なく食べたことも意外なほど好評価だったらしい。
メルティーネがそのようなことを言っていた。
俺の力を封じている拘束は、左足を残すのみだが……。
この調子なら、その解放も近いかもしれないな。
エリオット王子がいたらさらに話が早かっただろうが、彼はリトルクラーケンの討伐に出ている。
しばらくは堅実に働いて貢献していくしかあるまい。
「このあたりの補修作業は、ひと段落したな。次はどこをすればいい?」
「そうだな。次は――」
俺はリーダー格の男に指示を仰ぎながら、次の作業内容を確認する。
すると……。
「む?」
何やら騒がしいことに気づいた。
リーダー格の男も、その異変に気付く。
「うわああ! 助けてくれえ!」
「魔物だーー!!」
少し離れたところから、作業員たちの悲鳴が聞こえた。
視線を向けると、そこの防壁に巨大なタコが張り付き、作業員たちを襲っていた。
「あれは……!?」
「アビス・オクトパスだ! なぜあんな魔物がここに!?」
俺とリーダー格の男は、そのタコを見て戦慄する。
俺は海の魔物に詳しくない。
だが、リーダー格の男の反応を見ていれば、かなり危険な相手であることが分かる。
「おい! 誰か来てくれーー!!」
「無理だ! あんなのに勝てるわけねぇ!!」
「逃げろーー!!」
作業員たちは逃げ惑う。
そして、そんな彼らに向かってアビス・オクトパスは触手を伸ばして攻撃していた。
「う、うわああ!!」
「誰かーー! 助けてくれえ!!」
そんな悲鳴を耳にして……。
俺は――
「――待て」
アビス・オクトパスを見据えながら、そう言う。
「おいおい兄ちゃん! 無茶はするな! あれは相当危険な魔物だぞ!?」
「ああ……」
リーダー格の男がそう叫ぶ。
彼の心配は理解できる。
奴は気軽な気持ちで戦える相手ではない。
「だがな……。ここで見て見ぬふりをするわけにはいかないだろう?」
俺は人魚族に貢献すべく、この場にいる。
彼らに信頼され、穏便に解放してもらい、海上――できればヤマト連邦の近くまで連れていってもらいたい。
そのためには、ここで手をこまねいているわけにはいかない。
それに、この滞在中に人魚族への情も湧いてきた。
王女メルティーネ、侍女リマ、治療岩責任者リリアン。
そして、エリオット王子や気のいい作業員たち……。
彼らのためにも、ここは頑張らないと。
「さて……」
アビス・オクトパスはタコのような見た目をしているが、その大きさは別格だ。
全長5mほどはあるだろうか。
そんな巨体が、作業員たちに触手を伸ばして攻撃している。
「どうしたものかな……」
アビス・オクトパスを倒せるかどうか。
それは分からないが……。
俺は静かに、その巨体へと近づいていくのだった。
「兄ちゃん、お疲れさん。今日も助かってるぜ」
翌日。
俺が防壁の補修作業をしていると、リーダー格の男が話しかけてきた。
「いや、こちらこそだ」
俺はそう答える。
彼は、俺のことを上に報告してくれているようだ。
力仕事ができる人族で評価に値すると。
そして、俺が生魚を忌避感なく食べたことも意外なほど好評価だったらしい。
メルティーネがそのようなことを言っていた。
俺の力を封じている拘束は、左足を残すのみだが……。
この調子なら、その解放も近いかもしれないな。
エリオット王子がいたらさらに話が早かっただろうが、彼はリトルクラーケンの討伐に出ている。
しばらくは堅実に働いて貢献していくしかあるまい。
「このあたりの補修作業は、ひと段落したな。次はどこをすればいい?」
「そうだな。次は――」
俺はリーダー格の男に指示を仰ぎながら、次の作業内容を確認する。
すると……。
「む?」
何やら騒がしいことに気づいた。
リーダー格の男も、その異変に気付く。
「うわああ! 助けてくれえ!」
「魔物だーー!!」
少し離れたところから、作業員たちの悲鳴が聞こえた。
視線を向けると、そこの防壁に巨大なタコが張り付き、作業員たちを襲っていた。
「あれは……!?」
「アビス・オクトパスだ! なぜあんな魔物がここに!?」
俺とリーダー格の男は、そのタコを見て戦慄する。
俺は海の魔物に詳しくない。
だが、リーダー格の男の反応を見ていれば、かなり危険な相手であることが分かる。
「おい! 誰か来てくれーー!!」
「無理だ! あんなのに勝てるわけねぇ!!」
「逃げろーー!!」
作業員たちは逃げ惑う。
そして、そんな彼らに向かってアビス・オクトパスは触手を伸ばして攻撃していた。
「う、うわああ!!」
「誰かーー! 助けてくれえ!!」
そんな悲鳴を耳にして……。
俺は――
「――待て」
アビス・オクトパスを見据えながら、そう言う。
「おいおい兄ちゃん! 無茶はするな! あれは相当危険な魔物だぞ!?」
「ああ……」
リーダー格の男がそう叫ぶ。
彼の心配は理解できる。
奴は気軽な気持ちで戦える相手ではない。
「だがな……。ここで見て見ぬふりをするわけにはいかないだろう?」
俺は人魚族に貢献すべく、この場にいる。
彼らに信頼され、穏便に解放してもらい、海上――できればヤマト連邦の近くまで連れていってもらいたい。
そのためには、ここで手をこまねいているわけにはいかない。
それに、この滞在中に人魚族への情も湧いてきた。
王女メルティーネ、侍女リマ、治療岩責任者リリアン。
そして、エリオット王子や気のいい作業員たち……。
彼らのためにも、ここは頑張らないと。
「さて……」
アビス・オクトパスはタコのような見た目をしているが、その大きさは別格だ。
全長5mほどはあるだろうか。
そんな巨体が、作業員たちに触手を伸ばして攻撃している。
「どうしたものかな……」
アビス・オクトパスを倒せるかどうか。
それは分からないが……。
俺は静かに、その巨体へと近づいていくのだった。
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