【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1276話 防壁の補修作業へ
「ほー。これが防壁か」
俺は人魚の里に来てから初めて、外周部にやって来た。
まだ地理をじっくりとは観察できていないが、ざっくりとした構造は分かりつつある。
里の中心付近に王宮があり、その周囲には様々な施設がある。
さらにその外には一般居住エリアが広がり、リリアンが勤める治療岩もある。
ちょっと離れたところには、俺が寝泊まりしている『海神の大洞窟』が位置しているはずだ。
そしてさらにその外周部に、防壁がある。
人魚の里は、いわば『人魚のみが存在を認知して行き来できる海底の秘密エリア』とも言えるだろう。
「ふむ……。防壁の大部分は、天然の巨大岩石を利用しているようだな。こっちは被害がないようだ」
俺は巨大岩石をペチペチと叩きながらつぶやく。
なかなか良い硬度だ。
リトルクラーケンであっても、これをどうこうすることは難しいはずだ。
人魚の里の成り立ちは聞いていないが、想像はできる。
いい感じに配置されている巨大岩石を見つけ、その隙間に里を造り上げたのだろう。
それだけでも、外敵から身を隠す効果は大いにある。
そして里が発展するにつれ、巨大岩石の隙間を埋めるように物理的な防壁が造られ、結界魔法も併用された。
人魚族は安全な住処を確保しつつ、必要に応じて戦士たちが外へ狩りに出かける……。
そんな感じで、人魚族が現在まで生活してきたのではないだろうか?
「だが、その防壁も今はこの通りか」
俺は無惨な姿になってしまった防壁を見やる。
エリオット王子の話によれば、襲撃してきた魔物に壊されたらしい。
天然の巨大岩石は無事だが、隙間を埋めていたであろう人工の防壁は見るも無残な状態だ。
これでは、魔物に素通りされてしまう。
今は人魚の作業員や戦士たちが修復作業を行っているらしい。
「とは言え、応急処置のようだがな」
俺はそうつぶやく。
力仕事で頼りになる戦士たちの多くは、魔物との戦闘で負傷した。
治療を受けたとはいえ、完治はしていない。
俺が治療魔法を施した戦士たちだって同じだ。
いくら高出力の治療魔法でも、限界はある。
命に別状のない状態まで回復させるのが、一つの区切りだった。
短期間に回復させすぎるのは体に別の負担がかかるし、仮に外傷が完治したとしてもいきなり肉体労働は避けた方がいい。
7割方まで回復させたところで治療終了とし、俺はこうして防壁修理の手伝いにやって来たというわけだ。
「よーし! 次はこの岩をあそこまで運ぶぞ!!
「おっしゃーー!!」
「任せろーー!!」
現場の方から、威勢の良い声が聞こえてくる。
人手は不足しているらしいが、限られた人数で何とか頑張っているようだ。
「さて、俺も――」
「おう、兄ちゃん! ボサッと突っ立ってねぇで、さっさと手伝えぃ!!」
「へ?」
突然の呼びかけに、俺は間の抜けた声を上げてしまう。
声がした方を見れば、巨大な岩石を背負った男たち……人魚の作業員たちが俺を見ていた。
「やる気がないなら、さっさと失せな! 邪魔なんだよ!!」
「手伝ってくれるって話は聞いてるけどな! 半端な手伝いは逆に邪魔になる!」
「人族だからって特別扱いはしねぇぞ!!」
威勢の良い声が次々と飛んでくる。
それを聞いて、俺は――。
俺は人魚の里に来てから初めて、外周部にやって来た。
まだ地理をじっくりとは観察できていないが、ざっくりとした構造は分かりつつある。
里の中心付近に王宮があり、その周囲には様々な施設がある。
さらにその外には一般居住エリアが広がり、リリアンが勤める治療岩もある。
ちょっと離れたところには、俺が寝泊まりしている『海神の大洞窟』が位置しているはずだ。
そしてさらにその外周部に、防壁がある。
人魚の里は、いわば『人魚のみが存在を認知して行き来できる海底の秘密エリア』とも言えるだろう。
「ふむ……。防壁の大部分は、天然の巨大岩石を利用しているようだな。こっちは被害がないようだ」
俺は巨大岩石をペチペチと叩きながらつぶやく。
なかなか良い硬度だ。
リトルクラーケンであっても、これをどうこうすることは難しいはずだ。
人魚の里の成り立ちは聞いていないが、想像はできる。
いい感じに配置されている巨大岩石を見つけ、その隙間に里を造り上げたのだろう。
それだけでも、外敵から身を隠す効果は大いにある。
そして里が発展するにつれ、巨大岩石の隙間を埋めるように物理的な防壁が造られ、結界魔法も併用された。
人魚族は安全な住処を確保しつつ、必要に応じて戦士たちが外へ狩りに出かける……。
そんな感じで、人魚族が現在まで生活してきたのではないだろうか?
「だが、その防壁も今はこの通りか」
俺は無惨な姿になってしまった防壁を見やる。
エリオット王子の話によれば、襲撃してきた魔物に壊されたらしい。
天然の巨大岩石は無事だが、隙間を埋めていたであろう人工の防壁は見るも無残な状態だ。
これでは、魔物に素通りされてしまう。
今は人魚の作業員や戦士たちが修復作業を行っているらしい。
「とは言え、応急処置のようだがな」
俺はそうつぶやく。
力仕事で頼りになる戦士たちの多くは、魔物との戦闘で負傷した。
治療を受けたとはいえ、完治はしていない。
俺が治療魔法を施した戦士たちだって同じだ。
いくら高出力の治療魔法でも、限界はある。
命に別状のない状態まで回復させるのが、一つの区切りだった。
短期間に回復させすぎるのは体に別の負担がかかるし、仮に外傷が完治したとしてもいきなり肉体労働は避けた方がいい。
7割方まで回復させたところで治療終了とし、俺はこうして防壁修理の手伝いにやって来たというわけだ。
「よーし! 次はこの岩をあそこまで運ぶぞ!!
「おっしゃーー!!」
「任せろーー!!」
現場の方から、威勢の良い声が聞こえてくる。
人手は不足しているらしいが、限られた人数で何とか頑張っているようだ。
「さて、俺も――」
「おう、兄ちゃん! ボサッと突っ立ってねぇで、さっさと手伝えぃ!!」
「へ?」
突然の呼びかけに、俺は間の抜けた声を上げてしまう。
声がした方を見れば、巨大な岩石を背負った男たち……人魚の作業員たちが俺を見ていた。
「やる気がないなら、さっさと失せな! 邪魔なんだよ!!」
「手伝ってくれるって話は聞いてるけどな! 半端な手伝いは逆に邪魔になる!」
「人族だからって特別扱いはしねぇぞ!!」
威勢の良い声が次々と飛んでくる。
それを聞いて、俺は――。
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